語りすぎて誌面に載りきらなかったのでファミ通.comで緊急全文掲載!
週刊ファミ通2015年1月15日増刊号(2014年12月25日発売)にて、2ページにわたってお届けした『グランブルーファンタジー』(以下、『グラブル』)の魅力を伝える特集記事にて、ルリア役の東山奈央さんのインタビューを掲載。その内容があまりに濃すぎたため、誌面掲載時には全体の4分の1ほどしか掲載できなかったため、ファミ通.comにてインタビューの全文を掲載する。また、今回のインタビューに同席した『グラブル』のプロデューサー、春田康一氏の発言にも注目だ。なお、このインタビューは2014年11月某日に行われているため、すでに情報が更新されているものもある点、ご了承いただきたい。
ふつうの女の子ではない透明感を意識したルリア
――東山さんが演じられているルリアが、どんなキャラクターなのかを教えてください。
東山 ルリアは不思議な女の子ですね。『グラブル』の世界には“星晶獣”という生き物がいるのですが、その生き物たちと会話をしたり、その力を吸収できるという、とても珍しい力を持っています。その力が原因で、“エルステ帝国”という大きな国に幽閉されていたのですが、そこを脱出して主人公(プレイヤー)と出会うんです。その後、ある出来事が原因で主人公が瀕死の状態になってしまい、彼を蘇生するためにふたりで魂を共有するところから物語が始まります。生い立ちが非常に複雑で、記憶も失っているので、「自分はいったいどういう存在なんだろう?」という、モヤモヤした不安を抱えている子ではあるのですが、基本的には純粋無垢で、天真爛漫な女の子です。ほかにも食いしん坊だったり、お化けが怖かったり、そんな等身大の女の子っぽい部分もかわいらしいです。
――演じていて難しいところは?
東山 “ふつうの女の子ではない”ということを意識して演じています。少しでも気が緩むと、「ふつうの女の子っぽい」と指摘をいただくこともあって難しかったですね。“ふつうの女の子じゃない感”というのは、お芝居をしていても言葉にできない、感覚的な部分で。ふわふわしているとか、透明感という点をキーワードにお芝居をさせていただいています。
――具体的に気をつけているのは、どんなところでしょう?
東山 話している言葉はすごく女の子らしいというか、等身大の女の子なんです。そこに、のんびりしていたり、ほんわかしていたり、聞いているだけで守りたくなってしまうとか、癒されるとか、心が洗われていくような雰囲気を、声質の部分で意識していくことで、ふつうの女の子らしさから離れられるんじゃないかなぁと思っています。ルリア自身はふつうの女の子に対して憧れがあって、同じ年ごろの友だちができると喜んだり、初めて見るものに興味津々だったりするんです。ただ、ルリアの神聖な感じや、“不思議な力を持っている部分”というのは、彼女の“個性”として演じたいと思ってます。
――実際にプレイしてると、守ってあげたい感が強いですよね。本当に、いい子で。
東山 そうなんです! とにかくいい子なんですよね。じつはオン・オフの切り換えがしっかりしているんです。星晶獣を目の前にしたり、人の悲しみに対面したときはシリアスになるんですが、それ以外のときは、ぽやぽやしていて(笑)。ルリアを演じていた最初のころは、そのオン・オフの切り換えがルリアの中でどんなときに起きるのかを明確につかめていなかったんですよ。でも、いまはオン・オフの切り換わりのタイミングがはっきりとわかって。ルリアは自分のことに関しては、ふわふわしているんです。自分が困ったときやお化けが怖いときは「はわわわ~」とか、「はぅ~」と言っているんですが、周囲の人がたいへんなときは「なんとかします(キリッ)!」という感じになるんですよ。“人のため”というのが、ルリアの場合はキーになるんだなと気づいてからは、収録もスムーズになりました。
――なるほど。ちなみに『グラブル』は、定期的にシナリオが追加されていると思うのですが、収録はどのような頻度で行われているのでしょう?
東山 月に1回から2回収録を行っていますね。その1回1回もけっこうなボリュームがありまして、イベントだったり追加シナリオなどを収録しています。さらに、加藤英美里さんと“ぐらぶるちゃんねるっ!”というラジオをやらせていただいているので、その収録も含めると、ひと月の中で『グラブル』に関わる機会は多いです。
――そんなに! 加藤さんとのラジオは、どんな内容になっているのですか?
