『シャイニング・レゾナンス』には、RPGでこその体験版の“工夫”が必要だった

 セガは、2014年11月9日にベルサール秋葉原にて『ファンタシースター ノヴァ』、『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』、『シャイニング・レゾナンス』の試遊ができる“発売直前 ! ! SEGAカウントダウン体験会”を開催した。ここでは体験会の様子と、各ゲームのプロデューサーへのインタビューをお届けしよう。

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 入場無料で、自由にゲームが遊べた今回の体験会。開場30分前にはすでに60人ほどの列が。午前11時に開場するや、ファンの皆さんはつぎつぎと各ゲームの試遊台への列に並び、開場直後には訪れた参加者の数は250人以上に。なかでもプレイステーション3用ソフト『シャイニング・レゾナンス』は今回が初のプレイアブルのお披露目ということもあり、大きな注目を集めていた様子。注目の『シャイニング・レゾナンス』に関しては、ファミ通.comでもプレイインプレッションを掲載しているので、そちらを参照されたし(⇒関連記事はこちら)。

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▲先頭の3人は友だちどうし。9時30分ことから並び、『シャイニング・レゾナンス』の新しいキャラクターに出会うことを楽しみにしていたとのこと。
▲開場と同時に、各試遊台にはあっという間に行列ができた。
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▲『ファンタシースター ノヴァ』のキャラクター。
▲『シャイニング・レゾナンス』のキャラクター。
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▲『ファンタシースター ノヴァ』のオリジナルパーカーを手に入れるには、相当な腕前が必要のようだ。

 一方、PS Vita用ソフト『ファンタシースター ノヴァ』は、クリアーするとオリジナルのパーカーがプレゼントされる“チャレンジ台”も設置されており、大いに人気を集めていた。このチャレンジは東京ゲームショウ 2014でもプレイできたもので、クリアーしたのは1組しかいなかったというほどの高難度を誇る。なお、『ファンタシースター ノヴァ』に関しては、同作をいち早く家でも楽しめる“序盤体験版”のプロダクトコードの先行プレゼントも実施されていた。この体験版は、キャラクタークリエイトから2章までの内容をプレイすることができ、製品版へのデータ引き継ぎも可能だという。こちらの体験版は、11月13日より配信予定となっているので、気になる方はお試しあれ。

  ファンの皆さんがゲームに挑む姿は真剣そのもので、現場のスタッフに遊びかたやゲームのコツをスタッフに聞いたり、友だちどうしで共闘しあったりと、新作ゲームの期待が感じられる体験会となっていた。

 さらに、会場では物販コーナーが展開されたほか、来場者特典としてクリアファイルなどの各ゲームのグッズも配られていた。

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 ここからは、会場に訪れていた澤田剛氏(『シャイニング・レゾナンス』プロデューサー)、野中竜太郎氏(『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』プロデューサー)、都築靖之氏(『ファンタシースター ノヴァ』プロデューサー)、酒井智史氏(『ファンタシースター』シリーズプロデューサー)に聞いたゲームの魅力や期待についてお伝えしよう。 

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▲左から、澤田剛氏、酒井智史氏、都築靖之氏、野中竜太郎氏。

——ご自身が制作された、それぞれのゲームの魅力について教えてください

澤田剛氏 『シャイニング・レゾナンス』はプレイステーション3という新しいハードになったことで、『シャイニング』シリーズとしては“心機一転”のゲームになっています。ドラゴンに変身するということ、オーソドックスなRPGのスタイルにプラスしてアクションの要素あり、世界観も一新されているので、初めて『シャイニング』シリーズを体験する方でもすんなり入っているでしょう。ここだけの話、RPGは体験版を作るのがすごく難しいんです。だんだん技を覚えていって強くなるというRPGならではの醍醐味が、短い時間では味わいにくいですから。そこで、イベント用のアクションを体験できる内容にして、しっかりと新しい『シャイニング』の楽しさがわかっていただけるように工夫しました。またべつの機会に体験版をユーザーさんにお届けできる場を作りますので、楽しみにしてください。

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野中竜太郎氏 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』は電撃文庫の20周年を記念した作品で、いろいろなキャラクターが参戦しているのが魅力のひとつです。自分の好きなキャラクターを使うもよし、ほかの作品のキャラクターとタッグを組んで戦うもよし、といろいろな楽しみかたができます。プレイステーション3版はアーケードと同じような感覚で、Vita版はいつでもプレイできる手軽さがありますので、どちらのプラットフォームでもぜひ遊んでいただきたいです。

