たった1日で目標金額達成! の快挙
五十嵐孝司氏は、『悪魔城ドラキュラ』シリーズのプロデューサーとして、広大な城の探索と重厚なドラマの血を注ぎ込み、伝統あるゴシック・アクションに新たなる遊びを生んだゲームクリエイターです(きっとIGAの愛称をご存知の方もいらっしゃるはず)。
現在五十嵐氏は、新会社ArtPlayの代表取締役プロデューサーとして東京と北京を往復する日々を過ごしながら、氏の手掛けてきたゴシック・アクションの遺伝子を受け継ぐかの如き新作『Bloodstained: Ritual of the Night』(以下Bloodstained)を制作準備中です。
この新作の企画(これまたご存じの方も多いかと思いますが)、現在クラウドファンディング(制作費を一般の支援者から募る方法)大手であるKickstarterで資金調達を行なっているのです。
説明させていただきます(すでにご存じの方は読み飛ばしてくださいませ)。Kickstarterでの資金調達は、まず目標となる金額(イニシャルゴール)を設定します。支援者(バッカー)たちは、Web上から金額を決めて支援していくことに。やったね! ……おっとぬか喜びしていてはいけません! まだその支援金が実際にもらえるかどうか決まったわけではないのです。現実はそんなに甘くない。じゃあ、どうしたら支援金がもらえるのか?
そのために存在するのが、前述の目標金額(イニシャルゴール)なのです。Kickstarterのプロジェクトには期間が定められており、この期間内に目標金額を超える支援が表明されないと……残念ながら、プロジェクトは失敗となり、支援金は1円(ドル)たりとももらえない、というシステムなのです。Kickstarterの期間内というのは、まさに成功するかどうかハラハラドキドキな、それこそクリエイターさんたちにとっては、夜もうなされて眠れなくなるほどの期間だといいます(と、とある実際に関わられたゲームクリエイターの方にお聞きしたこともあります)。ああ、お金を集める、ということは、なんと重い行いなのでありましょう!
と、説明が長くなってしまって申し訳ありません。ですが、それだけKickstarterでの資金調達というのはたいへんなことなのだとわかっていただきたかったのです。
……わかっていただきたかったのには理由があります。
(しつこいですけど、ご存じの方もいらっしゃるでしょうが)
なんと! 驚くべきことにIGAこと五十嵐氏の新作『Bloodstained: Ritual of the Night』は、Kickstarterのキャンペーンを発表した直後……“1日”で! たった1日で!! 目標金額を突破する支援表明が行われ、一瞬のうちにプロジェクトが成立してしまうという、ゲーム業界のクラウドファンディング運用における、信じられないような記録をいきなり樹立してしまったのです。
かくいうわたしも、五十嵐氏がクラウドファンディングを始めたぞ、という噂を聞きつけ、Kickstarterのサイトに行ってみたところ……もうすでに達成していたという状況でした(笑)。
それは、『Bloodstained: Ritual of the Night』には、それだけ世界中からどえらいお金(だけではなく、期待も)が集まっているということの表れでもあるのかもしれません。
ちなみに、「なんだ、いま知ったのにもう達成して終わってしまっているのか」、とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心あれ! Kickstarterでは、達成後も期間内は支援を受け付けており、今度はどこまで支援金額を伸ばせるか、という新たな目標(ストレッチゴール)に向かうことになります。なので、いまからでも支援することが可能です。
ちなみに、この支援ですが、ボランティアで行うものではありません。期間内に支援した方には、その金額に応じた報酬(リワード)があるのです。その報酬も金額によってさまざまなものが用意されています。たとえば「限定ブックレットがもらえる!」「自分で考えた敵キャラが登場する!」といったもののほかに、「開発者との懇親会!」なんてものまで。
それだけ支援者を大切にするのは当然なのかもしれません。その証拠に期間内に支援したが手にできる報酬は、どれも“限定”のレアものばかりであることが多いのです。もちろん、バッカーへのバックは期間終了したら(おそらく)二度と手に入らないものばっかり。
……あ、いまちょっと支援したいかも、って顔をしましたね。
ご安心ください。じつは、『Bloodstained: Ritual of the Night』のKickstarterは6月13日の正午まで行われているので、まだギリ間に合います!
って、わたし、まるで保険の勧誘員みたいになっていますが、それもこれも、ゲームファンには垂涎のIGA印の完全新作に“ちょっと深く関わった”という思い出を残せるチャンスですもの。いくらだって、キャッチのお兄さんみたいにもなろうというもの。
とにかく、あとちょっと行われているので、ご興味のある方はぜひ一度覗かれてみてはいかがでしょうか。
※現在、40000人以上が支援し、支援額は325万ドルを突破。Wii U版の移植も決定しています。350万ドルを超えると、PS Vitaにも移植版が……!?