舞台は機械の生物が跋扈する謎の世界

 2015年9月17日(木)から9月20日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2015(17日・18日はビジネスデー)。ここでは、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアから2016年発売予定のプレイステーション4用ソフト『Horizon Zero Dawn』のクリエイターセッションが行われた。

 『Horizon Zero Dawn』は、『KILLZONE』を開発したオランダのGuerrilla Gamesが開発を手掛ける完全新規IP(知的財産)。今年のE3で公開され、そのグラフィックの映像美と機械の獣との迫力あるバトルが注目を集めた本作は、TPS(三人称視点シューティング)タイプのアクションRPGだ。このセッションでは、開発元のGuerrilla GamesからMark Norris氏とJeroen Roding氏が参加。Norris氏がソフトの概要説明を、Jeroen氏がゲームプレイを公開してくれた。

未知の機械生物を仕留め、世界の謎を解明していく『Horizon Zero Dawn』 Guerrilla Gamesがアクションの魅力をアツく語る【TGS2015】_02
▲プレゼン担当のMark Norris氏(左)と、プレイ担当のJeroen Roding氏(左)

 まずは、Norris氏から概要についてのプレゼンが行われた。本作は、Guerrilla Gamesの歴史の中でももっとも野心的なプロジェクトだという。シングルプレイで楽しめる、三人称視点のアクションRPGで、ローディングで動作が途切れることなく楽しむことができる。世界観は、いわゆる黙示録的な状況からさらに長い年月が流れている。プレイヤーは壮大な旅をしながら、さまざまな謎を解き明かしていくことになるが、もっとも大きな謎のひとつが、“人間が地上を支配していない状況下での人間の在りかた”だという。単なるオープンワールドタイプではなく、プレイヤーが探索範囲を広げ、頭を使えば使うほど、すばらしいストーリーが体験できるそうだ。
 今回のセッションでは、『Horizon Zero Dawn』における、重要な3つのポイントが紹介された。そのポイントはつぎの3つ。
(1)黙示録以降の本作の世界観そのもの
……人類滅亡後の世界を扱った例として、『Fallout 4』や『マッドマックス』をあげたが、本作はそれらよりもはるかに長い年月が経過している
(2)プレイヤーの前に立ちはだかる謎の機械たち
……なぜ、機械の生き物がそこに存在しているのかという謎を探ることに醍醐味がある
(3)ダイナミックな戦闘
……Guerrilla Gamesの伝統として、アクションと戦闘にはこだわりがある

 本作の主人公は、女性キャラクターの“アーロイ”。ただ戦闘をくり返すだけではなく、持てる限りの知性や工夫をしながら、機械の生物に立ち向かう。本作で対峙する敵は、大きなサイズだったり、強力な火力を持っていたりと、つねにプレイヤーを圧倒している。代わりに“アーロイ”に与えられるのは、戦闘における選択肢。それは武器や、倒しかたを指すのだ。

未知の機械生物を仕留め、世界の謎を解明していく『Horizon Zero Dawn』 Guerrilla Gamesがアクションの魅力をアツく語る【TGS2015】_03
▲主人公“アーロイ”が、未知の世界の謎を解き明かす冒険の旅。

こだわりのアクションで戦闘がひときわ楽しく!

 今回のセッションは、フォトセッション以外は残念ながら撮影禁止だったため、詳しく紹介することはできないのが残念だが、セッションでは本作のUI(ユーザーインターフェース)が紹介された。これまで公開された画面でも確認できるのは、画面右下にある武器スロット。それに加え、画面上部に行先を示す“コンパス”と敵に見つかっているかどうかを示す“ステルスインジケーター”。さらに、右上の経験値バーと左下のヘルス(体力)バー。そして右下には武器スロットが表示されている。メイン武器となるBOW(弓)がスロットの上部に、そして今回は、下部には補助的な弓が格納されていた。これはワナを設置するなど、戦略的に使用可能となる。
 今回のプレゼンのバージョンは、PS4の実機上ですでに動いていて、フレームレートは30fpsとなるようだ。
 まず標的にしたのは、番犬の如く周囲を警戒している“ウォッチャー”。機械の生物たいちは、通常は“眼”と思しき場所が青色に光っているが、“アーロン”を認識すると、赤色の警戒色へと変化するようだ。今回は、背後からザクッと一撃で倒すことに成功。
 続いては、まるで草食動物のように群れを形成している“グレイザー”を標的に。今回は通常の弓矢ではなく、ワナを仕掛けられる武器を選択し、少し離れた場所に設置する。そして、そこに“グレイザー”を追い込むように弾を撃ち込むと、“グレイザー”は一斉にワナのある方向へと走り出し、そして……見事に倒すことに成句したのだ。もちろん、一匹ずつ倒してもいいのだが、反撃される可能性もあるため、どうするかはプレイヤー次第だ。
 最後は、E3のトレーラーにも登場した巨大な機械生物“サンダージョー”。すでにダメージを受けていて猛り狂った状態だが、冷静に動きを読んで、確実に部位を破壊していく。そのくり返しで、この巨大な機械生物も無事仕留めることができた。

未知の機械生物を仕留め、世界の謎を解明していく『Horizon Zero Dawn』 Guerrilla Gamesがアクションの魅力をアツく語る【TGS2015】_01
未知の機械生物を仕留め、世界の謎を解明していく『Horizon Zero Dawn』 Guerrilla Gamesがアクションの魅力をアツく語る【TGS2015】_04
▲ここまでくれば、“サンダージョー”撃破もあとひと息。
▲この世界には、まだ見ぬ強敵の存在も……。

 戦闘のバリエーションはまさにプレイヤー次第のうえ、破壊したパーツを集めることでクラフト要素を倒しむこともできる。戦術的な選択肢も豊富で、さまざまなハンティングパターンを楽しむことができるだろう。しかし、“アーロイ”の目的は機械生物を狩ることではなく、この世界の謎を解き明かすこと。あえて主人公を固定し、シングルプレイでの開発を進める『Horizon Zero Dawn』だけに、この神秘的な世界には驚くような謎や生い立ちがあるに違いない。唯一無二の世界観を、PS4ならではの美麗グラフィックでじっくり楽しもう。

『Horizon Zero Dawn』 E3 2015トレーラー(日本語吹替版)