新たな画面写真も公開!
2015年10月1日に、コーエーテクモゲームスから発売予定のアクションゲーム『アルスラーン戦記×無双』。同社が誇る『無双』シリーズのゲームシステムと、テレビアニメが絶賛放送中の『アルスラーン戦記』がコラボした話題作だ。プレイヤーは、主人公のアルスラーンやダリューン、ナルサスといった個性豊かなキャラクターを操作し、一騎当千のアクションや、軍勢で敵を圧倒する新アクション“マルダーンラッシュ”で、爽快な戦いが楽しめる。今回は、本作のプロデュースを担当する中臺重人氏にインタビューを実施。コラボが実現した経緯や、注目のゲームシステムなどについてうかがった。
テレビアニメを追体験できるストーリーモード
中臺重人氏(文中は中臺)
――まずは、『アルスラーン戦記』と『無双』シリーズのコラボが、実現することになった経緯から教えてください。
中臺 当社で『戦国無双』シリーズのプロデューサーやコラボタイトルを担当している鯉沼(鯉沼久史氏。コーエーテクモゲームス取締役社長)から、「『アルスラーン戦記』とのコラボをやってみないか?」と声がかかりまして。私は小説版からの『アルスラーン戦記』ファンでしたし、ほかにも大好きなスタッフがたくさんおりましたので、やらせていただくことになりました。
――コーエーテクモゲームスでは、最近コラボレーションタイトルを数多くリリースされていますが、既存のキャラクターを扱ううえで、いいところや難しいところはどういった点になりますか?
中臺 いいところは、キャラクターが確立されていますので、アクションなどがイメージしやすいことです。キャラクターのイメージに合ったアクションであれば、「この人はこういうキャラクターだよね」と、楽しんでいただけるのではないでしょうか。ただ、そこが難しいところでもあって。今回の『アルスラーン戦記』はテレビアニメのゲーム化ということで、手に取ってくださるお客様の多くは、アニメーションが好きだという方が大勢いらっしゃると思います。ですから、アニメーションに近づけるようにがんばっています。
――テレビアニメに近づけるべく、アニメで見せたアクションやキャラクターが使う武器を、ゲームに落とし込んでいっているわけですね。
中臺 アクションや武器に関しては、キャラクターのイメージから逸脱しない範囲で選びました。たとえば、ダリューンは槍をメインにしつつ剣も使いますが、体術はあまり使いませんよね。そこで、ダリューンでは槍や剣を使えるようにして、体術は別のキャラクターで使えるようにしています。また、原作の小説を読み直して、キャラクターが使用している武器を羅列し、どのキャラクターがどの武器を使うのか、じっくりも選定しました。
――今回は、テレビアニメのイラストが、イベントにそのまま使われています。最初からテレビアニメのリソースを借りてくることを考えられていたのでしょうか?
中臺 ゲームの3Dモデルだけではどうしても無理が出てくるところがあるので、当初からお借りしようと考えていました。テレビアニメのリソースを有効に活用することで、ゲームへの没入感を高められると思うので、講談社さんには早いタイミングで「テレビアニメの素材が使えるのであればお願いします」と相談させていただきました。
――先ほどゲームを拝見しましたが、ストーリーがシームレスに進行していくところにも、没入感の高さを感じました。テレビアニメを見ているような感覚で、ゲームをプレイしているように感じます。
中臺 ありがとうございます。ファンの方に、ゲームでテレビアニメのストーリーを追体験していただくのがひとつの目標ですので。『無双』シリーズと違って、ブリーフィング画面がないのも特徴ですね。
――ひとつのステージで複数のキャラクターが操作できる点も、ストーリーの再現性を高めるための仕掛けなのでしょうか?