東山 自分で言うのもなんですが、すごくいい番組です! 本当に! ゲームの魅力について語り始めたらキリがないというぐらいの『グラブル』オタクである私たちがパーソナリティーをやっているので、本当に楽しくて。ユーザーさんのおたよりを交えながら、「これ、あるある!」って共感したり、収録現場で情報交換しているうちに、ゲームを有利に進めるためのノウハウを発見することもあります。なにより、ラジオを作っているスタッフさんや作家さんが『グラブル』が大好きで、ランクも高いんです。いまのランク は79って言っていました(笑)。
――それは相当高いですね (笑)。
東山 ビックリですよね(笑)。スタッフさんたちとみんなで“騎空団”を組んでプレイしたりしているので、臨場感のある状態で皆さんといっしょに情報を交換したり、キャラクターの魅力を語り合ったりしています。『グラブル』らしい、コンテンツから派生したコーナーもすごく盛り上がりますし、ニコニコ動画で配信されているので、ラジオの配信後にコメントが流れているところを自分で見て、「リスナーの皆さんは、こういうことを考えているんだ!」というのが垣間見られるのも楽しいです。とにかく、いい番組なんです!(笑)
ルリアを演じるのがうれしくてしかたない!
――語りが熱いですね(笑)。ラジオの話から、またゲームの話に戻しまして、収録のときに印象的だったエピソードはありますか?
東山 ルリアは私が演じてみたい女の子の中で、“最高に演じてみたいタイプの役”だったので、毎回の収録が本当に楽しみなんです。つぎはどんな風に演じてみようかなとか、ここのセリフはこういう風にしたらかわいいだろうなぁとか、つねに近くに感じているキャラクターですね。“近くに感じる”理由のひとつは、収録後、すぐに音声が実装される点もあると思います。
――そんなにすぐに実装されるんですか?
東山 「先日収録したものが、もう実装されている!」みたいなことが、よくあります(笑)。私も演じ立てほやほやの気持ちで『グラブル』をプレイして、表情がついたものを見てホクホクしたり、収録自体はひとりひとり個別なので、ほかのキャラクターとの掛け合いを楽しんだりしています。とくに私は、ルリアの食いしん坊なところが好きなんです! ルリアに感化されたのかはわからないですけど、彼女を演じて以来すごくお腹が空くようになりました(笑)。『グラブル』では、『ぐらぶるっ!』という5コママンガがゲーム内で連載されているのですが、マンガではヒロインにあるまじき暴食ぶりを発揮していますね(笑)。そういうシーンを演じるのもすごく楽しくて、演じているうちにお腹が鳴っちゃったりもして、臨場感たっぷりで演じさせていただいています(笑)。
――ルリアを演じるのが楽しくてしかたがないようですね(笑)。ちなみに、思い出に残っているシナリオはありますか?
東山 いっぱいあります! 『グラブル』は、島を移動して旅をするんですが、島ごとにシナリオの印象が変わるんです。だから、ゲーム性だけではなく、シナリオにも注目してほしいですね。私は幽霊島の閉ざされた島の話がすごく好きです。収録時は、全部のシナリオがわかるようになっているときと、自分が出演している部分しかわからないときがあるんですが、幽霊島のシナリオは、実際にプレイして初めてシナリオの全容がわかったんです。ハッとさせられるというか、すべての謎が解けたときに鳥肌が立ちました。「このお話、すごい!」って。いろいろ推理しながら楽しめるシナリオでしたね。フェリちゃんとドランクの髪型や耳がすごく似ていたり、ドランクがワケ知り顔だったり、何かあるんだろうなと思いながらも、ぜんぜん展開が読めなくて。最後にはどんでん返しも待っていて、心温まるシナリオでしたね。
ルリアを守って戦うようなシナリオが追加される!?
――ルリアはメインヒロインでありながら、戦闘で戦うことがないので、東山さんもパーティーキャラクターを演じたいと思ったりはしませんか?
東山 うーん……。ルリアは半分戦闘キャラクターみたいな感じですし、ルリアを演じられてすごく幸せなので、「ほかの子を!」とは思わないですね。ただ、パーティーメンバーになると、時期によって水着になったり衣替えがあるんですよ! でも、ルリアの衣装は変わらないので、ほかの服を着ているルリアを見てみたい気もします。あとは、パーティーメンバーになると、ランキングの順位が上がるんですよね……。Twitterでキャラクターの人気投票を定期的に行っていて、私としてはルリアは絶対上位になると思っていたんです。「ウチの子がイチバンかわいいでしょ!」って。でも、蓋を開けてみれば10位で……、ショックでした(笑)。
――人気投票で上位になったキャラクターは、ガチャでの出現率アップという特典がついてくるので、どうしてもルリアは選びづらくなってしまうんですよね。
東山 それでも清き一票をくれたユーザーさんには感謝しているんですが、10位に入ったから、ルリアもガチャで……と思ったりもしています(笑)。
――だいぶ無茶な話が出てきましたね(笑)。一応確認しますが、ガチャで出る可能性はあるのでしょうか?
