『LIMBO』光と影で描かれた淡く幻想的な世界で“死”と向き合うアドベンチャーゲーム【とっておきインディーVol.048】

古今東西のステキなインディーゲームを紹介していくコーナー。今回はモノクロの淡い世界で“死”と向き合ったアドベンチャーゲームの有名作品を紹介。

●モノクロームの世界でくり広げられる残酷で切ない物語……

 横スクロールのゲームと言えば、気軽に遊べる作品が主流となっているが、本作は横スクロール進行の体裁を取りながらも、その見た目、雰囲気ともに、どの作品ともまったく異質のものとなっている。開発したのは、デンマークに拠点を置く独立系ゲーム開発会社の“Playdead”。ゲーム画面はモノクロでセリフやメッセージもなく、BGMもほとんど流れないという、これ以上ないシンプルな作品だが、そのテーマ性は非常に重く、プレイヤーの心にズシリと響くほどのしかかってくるはずだ。

 ゲームの目的は、いなくなった妹を探し出すこと。少年のいる場所がどこで、何をすればいいのかといった情報はいっさい明示されていない。少年はとくに秀でた能力があるわけではなく、人並のジャンプ力と、モノを押す・引くくらいしかできない。つまり、作品の見た目と同じく、操作もシンプルそのものである。体力回復のアイテムやパワーアップといった要素も、本作にはいっさい存在しない。
 そんな不可解な状況に突然投げ込まれながら、とりあえず歩を先へと進めていくと、あろうことか少年はあっさりと殺害されてしまう。やり直してその死を回避しても、その先ですぐに死ぬ。とにかく死にまくるのだ。淡いグラフィックでシルエットしか見えないのに、この死に様が重苦しく、痛々しいものとなっている。
このように、本作はひたすら死んでは攻略法を見つけ出す“死にゲー”なのだが、ゲームバランスはよくまとまっており、死んでもすぐに直前の地点から再開できるため、テーマ性以外の部分でストレスを感じることは少ないだろう。“死”の描写や、重苦しい独特の雰囲気によって、遊ぶ人を選ぶかもしれないが、一度この世界にハマると、止めどきを見失ってしまうほど中毒になること間違いなしの作品だ。

▲『LIMBO』の世界は色がなく、死が満ち湓れている。森の奥深くで少年が目覚めるところから、ゲームは始まる。

▲湖に浮かぶ小舟、子どもたちの人影、巨大な歯車、森の中で待ち受けるさまざまな謎。少年は無事、妹のもとへたどり着けるのだろうか。

●少年を待ち受ける残酷な“死”の数々

恐るべきトラ挟みの罠
 少年は何もない平坦な道の先に、恐ろしい罠が仕掛けられているとは知らず、妹を捜すため森の中を駆けていく。やがて巨大なトラ挟みの餌食となり、見るも無惨な姿になってしまうのだ。

勢いあまって……
 滑車につかまり、気持ちよく滑空していく少年。しかし、勢いよく駆け下りていった先には、少年の身体を貫かんとする無数のトゲが。その結果、彼の身体はトゲに貫かれ、命を落としてしまう。

巨大蜘蛛の鋭い脚
 木がうっそうと生い茂る森の奥深くに迷い込んだ少年のゆく先にうごめく影。それが巨大な蜘蛛の脚だと気づいたときは時すでに遅し。少年の身体は、蜘蛛の固く鋭い脚にあっさりと貫かれることに。

突然の機銃掃射
 森の奥へと進み、誰が仕掛けたかわからないエレベーターに乗り込む。すると突然、目の前のセンサーが反応し、機銃の掃射が始まった。なす術なく、少年の身体はバラバラの肉塊に変わり果てた。

高圧電流の恐怖
 廃墟のようなホテルの屋上にたどり着き、朽ちかけたネオン看板の上を渡り歩こうとしたその瞬間、看板がまばゆく点灯。同時に、少年の身体を高圧電流が駈け抜け、崩れ落ちるように絶命を迎える。

●凄惨な“死”をくり返し少年は歩を進めていく

 冒頭でも述べたように、本作は死にながら攻略法を見つけていく、“死にゲー”と呼ばれるタイプの作品となっている。左であげたトラップも、誰もが一度は犠牲になるはずのものばかりだ。これらの仕掛けの数々だが、力ワザで乗り切るのではなく、きちんと解法が用意されている。それを導き出す試行錯誤の過程こそ、本作の醍醐味である。なかには一筋縄ではいかない仕掛けもあるが、思考を巡らせて乗り越えたときは格別な気分が味わえることだろう。

▲鋭く尖った足で少年を襲う巨大蜘蛛も、トラ挟みをうまく使うことで撃退できる。

●“LIMBO”という言葉の意味

 本作のタイトルである『LIMBO』を訳すと、“忘却”もしくは“辺獄”(天国と地獄のあいだで、善人の霊魂がとどまる場所)とされている。本作をクリアーしたとき、このタイトルの持つ意味が大きく、プレイヤーの心に染み入ってくることになるはずだ。


LIMBO
メーカー Playdead
対応機種 PSVPlayStation Vita / PS3プレイステーション3 / X360Xbox 360 / iOSiPhone/iPod touch / AndroidAndroid
発売日 配信中
価格 プレイステーション3版とプレイステーション Vita版は1234円[税込]、Xbox 360版は1029円[税込]、iOS版は600円[税込]、Android版は499円[税込]、Steam版は980円[税込]  CERO:D(17歳以上対象)※iOS版レーティング:12+、Android版レーティング:16歳以上
ジャンル アクション・アドベンチャー

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