イメージしたのは“盲目のエヴァ”
ドワンゴおよびカラーは、日本アニメーションの可能性を探る共同企画“日本アニメ(ーター)見本市”において、2015年2月9日より第13弾作品『Kanon』(監督:前田真宏氏)の予告を公開した。本トレーラーの公開は3月上旬からとなっている。
※予告の視聴はコチラ
また、3月9日には、前田真宏氏、鶴巻和哉氏らが出演し、3月上旬から開始する“日本アニメ(ーター)見本市”セカンドシーズンを語る“日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-”が放送される。
ここでは、別世界の『エヴァンゲリオン』が描かれた作品『evangelion:Another Impact(Confidential)』の制作秘話が語られた“日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-”第12回の公式レポートもお届けする。
以下、リリースより。
<第13弾作品情報>
配信日:3月上旬
作品名:『Kanon』
監督:前田 真宏
演出:吉崎 響
美監:串田 達也
予告:コチラ
ストーリー:
罰です。
<ニコニコ生放送 番組概要>
番組名:“日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-”2ndシーズン開始特番
放送日時:2014年3月9日(月)22時~23時(予定)
視聴:コチラ
出演者:前田真宏、鶴巻和哉
番組内容:“日本アニメ(ーター)見本市”セカンドシーズンのお話や、日本アニメ(ーター)見本市OP募集企画の、おふたりによる選考発表を行います。
以下、荒牧 伸志(監督)、松本 勝(CGディレクター)、石井朋彦(プロデューサー)らが第12弾作品『evangelion:Another Impact(Confidential)』の制作秘話を語った“日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-”第12回レポートをお送りします。
■第12回“日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-”が放送 『evangelion:Another Impact(Confidential)』制作秘話を荒牧監督らが解説
2月9日(月)、“日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-”の第12回放送を実施しました。番組では、第12弾作品である『evangelion:Another Impact(Confidential)』より、荒牧 伸志(監督)、松本 勝(CGディレクター)、石井朋彦(プロデューサー)
をゲストに迎え、『evangelion:Another Impact(Confidential)』の制作秘話に関して語り合っていただきました。
<プロフィール>
◆監督・メカニックデザイナー:荒牧伸志
日本における3DCGアニメーションのトップランナーとして、常に次の時代を切り開いてきた。フル3DCGアニメのさきがけとなった『アップルシード』で、世界中のクリエイターに大きな影響を与える。2010年、SOLA DIGITAL ARTS Inc. をプロデューサーのジョセフ・チョウとともに創業。『EX MACHINA』『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』『キャプテンハーロック』など監督作多数。現在、最新作『アップルシード アルファ』が公開中。
◆CGディレクター:松本勝
CGディレクター、アーティストとして、数々のゲームムービー、CG映画に参加。現在SOLA Digital Arts所属。『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』にコンポジットスーパーバイザーで参加。『アップルシード アルファ』でCGディレクターに加え、全体の約40%の絵コンテも担当。今作品でもCGディレクターとしてほぼ全ショットのコンポジットを担当した。
◆プロデューサー:石井朋彦
プロデューサー。スタジオジブリ『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』等でプロデューサー補を担当。Production I.Gへ移籍し『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』、『東のエデン』などをプロデュース。スティーブンスティーブン取締役兼務。最新作は『ふうせんいぬティニー』(NHK Eテレで放送中)『花とアリス殺人事件』(2月20日(金)公開)
■evangelion:Another Impact(Confidential)について
荒牧監督曰く、制作のきっかけは、「石井さんから何か一緒にやらないかと誘われた」ことだと言います。荒牧監督は「パシフィック・リムやゴジラなど、日本のコンテンツがアメリカのハリウッドにいって、すごい形で戻ってくる。素晴らしいことだが、作り手として手放しで喜んでいていいのかという思いがあった。日本の意地を見せたいと思っていた」(荒牧監督)
そんな思いから立ち上がった本作の企画。もともと荒牧監督と庵野氏は旧知の仲で、20代の頃に自分が関わっているアニメの仕事を庵野氏に手伝ってもらったこともあるのだとか。そんな荒牧監督が『エヴァンゲリオン』のオフィシャル二次創作ムービーとでも言うべき本作を制作することに、庵野監督も即GOサイン。本格的に制作がスタートすることになりました。
「庵野さんからもスピンオフタイトルなので、自由に制作していいという返事をもらいまして、じゃあもうやるしかないなと」(石井プロデューサー)
全編3DCGで制作された本作ですが、荒牧監督自身は「最初は1分半くらいのつもりで、地上に出て終わるつもりだったんです。でもよく聞いてみると4分半くらいあるという(笑)」とのこと。
「それからスタッフに声をかけました。エヴァンゲリオンの名前を出すと話が早くて(笑)」(荒牧監督)
そんなAnother Evaのデザインを担当したのは竹内敦志さん。荒牧監督が絶大な信頼を寄せる竹内氏がイメージしたのは“盲目のエヴァ”。原作を踏襲しながらも新しいもうひとつのエヴァンゲリオンが誕生しました。そのデザインは、庵野監督も絵を見ただけで竹内氏の仕事だとわかったほどだといいます。
「エヴァンゲリオンを立たせるとワクワクするんですよね。やっぱりエヴァンゲリオンってフォトジェニックなんだなと」(荒牧監督)
このほか、番組ではモーションキャプチャを用いた制作の方法や、絵コンテなど、どのようにして本作が生み出されたのかという点が語られました。
■氷川の二度見
アニメ評論家の氷川氏が注目ポイントを紹介する“氷川の二度見”のコーナー。今回のテーマは“浮遊粉塵”。
氷川氏は、浮遊粉塵について「フレアやレンズ感があって、地上に出た後も立体的に粉塵が待っていて美しい。空気感や遠近感が出ています」と解説。この部分は松本氏のこだわりとのことで、「この世界(CG)は綺麗すぎる。そこにいかにノイズをのせてリアルに見せるか。リアルだと逆にきれいな絵にするんですが」(松本氏)と、CGと実写の違いを説明しました。
■クリエイターの法則
番組の最後には、ゲストの荒牧監督と松本氏、石井氏に向けて「あなたにとってアニメとは?」という質問が。
石井氏は「世界へのパスポート」と回答。「日本人が世界に出る唯一の手段がアニメだと思います。今作を見たパシフィック・リムのスタッフからも荒牧さんといっしょに仕事がしたいという声が届きました」(石井氏)
松本氏は「考えたことがないい」と回答。「子どもの頃からあって当たり前のものだったので」(松本氏)
荒牧監督は「魂」と回答。「自分の魂の拠り所。心の真ん中に必ずアニメーションがあるという意識でCGアニメも作っている」(荒牧監督)
また、“日本アニメ(ーター)見本市”セカンドシーズンを語り合う特別番組“日本アニメ(ーター)見本市-同トレス-”の次回放送は3月9日(月)放送予定です。セカンドシーズンのスタートは3月上旬を予定しており、あらためて告知予定です。
※視聴はコチラ
【2015年2月10日17時30分追記:メーカーリリースに変更があったため、一部表現を修正しました】】