プロデューサー春田康一氏(以下、春田) キャストさんによっては、2キャラクター演じている方もいますので、ひとりの方がふたつのキャラクターを演じるということは前例があるんです。ただ、ヒロインが別キャラクターをやるということがあっていいのかという問題はありますよね(笑)。
東山 違うんです! 私はルリアに戦ってほしいんです! たまには主人公に眠っていてもらって、ルリアが体を乗っ取って戦うみたいな。そんな展開があってもいいじゃないですか!(笑)。たとえば、イベント限定で編成できるキャラクターもいたりするので、“この時期だけはルリアを編成できる”ということができれば、おもしろいんじゃないか、と。
春田 ルリアではないですが、似たようなイベントは企画しています。強制編成や特定のキャラクターのHPが0になってはいけないとか。たとえば、“ルリアを守れ!”といったミッションになっていて、ルリアを守りながらほかの戦闘キャラクターで敵を倒さないといけない、というようなシーンは、これから出てくると思います。
東山 おおお! それはキュアポーションが必要になりますね(笑)。
春田 このインタビューの前にもシナリオチームと話をしていたのですが、これからのシナリオは、いままでと形式が変わってきます。いままでは、ひとつの島で話が完結していましたが、それがちょっとずつ崩れていきます。現状やっている“ファータ・グランデ空域”の登場人物が全員揃ったので、ここから物語が収束に向けて進んでいきますね。たとえば火の島や風の島に戻ったり。
東山 えっ! シナリオが終わっちゃうんですか?
春田 “ファータ・グランデ空域”だけで言うと、いったん物語がまとまるようになります。ただ、この世界には空域が何百個とあるので……。
東山 よかったぁ(笑)。
春田 実質、いまお話した内容も、来年のいまごろにようやく到達するような話ですので。ちょっと先のイメージを膨らませながら進めています。
――今後のストーリー展開も非常に気になりますが、個人的にはイベントが続々と始まるので、ストーリーが進められないという悩みが(笑)。
東山 そうなんですよね~(笑)。APがすぐに足りなくなってしまって……。『グラブル』スタッフさん自身が「ユーザー泣かせですよね」とおっしゃっていたのが、非常に印象に残っています。なんとかならないですかね?
春田 じつは、来月(12月)から“全回復ボタン”というのが追加されます。
東山 !?!?!? 聞きましたか!?
春田 1日1回だけ、APとBPが完全回復するボタンです。Twitterでツイートすることが条件にはなりますが(笑)。ぜひ、こちらも活用していただければ、と。
パーティーのメインはセルエル! さらに裏技情報も……!?
――差し支えなければ、東山さんのパーティー編成を教えていただければ。
東山 いまは“コロゥ討滅戦”(11月7日~13日まで行われたイベント)用に闇が強めです。ただ、セルエルは外せないです。あとはレディ・グレイと、ヴィーラと、サブでマギサですね。
――かなり強いパーティーですね(笑)。ふだん、ストーリーを進めるときはどんな編成ですか?
東山 そこまで大きくは変わらないですね。セルエルと、マギサと、カタリナと、あとふたりは、ときどきによって変えています。最近ガウェインさんが来てくれたのですが、風属性のキャラクターがあまりいなかったので、すごく助けてもらってます。あとひとりは、レディ・グレイですね。あまり上限開放のアイテムが揃っていないので、各キャラクター1回か2回ぐらいしか上限開放できていないのですが、やっぱりSSRは強いですね。
――好きなキャラクターは? デッキ編成をお聞きするかぎり、セルエルなのかな、と思いましたが。
東山 王子(※セルエルのこと)はカッコいいですし、性能も高くて、パーティーに欠かせない存在ですね。
――編成するときは、キャラクター性重視ですか? それとも性能重視ですか?
東山 私は見た目で選んでいると思っていたんですが、『グラブル』はどのキャラクターもステキなので、あまりそこは関係なかったんだなぁと気づきましたね。とにかく描き込みがすごいんですよ。設定資料集を見たときには、「キレイ!」と感動して。上限開放を行うと絵柄も変わりますから、そういう意味でもまんべんなく育てていきたいと思いますね。
――使っていてイチオシのキャラクターはいますか? やはり、セルエル?
