復活した名門タイトルでベテランのアツい試合が続々!
2015年1月31日~2月1日、千葉・幕張メッセにて開催中の、ゲーム実況とゲーム大会の祭典“闘会議2015”。アーケードエリアで開催された“闘会議杯争奪格ゲートーナメント2015”から『ストリートファイターIII -3rd STRIKE-』(カプコン)の闘いをリポート!

本作は、アーケード対戦格闘ゲームが盛り上がった90年代、各メーカーから続々と革新的なタイトルがリリースされていた中でカプコンから登場したのが本作だ。『ストリートファイターIII』シリーズの3作めとして1999年にアーケードで稼動開始。絶妙なゲームバランスと直前で前方向にレバーを入力することですぐさま反撃が可能になる“ブロッキング”などの意欲的なシステムが多くの対戦格闘ゲームファンを魅了し、いまなお熱心な格ゲーファンに愛されている“定番”タイトルだ。最新作を集めたこのイベントになぜ……? と思われる人もいるかもしれないが、じつは2014年11月よりタイトーのゲーム配信システム“NESiCA x LIVE”で本作がラインナップに加わり、当時とそのままの対戦が再びゲームセンターで楽しめるようになったのだ。この大会もNESiCA x LIVE版を用いた闘いとなっている。
稼動から16年経っているが、前述の理由でいまでも大会が格ゲーが盛んなゲームセンターで開催されているほど。そんな背景もあり、プレイヤーもベテラン中のベテランがいまでも活躍している。そして、そんな伝統があるからこそ、近年は新たなプレイヤーも増えているという。
この日もこれまでの著名な大会で活躍したプレイヤーが揃う、格ゲーファンには見応えあるトーナメントとなった。32人トーナメントによるシングル戦は、熟練のテクニックをじっくり観戦するのにふさわしいもの。格ゲービギナーの観戦者にとっては、たいへー氏による実況によって、見どころやベテランプレイヤーのスタイルといった解説を通じて時間をかけて磨かれたテクニックのスゴさが実感できたのではないだろうか?
そんな猛者ぞろいの大会でベスト4まで勝ち上がったのは、ラオウ(春麗)、パンピーナ(ユリアン)、ヒガ(いぶき)、赤がえる(アレックス)。
準決勝第1試合はラオウとパンピーナによる名プレイヤー対決。『ブレードアークス』に続く、本大会の2冠が期待されていたパンピーナ。闘劇などの大規模大会を制した強豪ラオウを追い込んだものの、惜しくもファイナルラウンドで敗退した。
準決勝第2試合は全国トップレベルのいぶき使いのヒガと、“『3rd』界期待の若手”と言われる赤がえるの闘い。赤がえるは、本作で弱いとされる投げ系キャラクター、アレックスを使いながらも素晴らしパフォーマンスを見せる実力者だ。拮抗した場面も見せたが、ガードを固めるいぶきに苦心。ヒガがストレートで勝利した。
そして決勝戦。ラオウとヒガという実力者どうしの激突。どちらが勝ってもおかしくないという好カードになった。試合はお互いめまぐるしく動き、激しい打ち合いになり早いテンポで進行。しかし、最後は体力が不利な状況で鳳翼扇を決めてドラマチックに逆転をしたラオウが勝利。2015年1月に400人以上が参加した伝統的な大規模大会“クーペレーションカップ”に続いて本大会でも頂点に立ち、貫禄を見せた。









■優勝者・ラオウ選手コメント
――優勝したいまのお気持ちを教えてください。
ラオウ選手(以下、ラオウ) 優勝できる確率は5%ぐらいだと思っていたんですけど、優勝しちゃいました。運がよかったんだと思います。
――勝因はどこだと思いますか?
ラオウ 今日はいつもとちょっと環境が違いました。『ストIII』は“MOV”君がいちばんうまいんですけど、逆にうまさがあまり出せなかった。なので、思い思いにふだんの自分のプレイを出せたのが勝因だと思います。
――大会全体を通して感じたことは?
ラオウ 知り合いの強豪プレイヤーもいたんですけど、1回戦の相手が三重県に住んでいる方で、ゲーセンがなくてオンラインでしかプレイしていないということでした。そういう人でもこういうゲームを触ってくれているんだなと、オンラインでの格闘ゲームの可能を感じました。
――なるほど。では、意外に知り合いのプレイヤーだけではなかった?
ラオウ そうなんですよ。「僕も知り合いばっかりかな?」と思ったんですけど、そんなことはなく、遠くから来てくださっている方もいて……。軽い気持ちって言ったら失礼ですけど、いろいろな人が集まってくれてうれしいなと思いました。
――今回NESiCA(ネシカ)台ということで、何か対策はしていましたか?
ラオウ そうですね。NESiCA(ネシカ)の台で練習しました。バージョンアップしてくれているようで、最初よりすごくよかったです。これからもどんどんいろいろなゲーセンでプレイできたらいいなと思います。
――今日のご自身の試合で印象に残っているものはどれですか?
ラオウ 途中で『ストIII』を最初からプレイしているメスター君と当たって、ふだんは全然勝てないんですけど、今日は荒々しく戦ってみました(笑)。