国内インディー業界に大きな動きが!
関西圏の開発会社であるキュー・ゲームス、ピグミースタジオ、ヴィテイ、17-Bit、オーツーの5社が一般社団法人 日本インディペンデント・ゲーム協会(JIGA)を設立。合わせて、同法人が母体となって、7月11日、12日にBitSummit 2015が京都市で開催されることが発表された。このタイミングで社団法人を設立した理由とは? ここでは、JIGAに参画する方々にお集まりいただき、経緯を聞いた。日本のインディーゲームシーンに訪れる大きな変化とは?
(左から)
伊藤雅哉氏(文中は伊藤)
キュー・ゲームス
プロデューサー
ジェイク・カズダル氏(文中はジェイク)
17-Bit
CEO クリエイティブ・ディレクター
ケリー・ウォーリック氏(文中はケリー)
Indie MEGABOOTH
代表
※テレビ電話にて参加
堀川和良氏(文中は堀川)
オーツー
開発1部 部長 リードプランナー
富永彰一氏(文中は富永)
キュー・ゲームス
開発マネージャー
村上雅彦氏(文中は村上)
ヴィテイ
リード・アーティスト
ディラン・カスバート氏(文中はディラン)
キュー・ゲームス
代表取締役
小清水史氏(文中は小清水)
ピグミースタジオ
代表取締役
JIGAでは、インディーマインドを持つ仲間たちの夢を世界に届けたい
――まずは、JIGA設立の経緯からお教えください。
キュー・ゲームス
代表取締役
ディラン もともとは、昨年のBitSummit 2014を経て、「このままの形では続いていかない」と反省したところから始まっているんだよね。もっとしっかりとしたイベントにするのならば、グループでしっかりと作ったほうが絶対におもしろくなる。
伊藤 最初のBitSummitは、当時キュー・ゲームスに所属していたジェームス・ミルキーが発起人となって、その思いに賛同する有志が協力する、という形でスタートしました。イベントは大きなムーブメントとなって、その後のインディーシーンに大きな影響を与えたと思っているのですが、BitSummitという存在がどんどん大きくなってくるにつれて、個人やいち企業といった小さい単位では受け切れないかな……という思いもありました。
富永 あと、実際はみんなで協力して運営していたのに、どうしても「キュー・ゲームスが主催している」という印象が強くなってしまったのも問題でしたね。
ディラン 何か気持ち悪かった(笑)。
富永 それで、「実行委員などの形はどうだろう?」という話は昨年からしていたんです。ただ、実行委員だと印象が薄いというか……。
伊藤 僕自身は“インディー”ということで小さい単位で考えていたんです。気心の知れたメンバーと和気藹々とやれたらいいなという思いもありつつ、ちょっと迷走した時期もありましたね。本当にたくさんの方に相談したりアドバイスをもらう中で、「インディーをどうしよう?」という視点だけではなくて、業界全体での大きな視点に立ったうえでの、インディーの価値観が見えてきたので、インディー業界の受け皿になってあげないといけないという発想に転換していったんですね。
キュー・ゲームス
開発マネージャー
富永 それで、今年に入って小清水さんから、「社団法人というやりかたがあるのでは?」というアドバイスをいただいたんですね。そこからは、相当なスピード感で進んでいくことになりました。
小清水 いろいろとお話をうかがってみると、もろもろ含めて社団法人にしたら、いろいろと解決するのではないか、という方向性が見えてきたんですね。
村上 最初に社団法人の話を聞いたとき、僕らの目指す事を実現するために、とてもよい方法だと思いました。今後はBitSummit運営だけではなく、インディーゲームを応援する団体として活動もできますし。
小清水 ひとつお伝えしておきたいことは、JIGAはBitSummitを運営していく母体なのですが、決してそれだけには留まらないということです。いわば、“インディーマインドを応援する社団法人”なんです。
――JIGAは、BitSummit運営の団体でありつつも、さらに大きな広がりを持つと?
ディラン そうです。JIGAはBitSummitをきっかけに設立したわけですが、よくよく話をしてみると、いろいろなことができるのではないかな、と思えてきたんです。
小清水 そもそも、ミルキーさんがBitSummitを発起したときのマインドが、“国内のおもしろいインディーゲームを海外に向けて発信していく”というものでした。ここ数年は、日本でもインディー関連のイベントが増えましたが、その点でBitSummitはほかのイベントとは一線を画していると思っています。JIGAのメンバーには、海外に強いつながりを持っている方も多いですし、そのパイプ役ということでは、もしかしたらBitSummitではないところでも、いろいろな形で協力していけるのではないか、との思いもありました。
富永 BitSummitだけだったら、それだけで完結してしまいますが、まだこれから何が起こるかわからないですから。それも期待してのものです。
堀川 いわば、インディーマインドを持つ人たちの受け皿になるくらいの気概ですね。
――今回のJIGAは、関西圏のインディー関係者が一致団結して展開する感じですか?
堀川 関西圏というのは、たまたまなんですけどね。BitSummitのスタートが関西だったので関西圏のスタジオが中心になって進めているのですが、JIGAはインディーマインドを持った人たちすべてを巻き込んだものにしたいです。
――たとえば、東京の開発会社が「参加したい」と言ったら受け入れられる?
堀川 もちろんです!
ディラン インディーマインドを持った開発会社からの連絡をお待ちしております!