大人のダークファンタジー

 スパイク・チュンソフトから2015年5月21日に発売予定のプレイステーション4、Xbox One用ソフト『ウィッチャー3 ワイルドハント』。ファミ通.comでは、ソフト発売までの7日間“発売カウントダウン企画”として、怪物退治の専門家“ウィッチャー”のゲラルトとなって緻密な異世界を旅する本作の魅力をほぼ毎日紹介していく。第1回は世界観について。なお、記事の最後には、ローカライズプロデューサーを務める本間覚氏からのコメントも掲載しているのでお見逃しなく。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』発売カウントダウン企画【第1回:重厚なファンタジー世界】_04

 本作の特徴のひとつが、モンスターや魔法などが存在しつつもアダルトな雰囲気を持つ世界観だ。人間族と非人間族の差別問題、南方の大国との戦争、そして人間族による封建制度という、海外のRPG作品特有のシビアな世界を舞台に重厚な物語が展開していく。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』発売カウントダウン企画【第1回:重厚なファンタジー世界】_02

 ――遠い昔、世界を支配していたのは非人間族のノームやドワーフであった。そこに“天体の合”と呼ばれる魔法の大変動が起こり、すべてが一変した。“天体の合”によって、異世界との境界が破壊され、この世界になかった存在や現象が流れ込む結果となった。

 それから15世紀の時を経てもなお、“天体の合”の痕跡は世界各地に残されている。魔法がこの世界にもたらされたのもその時であり、同時に現れた怪物たちは、いまも人里離れた荒野や辺境の地に蔓延っている。そして、人間もまた、“天体の合”によってこの世界にもたらされた。人間たちの出現は、新たな時代の始まりでもあった。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』発売カウントダウン企画【第1回:重厚なファンタジー世界】_06

 突如としてこの世界に現れた最初の人間たちは、新たな世界の厳しい環境に途方にくれた。彼らはかつて経験したことのない危険に直面し、生存のために戦い続けることになった。しかし、500年ほど前から現在に至り、この若く野心的な種族は急速に勢力を拡大した。ゆっくりと、だが確実に、人間はこの世界への来訪者から征服者へと変わり、火薬と剣を駆使して世界を奪い尽くすようになったのだ……。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』発売カウントダウン企画【第1回:重厚なファンタジー世界】_05

 ――現在、この世界には多くの種族や民族が暮らしているが、500年前からは人間がその大多数を占めている。北方では尊大で好戦的な数々の王国が領地を取り合って互いに戦い、同時に南方の強大な“ニルフガード帝国”との戦争を続けてきた。

 勢力を拡大し続けるニルフガードは、国境を接するいくつかの小国を征服した後、ここ数十年間は北方への進撃をくり返し、着々と領地の拡大を進めている。ニルフガードと北方諸国はすでに2回の大戦を経験しているが、現在の“第三次北方戦争”こそがこの世界の行く末を決めるだろうと言われている。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』発売カウントダウン企画【第1回:重厚なファンタジー世界】_01

 人間以外の種族が世界の支配者として君臨していたのは、もはや遠い過去の話だ。エルフやドワーフ、そのほかの非人間族は、人間が支配する世界で人間との共存を強いられ、それは多くの場合、差別や排斥、隔離地域での生活を意味している。彼らが人間からの偏見や差別、憎しみに晒されない日はない。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』発売カウントダウン企画【第1回:重厚なファンタジー世界】_07

 それに耐えられない非人間族は、辺境の森や山の中に移り住むことを余儀なくされてきた。文字どおり世界の果てに追い詰められた彼らは、種の生存をかけて、人間に対し抵抗を続けている。彼らは勇敢かつ英雄的に戦っているが、敗北はすでに運命づけられている。この凄惨な争いの中で、彼らは撤退も降伏も、捕虜になることすら許されないまま命を落としてゆく。人間と非人間族との溝が狭まることはないのだ……。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』発売カウントダウン企画【第1回:重厚なファンタジー世界】_03

 ……というのが、バックグラウンドストーリー。旅先で出会ったキャラクターたちとの会話やフィールドを歩いているうちに、この世界がどのような状況、環境におかれているかを感じることができるだろう。リアルな現実を描いた大人のダークファンタジーをぜひ体験してほしい。

【ローカライズプロデューサー 本間覚氏のコメント】

――『ウィッチャー3 ワイルドハント』の魅力について

 広大なオープンワールド、重厚な世界観、アクションの高いバトルなど、本作の魅力はたくさんありますが、いちばん推したいポイントは、主人公の“ゲラルト”というキャラクターです。

 本作は仲間を引き連れて旅をするタイプのRPGではなく、ゲラルトのひとり旅が大半となります。そのためプレイヤーは少なくとも数十時間、ともすれば数百時間も、彼と行動をともにすることになりますが、彼と仲間やほかのNPCとの掛け合いは、きっとプレイヤーを退屈させないと思います。ゲラルトは感情をはく奪されたウィッチャーながらも、仲間を想う熱い側面があれば、おちゃめなジョークを言う側面もあり、また、女に暴力を振るう奴には容赦しないなど、非常に個性豊かなキャラクターです。

 私はローカライズを通じてゲラルトというおっさんが大好きになりました。ちなみに本作では時間が経つとゲラルトの髭を伸びますが、私はゲラルトの髭を伸ばした顔が好きなので、ほとんど床屋に行くことはありませんでしたね。


ウィッチャー3 ワイルドハント
メーカー スパイク・チュンソフト
対応機種 PS4プレイステーション4 / XOneXbox One
発売日 2015年5月21日発売予定
価格 各8200円[税抜](各8856円[税込])
ジャンル アクション・RPG
備考 ダウンロード版は各7380円[税抜](各7970円[税込]) 開発:CD PROJEKT RED