中臺 はい。たとえば、アルスラーンで戦っていてピンチになり、そこへダリューンが助けにくるといったシーンでは、アルスラーンだけしか操作できないと、ダリューンが駆けつけてくれるまで待つというゲーム性になってしまいます。ただ、それだと操作していておもしろくないですし、ダリューンがアルスラーンのもとへ駆けつけるシーンを追体験していただきたいので、アルスラーンを操作してある程度進んだら、視点が切り替わって、ダリューンを操作するといったように、進行に合わせてキャラクターが切り替わるようにしました。これにより、ゲームでもテレビアニメのストーリーを丁寧に追えるようになっていると思います。
――トゥーンレンダリングを採用したのも、やはり没入感を高める施策のひとつなのでしょうか。
中臺 そうですね。ほかにも、主役はもちろん、端役の方もテレビアニメ版と同じキャストを起用していますので、没入感はかなり高いと思います。
――トゥーンレンダリングにするうえで、苦労したことなどはありますか?
中臺 建物や草木をリアルに表現するのは、これまでの『無双』シリーズでも行ってきたのですが、アニメのように表現しようとすると落としどころが難しくて。地面の照り返しがアニメっぽくないとか、そういった気になるところをひとつひとつ調整していく作業がたいへんですね。やはり背景もしっかり作り込まないと、キャラクターが浮いてしまうので。
――なるほど。ちなみに、ゲームのストーリーではテレビアニメのどの辺りまで描かれるのでしょうか?
中臺 テレビアニメが放映中なので、具体的に申し上げることはできないのですが、放映されるエピソードはすべてゲームに収録する予定です。
――となると、プレイアブルキャラクターはまだまだ増えそうですね。
中臺 プレイアブルキャラクターもまだお話できないので、皆様のご想像にお任せします(笑)。ただ、情報は今後も続々と公開していきますので、ぜひ楽しみにしてください。
“マルダーンラッシュ”でアクションに迫力と爽快感がますますアップ!
――武器の持ち替えシステムについて、詳しく教えてください。
中臺 本作では、ストーリーが進むと新しい武器を入手できます。武器を入手すると、戦闘中に武器を瞬時に持ち替えられるようになるので、剣から槍、弓というように、戦う敵や戦況に応じて、複数の武器を使いわけられます。
――ブリーフィングで武器を装備する、といったことはないんですね。
中臺 はい。先ほど申し上げました通り、今回はブリーフィング画面がありませんので、入手したその場ですぐに使っていただけます。
――プレイアブルキャラクターは、全員武器を持ち替えられるのですか?
中臺 もちろん、すべてのキャラクターが持ち替えられます。また、先ほども少しお話ししましたが、アルスラーンは剣と槍、ナルサスは剣と筆というように、キャラクターごとに異なる武器が使えます。ただ、ナルサスの筆に関してはアニメファンの方々の中には、たいへん驚かれた方もいるかもしれません。しかし、ユニークな武器は『無双』シリーズでおなじみのものですので、ゲームならではのお楽しみ要素として、楽しんでいただけるとうれしいですね。
――過去の『戦国無双』シリーズには、けん玉で戦っていた武将もいましたね。アクションに関していうと、騎馬のアクションがすごく強化されていると感じました。
中臺 『アルスラーン戦記』というと、騎兵での戦いも重要になりますので、これまでの『無双』シリーズよりも、騎乗アクションを強化しています。とくに、ダリューンの騎乗アクションは、非常に強力ですよ。ダリューンはすぐに序盤から操作できるキャラクターなので、バランス調整で苦労しましたが、テレビアニメのような爽快で豪快な騎乗アクションが楽しんでいただけると思います。
――非常に楽しみです! あと、本作の目玉であるマルダーンラッシュについても伺えればと。
中臺 『アルスラーン戦記』とのコラボのお話をいただいたときに、パルスの騎兵が敵を蹂躙していくシーンが頭にパッと浮かび、それをアクションにしようというところから、マルダーンラッシュが生まれました。マルダーンラッシュは、数百人の味方を引き連れて、敵をなぎ倒していく大迫力のアクションです。
――数百人の騎兵を引き連れて敵を蹂躙するさまは、これまでの『無双』シリーズにない迫力で、非常に圧巻でした。
中臺 マルダーンラッシュは、とても簡単に発動できるのもウリです。戦闘が進むと、“ヒートエリア”と呼ばれる特別なエリアが出現するのですが、この中に入ってR2ボタンを押すだけで発動します。そして、発動中に“フィニッシュエリア”に向かえば、マルダーンラッシュのフィニッシュ演出を行った後に、戦闘がさらに進むといった仕組みになっています。大勢の味方と敵をなぎ倒すという新たな爽快感、迫力のある演出も楽しめますが、それだけではなく、アクションとしてのおもしろさをプラスするために、敵を倒した数によって報酬を高める要素なども取り入れています。
――マルダーンラッシュで敵を倒していくと、チェインがどんどん増えていきました。このチェインが増えると、報酬がよくなるのでしょうか?
