会話だけのRPG
「はい」と「いいえ」しか言わない。RPGにおける勇者のお決まりだ。しかし、考えてみてほしい。そんなことで、仲間と協力してモンスターを倒せるのだろうか? ……否! 本来なら、「防御力を上げる呪文を唱えるからこっちに集まって!」、「了解。そのあいだ、剣でこいつ止めてるから!」と戦いながらのコミュニケーションは必須。「はい」と「いいえ」しか言わない勇者が、よくもまあ、いままで数々の魔王を倒してこられたものである。
こうしたRPGの不条理にメスを入れたのが、この会話だけのRPG『あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね』だ。ゲームは誕生日を迎えた朝、勇者が王様に呼ばれるところから始まる。用件はもちろん、魔王討伐。ところが、人付き合いが苦手で会話ができない勇者は、ふだんから街の人々に陰口を言われているのだった。「魔王を倒すには仲間が必要じゃ。無言では誰もついてこない。しっかり会話するのだぞ」と王様に言われるままに酒場へ向かった勇者。これから、酒場で見ず知らずの他人に話しかけ、魔王討伐の仲間に勧誘していかなければならない。勇者の足取りは重かった……。
酒場にはモンスターが1匹も出てこない。勇者にとっては、モンスターと戦う以前に、知らない人を仲間に勧誘すべく説得することこそが“戦い”である。仲間の勧誘に失敗し、悪口を言われるとダメージを受け、HPが0になると当然死ぬ。こうして、会話という名の“戦い”をくり返し、「はい」と「いいえ」しか言えなかった勇者は、説得のための言葉(呪文)を覚え、数々の仲間を得ていくのだ。と同時に、なぜ勇者がこうも人とコミュニケーションが取れないのか、そして、なぜ『あなたってよく見るとドブネズミ~』というゲームタイトルなのかが、次第に明らかになる。エンディングを迎えたとき、世界はまだひとつも平和になっていない。酒場の外へ一歩も出ていない。1匹もモンスターを倒していない。だが、酒場で人とのコミュニケーションを知り、仲間を知り、自分を知った勇者は、このエンディングの後、きっと魔王を倒して世界を平和にできたことだろう。
勇者。17才。コミュ障。
「はい」と「いいえ」しか言えない。
求む! 冒険仲間! 勧誘スタート
言葉(呪文)を尽くして説得を試みるも……
勧誘する酒場の仲間たちもひと筋縄ではいかない。“どこの学校を出たか”でしか人を判断しない学歴オバケの気難しい賢者や、出会うなり、いきなり「赤ちゃんプレイが好きなんだ」とカミングアウトしてくるバトルマスターもいる。彼らが好みそうな勧誘の言葉(呪文)で誘おう。
酒場の客に声をかけまくり、仲間に勧誘せよ!
「いっしょにきてくれ」
「こころのドアをあけて」
「ぼうりょくはんたい」
「くちさきだけだね」
「やればできる」
「もっとやればできる」
「すべてはやればできる」
「みんなでやればできる」
「もうすこしゆっくり」
「じぶんのからにこもる」
「それはざんぞうだよ」
「おれがまもってやる」
「にのうでさわらせて」
「ごはんおごるよ」
「やなことでもあったの」
「おやじは王さまなんだ」
「じつはやさしいんだろ」
「ひとりはさみしいだろ」
「ぼくにはとてもできない」
「そばにいてあげるよ」
「イケメンをなぐろう」
「ババアけっこんして」
「いいてんきだね」
「もっとあつくなれよ」
「えがおがステキだ」
「うんうんわかるよ」
「よしよしよしよし」
「そのりくつはおかしい」
「よくもだましたな」
「ぼくはしにません」
「なんでやねん」
「いいからだだね」
「そうなんだすごいね」
「ぜんぜんにおわないよ」
「キミをだきしめたいよ」
「おれはあきらめない」
「やらないか」
「いけたらいくわ」
「いうとおりにするよ」
「いいからおちつけ」
「おぬしもわるよのう」
「いっぷくしようぜ」
「いいゆめみろよ」
「さみしいこというなよ」
「これがぼくのせいぎだ」
「キミがひつようなんだ」
あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね
メーカー | SYUPRO-DX |
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対応機種 | iOSiPhone/iPod touch / AndroidAndroid |
発売日 | 配信中 |
価格 | 無料 |
ジャンル | RPG |
備考 | iOS 4.3 以降、Android 2.2 以上対応 |