東山 そうですね。セルエルのアビリティが好きです。攻めも守りもこなせて、弱体効果を防ぐアビリティを持っているのがいいです。あとは、3つ目のアビリティ“レグルス・グロリア”なんですけど、敵のHPを「ガーン!」って一気に減らしてくれるんですよ。光属性だから、どの敵にも効くのもポイントが高いですね。しかも、“レグルス・グロリア”は全体攻撃なんです! もうホントに重宝しています。あとは、カタリナも大事なキャラクターですね。回復系のキャラクターなので攻撃力は弱めですが、敵からのダメージを40%カットできるアビリティはありがたいです。
東山さんが愛してやまない『グラブル』の世界
――しかし、聞けば聞くほど、本気でプレイされているんですね。
東山 でも私、ゲーマーではないんです。ゲームは好きなんですが、小さいころにゲームをあまりやらせてもらえなかったので、こうして大人になってから、いざ遊ぼうと思ってもプレイヤーの素質がないんです(笑)。瞬発力だったり、効率のいいゲームの進めかたがわからなくて。でも、『グラブル』は、初心者の私でも焦らずにできるという、とても珍しいゲームだなと感じています。
――プレイヤーの素質がないということですが、レイドボスの攻略には戦略が必要だったりするので、たいへんなのでは?
東山 私はセンスがないので、どうしても愚直に戦ってしまいますね。ただ、ラジオの作家さんがすごく戦略を練るんですよ(笑)。“星の古戦場”(※定期的に行われるイベント。ボスを倒して得られるポイント数を騎空団どうしで競い合う)が開催されると、ゲーム内のチャットで、「今日は何時くらいから攻めますけど、敵の出かたを見て大差をつけないで勝ちます。大差をつけて勝つと、つぎの日の対戦相手が自分たちの貢献値に見合った相手になってしまうので、敵に大差をつけないで勝ちます」って連絡してくれるんです。とても勉強になりますね。まわりのゲーマーの方々に助けられて、ようやくやれているという感じですね(笑)。
――今後の『グラブル』に期待することは?
東山 じつは『グラブル』には、皆さんが気づいていない裏技があるんです! これは絶対に秘密だと言われたんですよ。先ほど、プロデューサーの春田さんに聞いたのですが、本当にギリギリまで教えてくださらなかったくらいで!(笑)。ちょっとだけお伝えすると、“My page”から“Town”に行ったときに“あること”をするとステキなことが起きるんです! しかも、これは今年の5月から実装されていたそうで。まだまだ隠し要素を用意しているのではないかと、勘ぐっちゃいますよね(笑)。だから、本当に今後の展開が楽しみです。私は、とにかく皆さんに『グラブル』を遊んでほしいと思っているんです。いままでほとんどゲームを遊んでこなかった私が、こんなにもハマっているくらいですから! 『グラブル』は特別なゲームだと思うので、ぜひ皆さんも遊んでみてください!
――そんなにもハマった理由はどこにあるんでしょう?
東山 世界観がとくに好きなんです。公式サイトから流れてくる音楽や、地面の上に雲が漂っているという、現実では感じることができない世界を、鮮明に目でも耳でも感じることができる世界観が本当に好きですし、シナリオもステキです。ひとりひとりのキャラクターにシナリオがあって、設定もしっかりしていて、声優さんも豪華な方が関わっていて、「これはふつうじゃない!」と感じました。『グラブル』に関われたのが本当にうれしいですし、自分のまわりの人たちがハマっていく姿を目の当たりにできることも楽しいです。別作品のスタッフさんがプレイされていることを知って、きっと私が出演しているから気にかけてプレイしてくださっているんだろうな、とありがたく思いながら、フレンド登録をしたんです。それでプロフィールを見てみたら、ランクがものすごい高くて(笑)。「これは社交辞令じゃなくて、本気のヤツや!」って(笑)。それも『グラブル』の魅力なんだなと感じていますね。だから、とにかくたくさんの人に遊んで欲しいです。遊べば魅力がわかるから! じつは、このインタビューもすごく楽しくて(笑)。皆さんとこうして、『グラブル』について語る機会があるということが、本当にうれしいんです。CMではアニメーションでキレイに動いているところも見られて、アニメになったらこんな風になるんだろうなぁ、と思い描いたりもしちゃいます。アニメ化というのを大きな目標にできたらいいな、と。
――東山さんもこれだけ作品を愛しているように、ファンの方の愛も強い作品なのではないか、と感じます。今後、たとえばファンミーティングイベントなどを開催する予定はないのでしょうか?
春田 やったら楽しそうですよね(笑)。でもまずは、東山さんにもパーソナリティーを務めていただいているラジオの公開録音や、ニコニコ生放送なんかも、どこかのタイミングでやりたいなと思ってます。ただ、現状は運営で手いっぱいなので、なかなかどうしたものかと(笑)。ちょうど2015年3月に『グラブル』の1周年が訪れるので、何かイベントを組めればと思います。
東山 心から期待しています!
■グランブルーファンタジー
対応機種:PC、iOS、Android
メーカー:Cygames
配信日:配信中
価格:基本プレイ無料(一部課金あり)
ジャンル:RPG
備考:プロデューサー:春田康一、キャラクターデザイン:皆葉英夫、サウンドディレクター:植松伸夫