ももチョコがファンと交流!
2015年10月3日、東京アニメ・声優専門学校にて、プロゲーマーのEG.ももち氏とEG.チョコ氏が主催する『ウルトラストリートファイターIV』(以下、『ウルIV』)を使用したファン交流イベント、忍びの会 −其の弐−が開催された。その模様をお届けする。
まずは、ももち氏とチョコ氏をご存知ない方に簡単に説明すると、おふたりとも世界最大級の北米プロゲーム団体EvilGeniuses所属のプロゲーマー。ももちさんは、2014年に『ウルIV』公式世界大会で優勝し、2015年夏には世界最大規模の格闘ゲーム大会EVO2015で優勝をおさめた、いまもっとも勢いのあるプレイヤー。一方のチョコ氏は、日本人女性初のプロゲーマーで、ももち氏とともに活動。ももち氏の交際相手で、おふたりは世界初のプロ格闘ゲーマーカップルでもある。
ちなみに、会場となった東京アニメ・声優専門学校は、日本初のプロゲーマーになるための学校として大きな話題を呼んだ専門学校。過去にこの学校でチョコ氏が講演を行ったことがきっかけで、たびたびこういったイベントを開催しているそうだ。
忍びの会−其の弐−は、午前、午後の2部制で、事前申し込みを行った40名(各部20名)が参加して行われた。会場は、『ウルIV』のフリープレイ台が5台設置されており、参加者が自由に対戦できるようになっていた。本イベントにはリピーターも多く、そういった方々が初参加の人を対戦に誘うなど、参加者どうしが積極的に交流を深めていて、笑顔の多くみられるアットホームな雰囲気の対戦会という印象を受けた。実際に参加者に話をうかがってみると、「ふだんは自宅でオンライン対戦ばかりなので、こういったオフ会はとてもうれしいです。積極的に話しかけていこうと思います」と、仲間の輪を広げようとする人や、「自分よりうまい人に教えてもらえて、すごく助かります」と、参加者どうしで教え合ったりする場面もあったようだ。
参加者どうしの対戦交流会に並行して行われたのが、“ももちトレーニングスクール”。世界大会連続優勝の実績を持つももち氏と実際に対戦を行い、直接アドバイスを受けられるというファンにはうれしいコーナーだ。筆者はこのコーナーをじっくり取材させていただいたのが、ももち氏のアドバイス能力の高さに非常に驚かされた。ライトなプレイヤーには、基本的な技の性能をわかりやすく解説し、中級者には“技の仕込み”などその人に足りていないテクニックなどの技術面を、そして、上級者には試合運びや意識配分などの一歩踏み込んだ内容をアドバイス。さらに、こういった内容を相手のレベルに合せて、わかりやすく噛み砕いて説明しているのも印象的だった。
アドバイスを受けた人の話を聞くと、「わかりやすいアドバイスだったので、すぐに試してみたいです」と、すぐにフリープレイで実践しようとする人や、「実際にプロがどのようなことを意識して対戦しているのかなど、動画を見るだけではわからないことを聞けてよかった」と、直接アドバイスを受けられるからこそのありがたみを口にする人もいたぞ。
●『ストV』の出展も!
会場にはカプコンの綾野アシスタントプロデューサーが『ストリートファイターV』のROMを持って来場! 綾野氏の『ストV』プレゼンテーションや賞品がもらえる“綾野クイズ”、そして『ストV』の試遊が行われた。『ストV』はこれまでにクローズドベータテストと東京ゲームショウでしか試遊の機会がなく、参加者のほとんどが初めてプレイする人ばかりで大盛り上がり。この模様は、Momochi and ChocoBlanka TVにてストリーミング配信されいるので、ぜひチェックしてみよう。
イベントに参加した綾野氏に感想をうかがうと、「アットホームで非常にいい雰囲気ですね。こういった交流イベントは、これまではゲームセンターで開かれていましたが、学校で開催されたということに時代の変化を感じています。こういったイベントが全国に広がっていくといいですね」とコメント。今後こういったイベントには参加していくのですか? との問いには「『ストV』はユーザーのみなさんといっしょに作っていこうと考えています。ですから、こういったユーザーイベントには今後も積極的に参加したいと思います」と語っていたぞ。
今回のイベントで感じたのは、ももち氏・チョコ氏のファンとの距離感。チョコ氏はイベントの準備や運営に追われながらも、ファンと対戦したり、声をかけたりといった姿が見受けられたし、ももち氏は「スクールでひとりひとりとしっかりコミュニケーションを取りたい」との理由から参加者を40名の少人数制にし、イベント終了後までしっかりとファンの質問に答えていた。会いに行けるアイドルではないが、会いに行けるプロゲーマーという感じの、ファンとの交流をとても大事にする姿勢がとても印象深かった。
また、もうひとつ強く感じたのは、近年格闘ゲームをプレイし始めた人たちの多くは、家庭用中心で遊んでいるということ。実際にイベント参加者に訪ねてみるとそのほとんどの人が、「自宅でオンライン対戦を中心にプレイしています」と口をそろえて応えてくれた。その理由は「近くに同じレベルの人と対戦できるゲームセンターがない」、「自分はあまり強くないので、コストがかかってしまう」といった声が多かった。家庭用ゲームの進化で、環境さえ整えばゲームセンターと変わらないクオリティーの対戦が可能で、自分と同じレベルの相手も見つけやすいのでこれは当然のこと。ただ、こういった人たちは、「ふだんはひとりでプレイしているだけなので、オフ会などには積極的に参加したい」、「いっしょに対戦できる友だちを増やしたい」とも語っており、今回の忍びの会のようなオフイベントに餓えているようだ。『ストV』は家庭用オンリーでの発売となるようなので、今後はこういった初中級者が交流を持てるオフ会の重要性は増していきそうだ。ももち氏とチョコ氏はこちらのインタビューでオフ会の重要性をすでに認識しており、今後もこういったイベントを続けていきたいと語っていた。筆者も格闘ゲームが大好きな人間のひとりとして、こういった姿勢のふたりを応援していきたいと感じた。ちなみに次回は、カプコンカップでももち氏が優勝したら、祝勝会を兼ねて年末に開催したいとのこと。ももち氏の活躍に期待しよう!! (豊泉三兄弟(次男))