中年も少年に戻る楽しさ!『ダウンタウン熱血行進曲~それゆけ大運動会~オールスタースペシャル』インプレッション

アークシステムワークスから2015年3月5日発売予定のプレイステーション3用ソフト『ダウンタウン熱血行進曲~それゆけ大運動会~オールスタースペシャル』のプレイインプレッションをお届けする。

●あの『熱血行進曲』がプレイステーション3で再び開催!

 アークシステムワークスから2015年3月5日発売予定のプレイステーション3用ソフト『ダウンタウン熱血行進曲~それゆけ大運動会~オールスタースペシャル』(以下、『熱血行進曲』)。ファミコンなどで発売された人気タイトルのリメイクとなる本作のプレイインプレッションをお届けする。

●『くにおくん』がコミュニケーションツールだった時代

 現在30歳以上のゲームファンで、『くにおくん』シリーズの洗礼を受けていない人はまずいないだろう。いや、たとえゲームファンでなくとも、『くにおくん』シリーズを見たこともなければ聞いたこともないなんて人がいるとは思えない。

 『くにおくん』シリーズはある世代の人間にとって、単なるゲームではなく、一種のコミニュケーションツールとして親しまれた時代があった。若い読者にはピンと来ないかもしれないので具体例を挙げて説明すると、『ポケットモンスター』や『モンスターハンター』、最近であれば『妖怪ウォッチ』のように、ゲームを介して子どもたちのコミュニケーションを活性化させるパワーが、『くにおくん』シリーズには確かにあったのだ。

 そして、数あるシリーズ作品の中でも特に子どもたちを熱狂させ、ときには白熱のあまり友人関係にヒビを入れたタイトルこそが、ファミコンで90年に発売された『ダウンタウン熱血行進曲』である。

▲白熱するあまり、リアルファイトに発展することも多々あったはず。

 喧嘩に明け暮れていた『くにおくん』シリーズのキャラクターたちが運動会で真剣勝負……と書くと、どうにも牧歌的な雰囲気だが、実情はいつも通りの仁義なき戦い。むしろ、“競技の勝敗”という明確なルールが加わった分、“プレイヤーの仁義なき度”はさらに増していたと言えるだろう。

さて、そんな本作について、『くにおくん』ど真ん中世代である筆者(今年で34歳)が思い出話を始めようものなら、恐らく本インプレッションの内容は“ほぼソレだけ”で埋まる。なので賢明にもそれは避けることにするが、これだけは言わせてほしい。“こばやし”だけは許さない。

●全種目で必殺技解禁、クロスカントリーで“もちづき”にマッハたたきだ!

 プレイステーション3版『熱血行進曲』ではグラフィックが2Dのドット絵から美麗な3D表現にパワーアップ。とは言っても、キャラクターがツルツルテカテカのCGになったわけではない。2Dドット絵の温かみは残したまま、より精細で滑らかな動きを見せるようになったのだ。ありきたりな表現で恐縮だが“新しくて懐かしい”グラフィックである。かつてのプレイヤーであればそんな感覚を抱くことだろう。

 収録されている競技はオリジナル版と同じ“夢見町クロスカントリー”、“障害部屋競争”、“棒の上の玉割り競争”、“勝ち抜き格闘大会”の4種目。また各種目のルールにも変更はなく、パッと見、ただグラフィックがキレイになっただけに感じてしまうかもしれない。だがいざプレイしてみると、遊び方のバリエーションがより多彩になっていることにすぐ気付かされるだろう。

 『くにおくん』シリーズの魅力と言えば、くにおの“マッハキック”やりゅういち・りゅうじの“龍尾嵐風脚”など各キャラクターが持つ必殺技。ファミコン版の『熱血行進曲』では、“勝ち抜き格闘大会”でのみそれら使用できたわけだが、このプレイステーション3版ではなんと、すべての競技で必殺技(一部を除く)をくりだすことができるのだ。

▲必殺技解禁で、クロスカントリーの攻略法も変わる!

 些細な変更のように思えるかもしれないが、いざ遊んでみるとこの“全競技での必殺技解禁”によって生まれる新たなおもしろさ、楽しさには驚かされること間違いなし。想像してみてほしい、クロスカントリーで“マッハたたき”や“オーラパンチ”が使えるのである。もう、ちまちまと肘打ち(あるいは掌底)だけで相手の歩みを止める必要はないのだ。クロスカントリーで“もちづき”にマッハたたきを打ち込んだ瞬間、あなたはもう二度と、ファミコン版の『熱血行進曲』には戻れないと感じるだろう。全競技での必殺技解禁は、それくらい衝撃的なことなのだ。

 ただし、各種目の基本的な攻略方法はオリジナル版から大きく変わっていないので、かつて遊んだ人も安心してほしい。クロスカントリーの水中エリアでは武器を持てば早く進むし、障害部屋競争ではトランポリンでひたすらライバルを落下させてタイムオーバーを狙えるし、玉割りでは間違って味方も倒すし(攻略じゃない)、“勝ち抜き格闘大会”ではとりあえず格闘の指輪を拾おう。

●大幅に増えた必殺技、おぶおぶシュートで“こばやし”を貫け!

▲アイテム投げの必殺技で、よりバリエーション豊かな戦いが可能に。

 全競技での必殺技解禁に加えて、プレイステーション3版では必殺技自体の種類も大幅に増加している。新技の種類はとにかく豊富なので具体的な紹介は避けるが、アイテムに関連した新必殺技が、戦いに新たなバリエーションが生まれていることには触れておきたい。

 ファミコン版の『熱血行進曲』でアイテムを使った必殺技と言えば、“マッハたたき”や“棒術スペシャル”など、振ったときに発動するものに限られていたが、プレイステーション3版では“おぶおぶシュート”や“ナッツシュート”、“貫通シュート”(『くにおくん』シリーズのファンであればピンと来ると思うが、これらの必殺技は『熱血高校ドッジボール部』および『サッカー部』でも使われていたもの)など、アイテムを投げた際に発動する必殺技が追加されたのだ。

 このアイテム投げ必殺技=遠距離からの安定したダメージ源という存在は、接近戦がメインの相手と戦うときに真価を発揮する。さきほど「許さない」と言った“マッハチョップ”使いのこばやしだって、おぶおぶシュート(自動追尾する技)の前では逃げ惑う子鹿のよう。筆者は今回プレイステーション3版を遊んで、こばやしのことを許した。