新システムやキャラクター、制作状況を直撃!

 カプコンより2015年7月9日に発売が予定されているニンテンドー3DS用ソフト『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』(以下、『大逆転裁判』)。ディレクターを務める巧舟氏とプロデューサーの小嶋慎太郎氏のおふたりに、新たなシステムやキャラクター、制作状況などについて語っていただいた。

『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』のキーパーソンに訊く! カプコン巧舟氏、小嶋慎太郎氏インタビュー全文掲載_01

(左)巧 舟氏(文中は巧)
 『大逆転裁判』のディレクター。シナリオを始め、世界観やシステムを構築する、まさに大黒柱的な存在。これまでに『逆転裁判』シリーズや、『ゴーストトリック』などを手掛けている。

(右)小嶋 慎太郎氏(文中は小嶋)
 『大逆転裁判』のプロデューサー。制作進行のマネジメントやプロモーションなどを担っている。そのほか、『モンスターハンター』シリーズ制作や、数々の作品のプロデュースも経験。

英国と日本の裁判の違い

『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』のキーパーソンに訊く! カプコン巧舟氏、小嶋慎太郎氏インタビュー全文掲載_03

――今回初公開された英国法廷についてお聞かせください。

 “シャーロック・ホームズ”と“19世紀”というキーワードで企画を考え始めたときに、自然とイギリスに行き着いて、そこでイギリスの裁判と日本の裁判との違いは何だろう、と考えました。日本でも2007年から裁判員制度が始まりましたが、19世紀当時の日本とのいちばん大きな違いは、やはり陪審員かなと。いままで関わった作品の中で“群衆尋問”を考えたのですが、お互いの話の中で生まれる“証言どうしのムジュン”をつきつけるシステムを、もっとやりたかったんです。

小嶋 陪審員が登場しても、ムジュンをつきつけるという大前提はしっかりと守っています。

 そうですね、ムジュンをつきつけるところはブレていません。陪審員の情けに訴えかけてホロッときたから無罪になっちゃうというような、証言とは関係ないところで無罪を勝ち取ると、『逆転裁判』ではなくなってしまいますから。

『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』のキーパーソンに訊く! カプコン巧舟氏、小嶋慎太郎氏インタビュー全文掲載_02

――たしかに、『逆転裁判』では、証拠がすべてですよね。

 今回は、証人たちの証言がどう変わっていくのか? 証拠品ではなく、証言どうしの言葉のムジュンをやろうと。 

小嶋 でも、6人の陪審員を説得する前に、事件の証人たちの証言にムジュンをつきつけるという、いままでの『逆転裁判』の流れもあります。そこでのテンポも大事にしていますよ。

――登場人物が増えると長くなりがちかと思いますが、テンポにも気を遣われていると。

 本場イギリスは陪審員は12人ですから、12人並べてもよかったんのかな(笑)。

小嶋 よくないですよ、たいへんですよ(笑)。

――ひと通り証人に話を聞いた後、陪審員たちを説得するターンになるわけですね?

 はい。この流れになるまでには紆余曲折がありました。最初は夢を広げて話もマルチに展開していこうかと、いろいろな方向を探ったのですが、いまの形に落ち着きました。