都築靖之氏 『ファンタシースター ノヴァ』は『ファンタシースターオンライン2』の世界観をベースにしながら、SF作品を多く手がけられているトライエースさんのお力を借りたゲームです。基本はひとりで遊べるRPGがベースなのですが、“近くにいる友だちとアドホックでわいわい楽しむ”こともできます。グラフィックはほとんどイチから作り直している感じで、『ファンタシースターオンライン2』と同じモデルでも、見えかたがぜんぜん違ったりしています。世界観も“サバイバル”の要素を入れることで従来のシリーズから大きな差別化を図っており、“自分たちだけの力で工夫して生きていく”というゲーム性もあります。いままでのシリーズにはない魅力がたっぷりと詰まった作品なので、『ファンタシースター』シリーズのファンはもちろん、シリーズをプレイしたことがない人もぜひ触れていただきたいです。また、11月13日から配信される“序盤体験版”は、東京ゲームショウ 2014でプレイできた“バトル体験版”から、ファンのみなさんからいただいた意見からさまざまな改良をほどこした内容となっています。その名の通りゲームの序盤を、キャラクタークリエイトも含めてまるっと楽しめる内容になっていますので、ぜひプレイしてみてください。

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酒井智史氏 僕は制作現場をよく知っているので、それぞれのゲームをひとつずつ褒めてみますね(笑)。
 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』は、セガの“キャラゲー”の愛を感じられる内容です。セガの久々の2D格闘ゲームですし、セガファンの方にもぜひ遊んでいただきたいです。
 『シャイニング・レゾナンス』は“日本のRPGってこうだよなあ”と思わせる、すごく丁寧に作られたゲームになっています。tonyさんの絵が3D化されていたり、“歌”の要素だったり、『シャイニング』らしさも継承されていて、年末に腰を据えてRPGを楽しみたい方にはうってつけのタイトルでしょう。
 『ファンタシースター ノヴァ』はトライエースさんの協力もあり、グラフィックはプレイステーション Vitaとは思えないほどに洗練されています。ひとりでも4人でも、巨大生物とのバトルや、サバイバルのストーリーを楽しんでいただきたいです。
 ちなみに、『ファンタシースターオンライン2』は年末に向けて超難度のクエストが登場したり、12月4日から舞台版が公演されたりと、より広く展開していきますので、こちらも注目してみてください。

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——いま、セガのタイトルで気になっているゲームは何ですか?

澤田剛氏 僕は『ストリートファイターII』世代なので、『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』が気なります。現在稼働中の『BLADE ARCUS from Shining』も含めて、セガの格闘ゲームがどんどん盛り上がってくれることを期待しています。

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都築靖之氏 『ファンタシースター オンライン2』がどんどんバージョンアップしていくのが気になってしょうがないです。『ファンタシースター ノヴァ』もそれに追いつくように完成度を高めないといけないという気持ちがあるので、内心ドキドキしています(笑)。

野中竜太郎氏 『ファンタシースター ノヴァ』はひとりでもたくさんのイベントが楽しめる、ストーリー性のある内容ということがすごく気になっています。もうひとつは『シャイニング・レゾナンス』で、tonyさんの絵からできあった3Dモデルがすごくよくできていたことに驚きました。年末はどちらも買ってやろうかなと思います(笑)。

酒井智史氏 僕も『ファンタシースター ノヴァ』と『シャイニング・レゾナンス』ですね。どちらもシリーズ作品ですが、ほぼ“作り直し”なんです。すごく手間がかかっている作品であり、進化が見られる作品になっています。そうそう、この前“シャイニング ファン フェスタ 2014”を観に行ったんですけど、“これだけ声優さんやファンに愛されているんだ”ということがわかってうれしかったですね。

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——セガのゲームファンに向けて、何かひと言お願いいたします

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澤田剛氏 近年、じっくり腰を落ち着けて遊べるRPGというのは少なくなってきたと思います。自分がRPGというジャンルが大好きなので、ユーザー目線で“こういうファンタジーRPGを遊びたい”というのを考えて『シャイニング・レゾナンス』を制作しました。新規の方も、ぜひ触れてみてください。

野中竜太郎氏 先ほども申し上げた通り、セガは年末にたくさんゲームが出ます。いちばん最初が『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』なので、“最初からクライマックス”というやつですね(笑)。格闘ゲーム好きから、そうでない人も含めて、幅広い人にプレイしてほしいです。

都築靖之氏 いままでとは違う、一風変わった『ファンタシースター』を作らせていただきました。先ほど紹介した”序盤体験版”は無料でプレイでき、製品版へのデータの移行もできますので、「『ファンタシースター』ってどういうものなんだろうな」という人も、“入り口”として遊んでみてください。

酒井智史氏さん 年末に向けて、セガそれぞれのタイトルをどんどん動かしていきます。舞台なども含めて、セガはゲーム全体が盛り上がるようなタイトルを発売、発表、展開をしていきますので、よろしくお願いします。

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 ちなみに、2014年11月22日にはセガサターンが20周年を迎える。この時期に、ぜひセガならではの、愛のある“手の込んだ”ゲームをプレイしてみてほしい。

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