中臺 チェイン数に応じて、レアな報酬がでることがあります。また、最初の報酬はお金だけですが、チェイン数が一定以上になるとお金と経験値というように、段階に応じて増える仕組みを導入しています。
――なるべく多くの敵を倒しながら、フィニッシュエリアに向かうという流れがよさそうですね。
中臺 欲張りすぎてしまうと、フィニッシュエリアに到達する前にマルダーンラッシュが終わってしまうこともありますが、失敗しても何度でもやり直せるので、心行くまでチャレンジしてほしいです。
――キャラクターの強化の仕組みについても、公開可能な範囲でお話をお聞きしたいのですが。
中臺 キャラクターは経験値を溜めて、レベルが上がることで強化されていきます。また、このほかにも重要なシステムがふたつほどあります。ひとつは武器の強化で、これまでの『無双』シリーズですと、ランダムでいろいろな武器が入手できましたが、それとは異なる仕組みを採用しています。また、もうひとつの強化システムは、ファンに向けたお楽しみ要素にもなっていて、『無双』シリーズにはない強化&収集要素を楽しんでいただけると思います。強化システムの情報は、近日中に公開できると思いますので、続報をお待ちください。
――『アルスラーン戦記』のファンはもちろん、『無双』シリーズ経験者も新鮮な気持ちで楽しめそうですね。
中臺 発売日が延びてしまい、楽しみにしていただいている方たちにはたいへん申し訳ありませんが、そのぶんブラッシュアップをしっかり行い、よりよいものを皆様のもとに届けたいと思います。『アルスラーン戦記』のファンの方は、テレビアニメを追体験できるストーリーや展開に、『無双』シリーズファンの方はマルダーンラッシュなどでさらに爽快感が増したアクションに、ご期待ください。
担当ライターがいち早くプレイ!
今回はひと足早く、マルダーンラッシュや、武器を切り替えつつ戦うアクションを体験したが、プレイしたときの爽快感は期待以上! 敵を蹴散らしながらチェインを稼いだり、武器を切り替えながら連続攻撃をくり出すなど、『無双』シリーズのファンの方も、新たなアクションを存分に堪能できる内容になっていると感じた。また、詳細はお伝えできないが、『アルスラーン戦記』のファンが楽しめる強化システムも本作の見どころ。どちらのファンにもオイシイ作りになっているので、今後の続報をお見逃しなく!!
アルスラーン戦記×無双
メーカー | コーエーテクモゲームス |
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対応機種 | PS4プレイステーション4 / PS3プレイステーション3 |
発売日 | 2015年10月1日発売予定 |
価格 | 通常版は各7800円[税抜](各8424円[税込])、ダウンロード版は各6762円[税抜](各7302円[税込])、『TREASURE BOX』は各12800円[税抜](各13824円[税込]) |
ジャンル | アクション |
備考 | 開発:ω-Force、プロデューサー:中臺重人、ディレクター:青木智彦 |