コーエーテクモゲームスよりプレイステーション4、プレイステーション3、PC用ソフトとして発売されるシミュレーションゲーム『信長の野望・創造 with パワーアップキット』。今回は、コーエーテクモゲームスの小笠原賢一プロデューサーに、本作の強化点についてうかがった。

●『創造』をベースに、さらなる進化を

 コーエーテクモゲームスよりプレイステーション4、プレイステーション3、PC用ソフトとして発売されるシミュレーションゲーム『信長の野望・創造 with パワーアップキット』(『パワーアップキット』単体版も発売)。内政、軍団、合戦などさまざまな点で改良が加えられた本作は、『創造2』と呼べるほどの内容になっているという。今回は、コーエーテクモゲームスの小笠原賢一プロデューサーに、本作の強化点についてうかがった。

コーエーテクモゲームス
小笠原賢一プロデューサー
『真・三國無双』の立ち上げにメインプランナーとして関わり、『信長の野望 Online』ではディレクターを務める。近年は、プロデューサーとして『討鬼伝』を立ち上げた。

──内政についての詳しい情報を8月末に公開されました。ファンの方からの反応はいかがだったでしょうか?

小笠原 「待っていました」という反応と、『創造』の時点で欲しかった、という反応の両方がありました。会戦の部分に関しては、「ちょっと考えていたものと違った」、「もっと操作したかった」といった声や、軍団まわりで「自勢力が大きくなったときの内政への指示が物足りない」という声も寄せられました。また、内政部分に関しては意図して簡略化したのですが、箱庭のようなものを期待していた、といった意見もありましたね。

──内政に関しては、『革新』のときのようなものを希望する声があったと。

小笠原 そういったもろもろのご意見に対してしっかりと応えていこうと、『創造』のときも支城勢力でのプレイが可能になるパッチを当てたりもしましたが、『創造』のゲームシステムに合わせて内政や会戦を大幅に改修するためには、『パワーアップキット』という形で作り込んだほうがいいと考えて、今回の形になりました。

──『創造』のときは、回帰層も取り込むためにシンプルな作りにしたとおっしゃっていましたが、その方向性は変わらない?

小笠原 そうですね。『パワーアップキット』でいろいろな要素が追加されますが、内政などをコンピューターに委任することもできますので、シンプルに楽しむことはもちろん可能です。ただ、『信長の野望』は長く続いているシリーズですし、これまでいろいろな方向性のシリーズが出たことによってユーザーさんの好みも多様化しているので、なるべく多くの方が楽しめる形にしたいと思っています。

──どういう層を狙っていくのかというのは難しい問題ですね。『革新』や『天道』が好きだったという方もいれば、『全国版』が好きだったという方もいらっしゃるでしょうし。

小笠原 今回の『パワーアップキット』は、『創造』本体を核にしたものになります。そのうえで、過去のシリーズのいいところを取り入れて、内政や合戦がさらにしっかり楽しめるという作りにするつもりです。『創造』はシステムを『天道』までとガラッと変えたので、内容を詰め込み過ぎると、難しくなりすぎるという懸念がありました。ですからシンプルな作りにしたのですが、今回は『パワーアップキット』ということで、『創造』を経験してゲームに慣れている方も多いので、いろいろな要素を追加することにしました。会戦の強化については、2014年11月6日発売の週刊ファミ通で公開しますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

──期待していただきたいですね。では、内政面の強化についてうかがっていきたいと思います。

小笠原 まず、『創造』の城には本城と支城があり、城下町の拡張は本城のみ可能となっていましたが、今回は支城も含めたすべての城で、町作りができるようになりました。それは、築城コマンドで建てた城も同様です。発展させられる規模は領地の広さによって異なり、たとえば平地だと拡張できる区画が多いといった違いは出ます。また、もちろん本城のほうが、より大きく発展させられます。

──なるほど、内政の自由度がより増していますね。

小笠原 そのうえで、今回の内政は、“資源”、“改修”、“政策”という3つの要素がパワーアップしています。まず、資源の要素からお話ししますと、城ごとに、馬や温泉といった資源が出て、それに応じた施設を城下町に作ることができます。資源は始めから利用できるものがあるほか、巡察コマンドで見つけることも可能です。

──やはり温泉などは、現代のように出る場所が限られるのでしょうか?

小笠原 そうですね。また、出る可能性がある施設は土地ごとに異なり、ゲームを始めるたびに変わります。それは、ゲームをつねに新鮮な気持ちで遊んでいただけるように、との考えによるものです。前回も、一部の国人衆などの配置はゲームごとに変わっていました。

──今回はこの資源があるから、こういう町にしよう、といった工夫ができるわけですね。資源は数値で表されるものではないと考えていいでしょうか? たとえば、馬を500持っていて、使うたびになくなるのではなく、馬という資源があるから特定の施設が建てられるようになるという。

小笠原 その通りです。また、今回は城下町の改修要素も強化されていますが、改修にも資源が必要になる場合があります。では、続けて城の改修についてもご説明しますと、今回は城ごとに“用地”という改修規模を示す値が設定されていまして、大きな城ほど用地も広く、いろいろな改修ができるようになっています。わかりやすくご説明しますと、たとえば用地が10あった場合、10ポイントぶんの改修ができると。その10ポイントぶんを城門や天守といった各部位にどう割り振っていくかで、差が出てくるわけです。『天道』の城は順番に改修していくだけでしたが、本作ではどんな城にしたいかを考えながら改修できるのです。

──力押しに強い城、包囲されにくい城など、敵に合わせた城を作れるというわけですね。

小笠原 そうですね。攻めるための城、守るための城、国を富ませるための城、といった作りかたもできます。

──攻めるための城とは?

小笠原 部隊が城を通ったとき、『創造』では部隊の兵糧が回復します。『パワーアップキット』ではそれに加えて部隊を強化することも可能になり、たとえば四層天守が設置された岐阜城で補給を受けると部隊が強化される、といったことが起こるのです。

──城ごとの役割をより明確化させられるのですね。

小笠原 そうですね。内政面での強化の最後は、政策になります。政策は『創造』からの新要素で、ゲーム中盤から使ってもらえるように設計していました。ただ、支城勢力や弱小勢力ですと、なかなか使いづらかったということもありましたので、序盤から政策が活用できるようにバランスを見直しました。さらに、特定の大名家が持つ新政策も追加しています。

──政策を実行するにはたくさんの城を持っている必要がありましたから、大名家によってはなかなかハードルが高かったですね。

小笠原 ですので、今回は基準を城の数ではなく、人口の多さにしました。また、政策にかかる費用も人口に応じて変わるようになっていまして、それもあって、序盤から政策を使うことができるようになっています。

──序盤だとその費用を捻出するのがなかなかたいへんでしたね。

小笠原 大名の規模に応じてプレイスタイルに変化をつけるために政策を利用してほしかったので、『創造』ではあえて費用を高くしていたのです。今回はゲームに慣れている方が多いので、最初から政策を活用できるようにしました。

──大名家の固有政策は、どの程度の大名家まで入っているのでしょうか?

小笠原 具体的には申し上げにくいのですが、有力な大名家や、特色が表現しやすい大名家に入れています。