“聖杯ダンジョン”の詳細を解説
2015年1月28日(水)~2月1日(日)、台北世貿中心(台北ワールドトレードセンター)にて、台北ゲームショウ2015が開催。ソニー・コンピュータエンタテインメント台湾(SCET)ブースを中心に大いに賑わったのはすでにお伝えしている通り。ここでは、会期中に行われた、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアのプレイステーション4用ソフト『Bloodborne(ブラッドボーン)』を対象とした、プレス向け合同インタビューの模様をお届けしよう。取材に対応してくれたのは、SCE JAPANスタジオの山際眞晃プロデューサーだ。と、合同インタビューをお届けする前に、まずは台北ゲームショウで公開された、『Bloodborne(ブラッドボーン)』のトレーラーをご紹介する。
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台湾でも注目作として期待されている『Bloodborne(ブラッドボーン)』だけあって、台湾のゲームメディアからもゲームの内容に踏み込んだディープな質問が相次いだ。まず飛び出したのが、オンラインプレイの人数に関して。これに対して山際氏は、「具体的に明かすことはできませんが、『Demon’s Souls(デモンズソウル)』でできたことはできると思います。おそらく、それ以上はできるのではないかと。あと、対人戦には新しい仕様を入れようと思っていますので期待していてください」とコメントした。『Demon’s Souls(デモンズソウル)』では、4人までのマルチプレイを実現していたが、『Bloodborne(ブラッドボーン)』では、それよりもさらに多くのプレイヤーが参加してのマルチプレイが楽しめそうだ。
また、タイトル“Bloodborne”の由来を尋ねる記者も。“Bloodborne”は、直訳すると“血液由来”。こちらは、同作の世界観を構築するうえでの主軸となる“獣”や“血”に関わってくる点でもあり、「由来は物語を進めるとわかってきます。そこは、ユーザーさんにプレイして解き明かしていただきたいです」(山際氏)とのことだ。由来ということでは、舞台となる街“ヤーナム”の由来に関する質問も。こちらに関して山際氏は、なぜヤーナムというのかは、ゲーム内で語られるとのことだ。一方、時代をビクトリア朝にした理由については、ふたつあると山際氏は説明。ひとつは、“銃”を取り入れたかったからとのこと。「『Demon’s Souls(デモンズソウル)』からバトルを変えたかったので、より能動的に戦えるということで“銃”を取り入れることにしました。ただ、近接でやりたかったので、銃が万能ではない時代を……ということで、ビクトリア時代を選びました」と山際氏。もうひとつはプレイステーション4。プレイステーション4のマシンパワーを駆使して、ビクトリア朝のゴシックが再現できたら……と思ったのだという。
いちばん多くの質問が飛び出したのは、やはり“聖杯ダンジョン”に関して。それらの質問に対する答えをまとめて要約すると、“聖杯”を使って儀式を行い構造を変えるのはオフラインでも可能。プレイヤーが儀式を行い作ったダンジョンはつねに固定される。ずっと固定されているので、自分が置いたヒントがほかのプレイヤーがゲームを解くカギにもなる。そういった“非同期のコミュニケーション”はオンラインで楽しんでほしいとのこと。さらに、いままではオンラインは全員でしか遊ぶことができなかったが、本作では、「このダンジョンはふたりだけ」、「このダンジョンは会社の同僚と」といった具合に、共有の幅を決められるのだという。それによって、いままでは全員で行っていた発見が、限られたコミュニティーでの発見にできる。全世界で1位を目指すのは至難の技だが、コミュニティー内の1位ならば目指しやすいというわけだ。こういったユーザーが産み出す遊びができないか……と山際氏は考えているという。
ダンジョンの構造は、1階層ごとにボスが存在し、基本3~4階層存在し、いち“聖杯ダンジョン”をクリアーするだけでも相当な時間がかかるという。また、自動生成されたタイミングで敵も変わる。ただし、敵の難易度が毎回変わるか……というとそうではなくて、使用する聖杯によって、傾向みたいなものがあるという。つまり、難易度の高いものを作れる聖杯などが存在するというのだ。「あまりにランダムだとつまらないので、ある程度狙えるように考えています」(山際氏)。ちなみに、気になる聖杯の入手方法については、敵を倒したりなど、いろいろなパターンがあるとのことだ。
「みんなで攻略できるということは、倒したボスは復活しないのか?」という質問も。1回、1階層目のボスを倒してしまえば、つぎの人はそのあとから参加することになるのか、という疑問だ。これに対して山際氏は、同じタイミングでマルチプレイを遊んでいるとそうなるが、自分のダンジョンを貸す場合は、最初から楽しむことになるとのことだ。
『Bloodborne(ブラッドボーン)』は国内では2015年3月26日に発売予定。冒頭でも述べた通り、台湾ゲームファンの“日本発”のタイトルに対する期待値は高い。同作が台湾(そして日本も!)のプレイステーション4の普及をさらに後押ししてくれそうだ。