“宇宙性への回帰”を阻む謎の敵対勢力たち
この世には“アカシックレコード(宇宙の記録庫)”というものがあるそうです。時空を超えた概念的存在なので、「どこかに行けば見られるよ」というものではないのですが、何かしらの方法で運よくそれにアクセスできると、人類、ひいては宇宙の膨大な活動記録を過去・未来問わず引き出せるんだそうです。引き出して何ができるかというと……予言、とか?(笑)。 有限な肉体を持った人間が高次元の叡智に触れることのメリット・デメリットはいろいろあると思いますが、それが最終的に“現在あるがままの自己の肯定”につながるのが、いちばん幸せなことなんじゃないかと思います。





『PLARINET』は、そんなテーマ性を含んでいるようないないような、壮大なロマンとこぢんまり感が同居する不思議なゲームです。ストーリー上の目的は、宇宙空間に四散した“人類の叡智”を集めてアカシックレコードを完成させ、(故郷の)惑星を再活性化すること。実際のゲーム内容は、それほど広くない円形状のフィールド内で、敵を倒したり小惑星を採掘したりしてアイテム集めに精を出すのがメインとなります。プレイヤーが操作するのは、宇宙空間用シャトルと、それに搭乗する宇宙飛行士。シャトル時は高速移動&攻撃、飛行士時はアイテム収集&惑星採掘ができます。



惑星の出現場所、アイテムの出現確率、及び敵の出現タイミングにはある程度のランダム性があり、やけに順調に進んでいたと思ったら、あっさりピンチに陥る場合も。このあたり、1プレイごとの結果にあまりこだわらず、“つぎの瞬間、何が起こるかわからないムード”そのものが好きなプレイヤーであれば、操作の上達に応じて見られる新たな展開を楽しみつつ、独特の美学が詰まったミニチュア世界を満喫できるでしょう。アカシックレコードや惑星探査といった壮大なモチーフを、コンパクトなアクションゲームのスタイルに落とし込まれた形で体験できる本作。小さいことでくよくよしているなぁ……と思ったときにつれづれとプレイすると、急に目の前がパーッと開ける瞬間がくるかもしれません。


開発者INTERVIEW M2O氏(HITMARK BROTHERS)

──M2OさんはかつてUPL(『忍者くん 魔城の冒険』、『アトミックロボキッド』などを代表作とするゲーム開発会社。1992年に倒産)に所属していたとのことですが。
M2O 私が入社したのは『宇宙戦艦ゴモラ』(1990年リリースのアーケードゲーム)のメガドライブ移植版が開発されていたころなので、本当に末期です。UPLではドット絵制作から始めて、『アクロバットミッション』(1991年にタイトーからリリースされたアーケードゲーム)の企画を担当しました。
──M2Oさんのブログのコメントによると、『PLARINET』のゲーム世界は、『アクロバットミッション』のエンディングからつながっているとのことで、いちオールドゲーマーとしては非常に気になります(笑)。
M2O 厳密に続編というわけではないのですが、“地球の歴史を吸い取っていた機械惑星が爆発して、地球のイメージが宇宙空間に飛び散った”というシーンを、『PLARINET』のゲーム開始時の状態に重ね合わせている面はあります。
──ゲームデザイン面では、どのあたりを重視されたのでしょうか?
M2O 基本的には宝探しなので、すべて集めれば一応エンディングのようなものは流れます。ただ、延々とループして遊べるゲームを作りたかったので、継続してプレイできるようになっています。
──本作の開発スタッフは?
M2O グラフィックからサウンドまで、すべて私ひとりで制作しました。開発ツールは、エンターブレイン(現・角川ゲームス)さんの『アクションゲームツクール』を使用しています。
──そうだったんですか!? 今後もこのスタイルでゲーム開発を……。
M2O やはり自分とゲームの趣味が合う仲間と作りたいですね。デベロッパー名に“ブラザーズ”と入れているのは、いずれはパートナーが欲しいという思いを込めています(笑)。
※インタビューの完全版は2015年1月上旬にファミ通.comにて掲載予定です。
PLARINET
メーカー | HITMARK BROTHERS |
---|---|
対応機種 | X360Xbox 360 |
発売日 | 配信中 |
価格 | 100円[税抜](103円[税込]) |
ジャンル | アクション・アドベンチャー |
備考 | Xbox Live インディーゲームとして配信中 体験版&お試し版あり |