とりあえずしゃぶり尽くす!
2015年10月4日から、ハンビットユビキタスエンターテインメントより配信開始となるスマートフォン用MMORPG『ZEEO ‐ジオ‐』。ダークヒーローともいうべき影のある主人公たちと、彼らを軸に描かれる重厚なハイファンタジーの世界はすでにリリースなどで伝えられているが、なかでも気になる点は、このゲームがスマートフォンをプラットフォームとしながら、「コアなPCのMMORPGゲーマー向け」の作品をうたっている点だ。
その意図などについてはすでに別の記事で開発陣から話をうかがっているが、実際にプレイしてみないとその実態はわからない。そこでさっそく、インタビューと同日にスマートフォン実機でチュートリアル、終盤のダンジョン、そして最高難度のエンドコンテンツのひとつまで、ひと通りプレイしたので、その模様を順番にお伝えしていこう。
チュートリアルと最初のクエストで操作感を確認
まずはゲームを開始し、最初に触れることになるチュートリアルと、そのあと最初に受けることになるクエストまでを通してプレイした。
まずゲーム開始前に、キャラクター作成から。ゲーム開始当初はファイター、アサシン、ソーサレス、シャーマン、ガンナーの5種類のクラスのキャラクターが選べる。また、この5クラスのキャラクターはすべて作成可能で、ゲーム内通貨のGOLDと、GEMと呼ばれる課金で購入もしくはダンジョン内でドロップ入手できる特殊通貨は、5キャラクターのあいだで共有できる。
ゲーム開始とともに流れる3DCGのムービー。そのムービーの作りに、この時点でスマートフォンのゲームを超えた気合いを感じるが、これもまだ本作では序の口だ。また、BGMも壮大で、これもPCのMMORPGを遊んでいるかのように思えてくる要因のひとつ。後述するキャラクターのスキル使用時のセリフなどとともに、ぜひヘッドホンでじっくり聴きつつ世界に浸りたいと思った。
ムービー終了後、さっそくチュートリアルの戦闘で操作を確認してみる。本作の画面は基本的には後ろ斜め上からのクォータービュー視点となっており、行きたいところをタップすれば移動、移動した地点の近くにいる敵に対して自動で攻撃開始と、基本的にはタップだけでさくさくと進められる。
また、ダブルタップするとその地点へと高速で移動する“回避”が使えるが、これが狙った地点に敵をも突き抜けて移動するため、瞬間移動のように素早く、かなり気持ちよく感じた。
そしてMPを消費して放つ“スキル”も、スキルごとに決まった図形パターンをフリック操作で画面内に描くというスマートフォンならではの方法と、画面下にあるショートカットウィンドウのスキルアイコンをタップするというPCのMMOそのものの方法の2パターンで放つことができ、前者では大技を自分で出しているかのような爽快感を、後者では正確にスキルを出す戦略感を強く味わえた。
チュートリアル終了後には、さっそく今後の冒険の拠点となる街に移動した。ほかのプレイヤーのキャラクターが歩き回り、「こんにちは!」などとチャットで会話している様子は、まさにPCのMMORPGの街そのものだ。筆者はふだんからPCのさまざまなMMORPGやMORPGを日常的にプレイしており、それらであまりに見慣れた光景だったためか、触れているのがスマートフォンであることを忘れるほど違和感を感じなかった。
ここまでPCのMMOっぽさが残っているのはうれしい限りだが、NPCのあいだをいわゆる“お使い”で走り回ったり、装備の強化や回復アイテムの購入のために販売NPCとアイテム倉庫のあいだを往復したりといった点がスマートフォンで手軽にできないのでは、と気になる。だが、その点も心配無用。回復アイテムは街のどこからでも、画面右下の回復アイテムアイコンをタップすると購入できる。また、装備の変更や強化、売却も、メニュー画面ですべてできる仕様となっている。
さらにメインストーリーのクエストをくれるNPCのところへは、画面右のアイコンをタップすれば、自動で移動してくれる。メインストーリーを進行するだけなら、とくにNPCのところへ自分で移動する必要はない。だが、街にいるNPCの中にはGOLD報酬がおいしいサブクエストを出してくるNPCがいたりと、歩き回っているだけでさまざまな発見がある。
つまり街はMMOのように自由に歩き回ってほかのプレイヤーと交流できる場となっていながら、アイテム購入や強化などはどこでも可能、とPCのMMOのよさとスマートフォンのゲームならではの手軽さが両立しているわけだ。
こうして街の探索をひと通り楽しみ、準備を終えたところで、さっそく最初のメインクエストのダンジョンへ突入してみることとなった。
ここまでのチュートリアルでは、移動は手動で、バトルは近くの敵を自動でターゲッティングする“セミオート”を使っていたが、ダンジョン内での操作には、ほかにも移動とターゲッティングをすべて操作する“マニュアル”と、マップに沿った移動と攻撃のすべてを自動で行なってくれる“オート”があることがわかったので、まずは“オート”にしてみた。
オートはスマートフォンのゲームならではの便利機能。ラクな代わりに攻撃力と防御力が20%ダウンするペナルティーもある。それでも最初のダンジョンなら、イージーな敵しか出ないだろうし問題ないだろう、と思っていたのだが……。
なんと、しばらく目を離したスキに、前衛で堅固なはずのファイターのHPが瀕死寸前まで減っている。オートではスキル発動と回復アイテムの使用は行なわないため、敵との強さが拮抗しているダンジョンだとこんなリスクもあるわけだ。
慌てて回復アイテムを使用し、最初から使える範囲攻撃スキルも使って窮地を脱出。オート操作中もこうしてアイテムやスキルの指示は出せるので、完全に放置ではなく半自動プレイといった感じで使うのがいいのかもしれない。
そもそも、最初のダンジョンにしては敵がなかなかに強い。本作が「コアなPCのMMORPGゲーマー向け」と言っていた理由が、なんとなくわかってきた気がする。
過去にプレイしたPCのMMORPGで、作成直後のキャラクターで最弱の敵に挑み、何も考えずに殴り合ったすえにやられてしまい、「まぁ、まだデスペナルティーがないし、いいか」と思ったことが何度あったことか。最初にもらえる練習用のポーションを使うのをためらってはいけないと、何度学んだことか。その感覚が痛烈に蘇った。