レトロなビジュアルのボス戦特化高難度アクション
かつて、ゲームの一撃はとても重かった。HPの概念はなく、即死があたりまえ。攻撃も連射は効かず、一発ずつ狙い撃つ。技術的な制約によるところもあるが、レトロゲームにおける“一撃必殺(死)”の魅力は大きい。
巨人と少年の死闘を描いた本作は、そんな一撃必殺の緊張感に満ちている。少年の武器はたった一本の矢。巨人の弱点を射抜けば、一撃で撃破。だが、矢を外せば、回収するまで攻撃不能。攻撃を受ければ即死。ボス戦に特化した一触即発のアクションだ。
成長要素も皆無で、操作は射撃と緊急回避の2ボタンと徹底したシンプルさ。プレイヤーはひたすら巨人の攻撃をかいくぐり、必殺の矢を撃ち込む。熾烈な難度だが、その分、達成感もひとしおだ。ふだんは黙々とプレイする筆者だが、本作では巨人を倒すたびに歓声を上げたほどだった。
レトロな見た目の激ムズゲームは、インディーでは珍しくない。だが本作には、じつは“モダン”な側面もある。たとえばドット絵。世界も巨人もスケール感が圧倒的に描かれている。操作性も非常に快適。アナログスティック対応で、弓矢は360度に撃ち分け可能。十字キーでは不可能なアクションが楽しめる。またタイトルが示す『ワンダと巨像』や『DARK SOULS(ダークソウル)』への目配せ。単なる懐古趣味ではない。一撃必殺を突き詰めた、新時代のハードコアアクションゲームなのだ。
◆一撃必殺! 必須テクニック
本作の操作は、射撃と回避という最低限のもので、少ないシステムを使い切る必要がある。回避ボタンは押し続けるとダッシュ。増す速度は微々たるものだが、巨人の攻撃を紙一重で避けるには必須。また、射撃ボタン長押しで、外した矢の自動回収が可能。回収中は動けないためリスクは高いが、戻ってくる矢にも攻撃判定がある。背面が弱点の巨人には、重要な要素だ。
◆立ちはだかる巨人たち
登場する巨人は数十体。広大な廃墟に散らばり、どれも個性豊か。ボス戦は、初見ではやられるのがあたりまえ。最初は生存を重視し、攻撃パターンを見抜こう。パターンは単純で、多くても数種類。攻撃を避けつつ、巨人の弱点を探し出すのだ。弱点を見抜いたら、いざ必殺の一撃。タイミングが重要で、矢を外せば、回収するまでは無力となる。何度でも挑戦して覚えよう!
◆ドット絵で描かれる崇高な世界
本作はビジュアルも必見だ。画面は、すべてドット絵で構成されている一方、主人公は16×16のシンプルなドット絵。結果、画面の巨大さに比較して少年の小ささが際立ち、世界と巨人の圧倒的なスケール感が味わえる。流麗なオーケストラ風の音楽もすばらしく、壮大な世界にマッチ。さらにボス戦は固有の楽曲が用意されている。
◆試作版は2日で制作! 白熱するゲームジャム
現在、インディーゲームの開発者間で盛り上がりを見せている“ゲームジャム”。数日で、お題に沿ったゲームを開発するイベントだ。“一撃必殺”のコンセプトも、“Ludum Dare”というゲームジャムで生まれた。そのアイデアを活かしつつ、1年以上かけブラッシュアップし、本作は完成した。
Titan Souls - Gameplay Trailer
Titan Souls
メーカー | Acid Nerve |
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対応機種 | PSVPlayStation Vita / PS4プレイステーション4 / PCWindows |
発売日 | 配信中 |
価格 | PC版:1980円[税込] |
ジャンル | アクション |