●大切なのは、やはりゲームプレイ

 2015年8月5日~9日(現地時間)ドイツ・ケルンにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2015が開催中だ。ここでは、エレクトロニック・アーツから10月8日発売予定の『FIFA 16』にて、シニアプロデューサーを務めるニック・シャノン氏へのインタビューの模様をお届けしよう。最新作『FIFA 16』でこだわったポイントは?

――まずは、本作で注力したポイントを教えてください。
ニック これは『FIFA』シリーズを作るときはいつもそうなのですが、やはりキモとなるのはゲームプレイです。ディフェンスにしてもオフェンスにしても全部を見て、プレイヤーがプレイするときのバランスが取れているためにはどうすればいいのか。どこを改善すべきかということを、スタッフみんなで考えました。それが最初のステップですね。

――それは具体的には?
ニック これは一例ですが、これはユーザーの声を聞いて改善しているのですが、ファンの皆さんから、「クリスチアーノ・ロナウドのようなスキルのある選手のスピードが早過ぎて、ディフェンスができない」という声があったので、ディフェンスをAIがカバーして、バランスを調整するとか、ひとつひとつを調整していきました。

――いま“ユーザーの声”とおっしゃっていましたが、エレクトロニック・アーツでは、“プレイヤーファースト”を最近のテーマとしています。『FIFA 16』で、そのほかユーザーの声を反映して調整した例にはどのようなものがあります?
ニック 大きな例としては、ミッドフィールダーの動きがあります。これまでだと、ミッドフィールダーはわりと中盤でフリーになることが多かったんです。それが、中盤でもチェックされやすくなることで、パスをすべきか、それともドリブルですり抜けるべきか……といった、プレイの選択を考えないといけないことになります。これも、さきほどいったプレイのバランスに通じる部分ではありますね。

――公開された映像では、“PLAY BEAUTIFUL”を謳っていますが、それに込められたメッセージは?
ニック サッカーは、美しい競技だと言われています。そのスタイルや芸術的な部分を研ぎ澄ませて、プレイヤーにもう少し美しい形でプレイしてもらいたいなというメッセージです。いまのテクノロジーがあれば、それが可能だと思っています。

――なるほど。エレクトロニック・アーツからユーザーへの提案ということですね。では、美しく遊ぶためにテクノロジー側では、どのようなことを実現したのでしょうか? バランス調整もそのひとつだとは思うのですが。
ニック 『FIFA』シリーズは、『FIFA 12』から選手の動きはすべて物理演算ベースになっています。たとえば、選手どうしの接触があったとしても、決まった動きがあるわけではないんですね。以前だと、アニメーションである一定の動きが決まっていたわけですが……。つまり、ある意味で本当の試合を見ているかのようなナチュラルな動きがある。『FIFA 16』では、そのへんもさらに洗練されてきていまして、そのへんも美しさに通じるのではないかと思っています。

――先日のカンファレンスでは、“FIFA Ultimate Teamドラフト”が発表されましたが、これはどのようなものに?
ニック “FIFA Ultimate Team”モードはものすごく人気があるのですが、『FIFA 16』では、それに新しい要素を追加したいと考えていました。それが、“FIFA Ultimate Teamドラフト”です。ドラフトでは、各ポジションで5人の選手からひとりを選出して、自分だけのクラブを作ることが可能になっています。参加するにはコストがかかりますが、全4戦すべてに勝利すれば、すばらしい報酬が手に入るというわけです。

――“FIFA Ultimate Team”モードのレジェンドにも進化があるようですね。
ニック 8人の選手がレジェンドに新たに加わっています。プレミアリーグの偉大なる選手、ライアン・ギグスや象徴的存在のジョージ・ベスト、さらには、私はリバプールファンなので、ヤリ・リトマネンの追加はうれしいところです。さらにプレイヤーどうしの“ケミストリー”もさらに進化しました。同じリーグであれば、“ケミストリー”が生じて、より連携が図られるといった具合ですね。

――最後に伺いたいのですが、なぜ『FIFA』シリーズはここまで世界中のファンに支持されていると思いますか?
ニック そうですねえ……。何はともあれサッカーゲームはゲームプレイがいちばん大切になるかと思うのですが、この7~8年『FIFA』シリーズでは、プレイヤーの皆さんに好評だった部分をさらに改善したり、画期的な要素を盛り込んできました。それを続けてきたことが大切だったと思っています。そのためにファンの皆さんの声にも耳を傾けてきました。また、“FIFA Ultimate Team”モードやキャリアモードなど、ユーザーの方に親しんでいただけるようなモードを多く盛り込んできたのも、大きな要因になっていると思います。ユーザーの皆さんによりよいものをお届けすべく、努力を続けていることが評価されたのではないでしょうか。