新規収録作の見どころを解説。杉森氏による即興セガキャライラストも!
2015年9月17日(木)から9月20日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2015(17日・18日はビジネスデー)。同イベントの3日目となる19日のセガブースにて、『セガ3D復刻アーカイブス2』(以下、『アーカイブス2』)の関係者によるスペシャルトークショーが行われた。
ステージには、“セガ3D復刻プロジェクト”のキーマンとしてお馴染みの奥成洋輔氏と堀井直樹氏に加え、新たにリードプロデューサーに就任したセガの下村一誠氏、そして『ポケットモンスター』シリーズのキャラクターデザイナーであるゲームフリークの杉森建氏が登場。朝イチから濃厚なセガトークが繰り広げられ、ステージ前に集まった熱心なファンを喜ばせた。
セガの名作を3D立体視化してリメイクした復刻シリーズ“セガ3D復刻プロジェクト”のパッケージ版第2弾となる『アーカイブス2』だが、トークはそれが発売される経緯から語られていった。本来ならば全16タイトルで“終了”なはずであったプロジェクトだが、「このまま終わらすのはもったいない。“セガらしいこと”を待ち望んでいる、お客さんの熱意に応えないといけない」(下村氏)との判断から、パッケージ化の企画がスタート。実は下村氏は、『セガエイジス2500』シリーズのプロデューサーを務めており、奥成氏をそのスタッフとして抜擢し、さらにはエムツーと引き合わせた人物。つまり、下村氏なくして、一連のレトロ復刻はありえなかった“生みの親”なのだと奥成氏は熱く説明。そうした歴史の連なりと熱意が一体となって、『アーカイブス2』は生まれたわけだ。
『アーカイブス2』を手掛けるにあたって、下村氏はまず“お客様の声”である前作のアンケートを徹底分析。その結果、『パワードリフト』の移植希望がもっとも高かったことから、新規収録を決定。タイトルの選定も下村氏が行ったという。気になる開発状況としては、すでに3DS実機上で60フレームで動作するところまで到達。しかし、そこからの追い込みが難しいのは3D復刻プロジェクトの常であり「僕もパワドリが欲しかったけど、いざ作るとなるとたいへん。遅れないように必死で頑張っています」(堀井氏)と、力強く語った。
ステージ後半は、新規収録される2タイトルの見どころを説明。鈴木裕氏が手がけた一連の体感ゲームである『パワードリフト』は、まだポリゴン描画のない時代に大量のスプライトを重ねて表示することで擬似的な3D空間表現を実現。「すでにカメラの概念が導入されていて、視点を変えることができる」(堀井氏)と、先進的であったことを説明。「3D立体視にしたらすごいことになってます」(下村氏)と期待の膨らむコメントも飛び出した。
もうひとつの新規収録作『ぷよぷよ通』については、「じつは最初は『コラムス』にしようかと思っていたけど、奥成くんから『ぷよぷよ通』に、しかもアーケード版にしよう!」(下村氏)と強い提案があったことを披露。対戦といえばアーケード版“ぷよ通”というのは、「『コラムス』は『龍が如く0 誓いの場所』でエムツーさんが移植しているので、だったら“ぷよ通”でしょ!」というのが、その理由だと説明した。しかし堀井氏は「メガドライブ版とアーケード版はほとんど同じだからと奥成さんは言いましたけど、それって裏を返せば違うってことですよね」と、ここにも見えない苦労があることを語っていた。
ここからは、スペシャルゲストの杉森氏のターン。「プレイヤー時代からセガのゲームには非常にお世話になっていて、作り手になってからはメガドライブでの2タイトル(『まじかる☆タルるートくん』『パルスマン』)関わっているのでつながりはあった」と語る杉森氏は、パッケージイラストを手掛けることになった経緯を「Twitterで“巷のスペースハリアーの絵は格好悪い”とつぶやいていたら、奥成氏から急遽オファーがきた」と、冗談めかして説明。また、続いて手掛けることになった『アーカイブス2』のイラストは、夏休みの時間を返上して描き上げたという、セガファン・イイ話を明らかにしていた。
そしてなんと、せっかく来場してくれた杉森氏にセガのキャラクターのイラストを描いてもらおうという特別企画が実現。ニコニコ生放送のアンケート機能でを使って選ばれたのは、『ファンタシースター』。「いっときますけど、オンラインじゃないですからね」と前置きしつつ、スケッチブックにサラサラとペンを走らせて『ファンタシースターII』のネイを描き上げると、来場者からは大きな拍手が沸き起こった。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、濃密なセガ愛に包まれたステージは終了。最後に下村氏が「シリーズは2で終わらせず、3、4と続けていきたいと思っています。ご支援引き続きよろしくお願いします」と熱く宣言し、大盛況のうちにステージは終了となった。