世界に通用するこだわりのフィギュアを目指して
2015年7月9日~7月12日(現地時間)、アメリカ・サンディエゴのコンベンションセンターにて、エンターテイメントコンテンツの祭典、Comic-Con International 2015(通称:コミコン)が開催。記者はおもむろにとあるブースに足を運んでいた。「コミコンで、注目しておいたほうがいい日本のフィギュアメーカーが出展しているよ」という同僚からのアドバイスを受けてのものだ。そのメーカーの名前はGecco。最近では、『Bloodborne(ブラッドボーン)』の“狩人/ハンター”のフュギュアを手掛けることが発表されており、耳にされたファンも多いかもしれない。こだわりのフィギュア制作を持って知られる、気鋭のメーカーだ。ブースでは、くだんの“狩人/ハンター”の完成型が世界初お披露目。そのハイクオリティーぶりで、来場者を唸らせていた。
というわけで、Geccoについて、企画部長の原田隼氏にお話を聞いてみると……。同社が設立されたのは5年前。それまでは下請けなどを行っていたが、「世界に通用するフィギュアを!」を目標に最初のフィギュアを2010年にリリースしたのだという。「日本のメーカーはかなり弱くなっていて、香港を筆頭とした海外のほうがクオリティーが高いんです。そんな状況に対抗したいと思いまして……」と原田氏。そのためコスト削減などはあまり考えずに、とにかくクオリティーにこだわっているという。「それはたいへんではないですか?」と水を向けると、「魂を削って作っています」(原田氏)ときっぱり。
Geccoから最初にリリースされたのが『サイレントヒル2』のフィギュア。それまで『サイレントヒル2』のフィギュアは市場に少なく、まさに「ファンの皆さんは飢えている状態」(原田氏)で、そこに「待っていました!」とばかりに投入されたGeccoのフィギュアは大評判だったという。以降、Geccoでは順次ゲームコンテンツのフィギュアを展開しているとのことだ。
海外でも注目を集めるGeccoの商品だが、会場で人気だったのが、先日ファミ通.comでも紹介させていただいたコミコン会場限定発売となる『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』の「“ジャメヴ・ミッション”/ 雷電 1/6スケール・スタチュー ホワイトアーマーVer.」だ。「マニアックなセレクトになりました(笑)」と原田氏。こちらもこだわりの作りで、6月はスタッフが20日くらい中国に滞在して作り込んだという。コミコンには来られない日本のファンのために、少量用意したが、一瞬でソールドアウトになったのだとか。
そんなGeccoの最新作が、冒頭で紹介した『Bloodborne(ブラッドボーン)』の“狩人/ハンター”のフュギュア。同商品は、2015年12月発売予定で、価格は36800円(アメリカでは200ドル後半の予定とのこと)。この“狩人/ハンター”のこだわりポイントを聞いてみると、“立ち姿”だという。当初はヒーロー然とした立ち姿を考えていたが、開発陣のリクエストから、狩人が獣たちを狩りまくって、ひと息ついたシーンをモチーフにすることにしたのだという。「立ち姿でどれだけ世界観を表現できるかに取り組みました」と原田氏。この“狩人/ハンター”は、原型はすでに完成しており、いまは商品の制作に入っているという。
というわけで、フィギュアファンのゲームユーザーは、Geccoにご注目を。