空間を共有できるドームシアターとしても展開

VRアプリ『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver』熱き想いが語られたステージをリポート 新プロジェクトブランド“SIGN”が発足【TGS2015】_21
▲『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver』メインビジュアル

 プロダクションI.Gは、『攻殻機動隊 新劇場版』を基にしたバーチャルリアリティー(以下、VR)アプリ『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver』の全世界への配信を予定している。そのステージイベントが、2015年9月17日(木)から9月20日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2015(17日・18日はビジネスデー)の2日目となる本日17日に行われた。

 『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver』は360度の立体映像として制作されており、VRヘッドマウントディスプレイを用いて視聴することで、作品世界へのよりいっそうの没入感覚を体感することが可能になる。まず Oculus Rift 版の予告編映像を無料配信できるよう準備を進めており、2015年冬に“完全版”としてiOS、Andoroid向けに480円(予定)で全世界配信がされるのだという。

 以下からは、ステージの登壇者が語った、本アプリへのそれぞれの想いを記していく。

◆浅井宣通氏 SIGN クリエイティブディレクター・WOW 所属
・プロフィール:フェイスプロジェクションマッピング“OMOTE”、“FACE-HACKING”などイノベイティブな作品が世界的な話題となったクリエイティブディレクター。これらの作品は世界中で数百万のアクセス数を誇っている。

・コメント
 東京ゲームショウでVRコンテンツがたくさん出展されているところをみると、本当に2015年が“VR元年”であると感じています。
 僕はVRという言葉に少し違和感があります。なぜなら、VRという言葉は40年以上前からあって、古臭いという印象もあったからです。その間に『マトリックス』や『アバター』などのVRなどの映画が誕生し、それは何百年も先のことだろうと思っていたら、いまではVRが一般的に体験できるようになってきました。これは、あっと言う間にVRのテクノロジーが時代に追いついた、VRの第2段階に入ったということだと思います。
 そこで、VRで何か作品を作れないかと考えると、『攻殻機動隊』だったんです。この作品でVRコンテンツを作るということは特別な意味を持ってます。なぜなら、『攻殻機動隊』自体がVRを描いているのですから。
 また、東京ゲームショウ2015では、『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver』をドームシアターにて展開していますので、ぜひ体感してみてください。ヘッドマウントディスプレイでも『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver』をこれから展開していきますので、ぜひ支持をしていただけましたら幸いです。

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▲ドームシアターイメージ
▲東京ゲームショウ2015ブースイメージ

◆高幣俊之氏 オリハルコンテクノロジーズ代表取締役社長
・プロフィール:ドーム映像システム開発の第一人者であるソフトウェアエンジニア。『宇宙戦艦ヤマト2199』の科学可視化にも参加した。

・コメント
 実現したかったのは、“空間を表現する”ということです。私はそのためのツールを作る、裏方のような仕事をして、クリエイターともによりよい空間の表現を目指しています。
 今回の東京ゲームショウ2015を見てもわかるように、ヘッドマウントディスプレイなど体感できるVRに、非常に大きな波がきています。さらに、空間を共有できるドームシアターという、新しい体験の方法が生まれています。
 このVRの始まりのタイミングに、日本から発信する大きい作品として『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver』が発信をしたいと考えています。ぜひ、完成版のほうも期待してください。

◆糸屋覚氏 SIGN テクニカルプロデューサー
・プロフィール:全天周映像の高解像度撮影及び投影機材の開発を手がけるハードウェアエンジニア。アラスカで高解像度のオーロラ撮影に成功したことも。『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver』ではドームシアターの広報を担当。

・コメント
 ここまで道のりはとても長いものでした。2014年の7月に浅井さんから届いた、「ドームシアターの没入感を使って、何かおもしろいことはできないか」という1通のメールが今日に至るまでのスタートでした。
 素晴らしい作品に、素晴らしいメンバーとともに発表できたことをうれしく思います。

◆東弘明氏 映像ディレクター・stoicsense所属
・プロフィール:ミュージックビデオやプロジェクションマッピングの企画会議のオーガナイズを担当。大塚製薬の“LUNAR DREAM CAPSULE PROJECT”などの映像制作を手がける。『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver』では演出、アートディレクション、CGプロデュースを担当。

・コメント
 360度の立体視映像は本当に没入感が高いものに仕上がっています。ダイナミックなカメラワークを導入したことで、重力も感じられます。これは、いままでの映像演出とは違うすごい“体験”です。また、ドームシアターではとなりにいる人と空間を共有できるということも、新しいテクノロジーであるということを強く感じました。
 忘れてはいけないのは、僕の無茶なディレクションに対して、最高のCGで答えたくれた、CGディレクターやCGアーティストの貢献です。VRというコンテンツが日本から世界に発信できる、日本のカルチャーになるように、スタッフみんなで盛り上げていきます。この奇跡的なプロジェクトに関わることができて、本当に光栄です。

■新プロジェクトブランド“SIGN”とは

 ここで、新プロジェクトブランド“SIGN”が発表。公式サイトがオープンとなった。浅井氏は、このブランドを立ち上げたことについて、以下のように語った。

浅井宣通氏 今回の『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver』は始まりにすぎません。テクノロジーは日進月歩でつねに進化を続けているといことは、単に便利になるということだけでなく、ライフスタイルを変えてしまう、思想や表現にも影響を与えます。テクノロジーと表現は切っても切り離せないものでしょう。
 いままでは、アニメ会社や映画会社がコンテンツ作りをしていました。これからは、そうした括りだけではなく、テクロジーを開発しながら同時に表現を考えるということがすごく重要になります。
 さまざまな企業様にもご協力していただき、新しい取り組みをすることができました。SIGNではFuture, Art, Technology, Innovationという4つのキーワードを掲げ、どんどん進化していく表現を追求していきますので、よろしくお願いします。

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