写実的な表現が加わり、劇的に美しく
既報のとおり、スクウェア・エニックスから2015年3月19日に国内発売が決定した『ファイナルファンタジー零式 HD』。本日(2014年9月18日)から開幕した東京ゲームショウのスクウェア・エニックス、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア、そして日本マイクロソフトの各ブースでは試遊台が出展されている。
ここでは、東京ゲームショウ出展バージョンのプレイインプレッションと、プレイ動画を公開。プレイ動画はモニターを直撮りしたもののため、参考程度に。だが、それでもHDクオリティーの一端は感じ取れるはずだ。
使用武器や攻撃方法が異なる14人のキャラクターが登場する『FF零式HD』。今回の試遊で操作できたのは、エース、セブン、レムの3人だ。まずは、3人の特徴を簡単に紹介しておこう。
エースの武器はカードで、通常攻撃が飛び道具になっているので安全な位置から攻撃しやすいキャラクターとなっている。試遊では“デッキオープン”という固有のアビリティが使用でき、実行するとカードをストックした後、さまざまな追加効果を持つカードを投げられる。
セブンの武器は鞭剣という伸縮自在の武器。延ばして攻撃すれば飛び道具のように使うこともできるし、剣のまま接近戦もこなせる器用なキャラクターだ。試遊では、“キャッチ”というアビリティを使えば、鞭剣を延ばして相手を拘束でき、そこから相手を引き寄せたり、相手に急接近できたりと、テクニカルな立ち回りができる。
レムの武器はダガー。エースやセブンに比べるとリーチが短いが、隙の小さな連撃で素早く斬り込める。また、レムは魔力が高いことが特徴となっており、接近戦よりは魔法を使った中~遠距離戦を得意とする。試遊では3種類の魔法が使用できた。
ミッション内容はストーリーの序盤、“トゴレス要塞攻略戦”とほぼ同じ内容のもの。ミッションが開始されると、まず最初にオリジナル版との画質の違いに驚かされた。美麗なHD画質と言ってしまうのは簡単だが、オリジナル版をたっぷりと遊んでいた私からすると、あまりの画質の進化に、別のゲームでもやっているのではないかと思ってしまうほどだ。右スティックでカメラを操作できるようになっている点も見逃せない。『FF零式』のバトルはアクション性が高く、複数の敵に囲まれる場面もあるので、カメラの操作がしやすくなるだけでかなり遊びやすくなる。
『FF零式』を語るうえでは、“キルサイト”の存在も欠かせない。キルサイトは、おもに敵が隙を見せた際に表示されることがあるアイコンで、表示中に攻撃を当てれば通常よりも遥かに大きなダメージを与えられる。大画面で操作できるようになり、敵の動きが見切りやすくなったので、試遊ではキルサイトも狙いやすくなったように感じた。
ミッションをクリアーした時点で試遊は終了。オリジナル版は、ほぼやり尽くしたと自負している私だが、ハードが変わるだけでまったく新鮮な気持ちでプレイできることに驚いた。単純な移植ではなく、ゲームバランスの調整なども入るようなので、既に遊んだことがあるプレイヤーも十分に楽しめるだろう。ボリューム、ストーリー、バトルといずれの要素も高水準の作品なので、未プレイなら『FF零式』に触れるまたとないチャンスだと言える。とくに、展開の読めないストーリーは必見。うーん、早くHD画質の魔導院を練り歩いてみたいなぁ。
(文・堤教授)