さまざまな面で進化した次世代アドベンチャーゲーム

 Xbox Oneで2014年に発売予定の科学アドベンチャーシリーズ第4弾『カオスチャイルド』。同作の体験版がXbox Oneの発売日である2014年9月4日に配信されたので、そのプレイリポートをお届けします!

 まず、科学アドベンチャーシリーズとは、シリーズ第1作『カオスヘッド ノア』が2009年に発売され、その後に『シュタインズ・ゲート』、『ロボティクス・ノーツ』が発売されている大人気アドベンチャーゲームシリーズ。作品の特徴として、“科学”がストーリーの重要なキーワードになっている点と、『カオスヘッド ノア』では渋谷、『シュタインズ・ゲート』では秋葉原、『ロボティクス・ノーツ』では種子島というように、実際にある街が舞台になっていて、それぞれがリアルに再現されている点が挙げられる。ただし、科学アドベンチャーシリーズとはいうものの、ストーリーの直接的なつながりはあまりないため、どの作品から遊んでも楽しめるようになっている。

Xbox Oneでリリースされる科学アドベンチャーシリーズ第4弾『カオスチャイルド』体験版プレイリポート_01
▲ネット世界のリアルな描写も科学アドベンチャーシリーズの魅力のひとつ。この画面もどこかで見たことあるような。

 体験版のストーリーに関しては、ぜひ実際に遊んで自分の目で確かめてほしいので、すでに公開されているあらすじを紹介した後、本作の魅力の部分を中心に語っていこと思う。

■あらすじ
 2015年9月7日。自宅で生放送中の男性が突然死する事件が発生する。同9月19日、ストリートライブ中の女性が歌いながら死亡する事件が渋谷で発生。猟奇的で奇妙なこの事件に興味を持った碧朋学園新聞部部長、宮代拓留は取材を続けていた。ふとしたきっかけで奇妙な一致に気づいた拓留は、クラスメイトで親友の新聞部員、伊藤真二に相談を持ちかける。拓留が気づいたことというのは、2009年に起こった連続猟奇殺人事件“ニュージェネレーションの狂気”第1、第2の事件と、今回の事件の日付が一致していることだった。副部長の来栖乃々は偶然を主張するが、彼女を制するように拓留が話を続ける。「……偶然かそうではないかはすぐにわかるよ。ニュージェネ第3の事件が起こったのは、9月29日。つまり……今日だ」。直後、拓留のスマホが鳴る。発信者は、尾上世莉架。ドクンと高鳴る胸を押さえ、拓留は一行とともに世莉架が伝えた現場へと向かう……。

 というように本作は『カオスヘッド ノア』のエンディングから6年後の渋谷を舞台に物語が展開する。猟奇的な事件が物語に中心となるので、多少グロテスクな描写もあるもののストーリーが非常に魅力的で怖いと思いながらも先が気になってついつい進めたくなる。またXbox Oneになってハードの性能がアップしたことと、本作よりシナリオに『輪廻のラグランジェ』などで有名な梅原英司さん、演出に『劇場版シュタインズ・ゲート 負荷領域のデジャヴ』で監督を務めた若林漢二さんが参加していることもあり、演出などさまざまな面がパワーアップ。いままで以上に惹き込まれるようになっている。

Xbox Oneでリリースされる科学アドベンチャーシリーズ第4弾『カオスチャイルド』体験版プレイリポート_02
Xbox Oneでリリースされる科学アドベンチャーシリーズ第4弾『カオスチャイルド』体験版プレイリポート_03
▲シリーズで初めて過去作と同じ渋谷を舞台にしていることもあって、過去作(とくに『カオスヘッド ノア』)のファンはニヤリとするような要素が多数盛り込まれている。

 科学アドベンチャーシリーズでは毎回ユニークな方法で物語が分岐していくが、『カオスチャイルド』では『カオスヘッド ノア』と同じく妄想トリガーが採用されている。妄想トリガーとは物語を進めているとポジティブの妄想とネガティブの妄想のふたつを行える場面が登場する。そこで選んだ妄想によって物語が分岐していくというものだ。猟奇的な事件が多数起きる本作では、緊迫した場面が続くことが多いのだが、そんなときに妄想トリガーが出現。ポジティブな妄想を選ぶとそれまでの雰囲気から一変してありえないような笑える展開やちょっとエッチな展開になる。逆に学校で何気ない日常のシーンでも、ネガティブな妄想を行うと急に大事件が起こったりするのだ。この感情のコントロールがうまく、ときには息抜きに、ときには物語に集中させたりといったようになっていて非常におもしろい。また妄想もバリエーション豊かでどれも楽しく、体験版はストーリーの序盤ということもあって選択によって物語が大きく分岐することはないようなので、選択の場面でセーブを行い両方の妄想をみることをおすすめする。

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▲同じシーンでもポジティブとネガティブの妄想の選択によって大きく内容が異なる。

 体験版の終盤には『カオスチャイルド』で追加されたマッピングトリガーという新システムも体験できる。このシステムはそれまでに起きた事件を渋谷の地図上に貼り付けていくというもの。正しい場所に写真や情報を貼り付けることで物語が進行していく。プレイヤーが実際に行う操作としては、「第一の事件の現場写真は?」というようなセリフのあとに複数ある写真の中から適切なモノを選択する。行うことはとてもシンプルだが、キャラクターたちとともに改めてストーリーを整理することができるので、物語の理解を深めるという意味でも非常に重要なシステムになっている。ちなみに体験版では間違った情報を貼り付けようとしても、間違いを指摘され選び直しになるが、物語が進行すると間違ったまま貼り付けられてしまい、そのままバッドエンディングにつながることもあるらしい。

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Xbox Oneでリリースされる科学アドベンチャーシリーズ第4弾『カオスチャイルド』体験版プレイリポート_10
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▲マッピングトリガーは地図にプレイヤー自身で写真を当てはめていくので、非常にわかりやすくいままで起きた事件の状況を整理できる。

 体験版はマッピングトリガーで事件の関連性が見えてきて、続きがとても気になるところで終了になる。それでも第一章がまるまる遊べるということで、ボリュームは十分。本作の魅力を十二分に体感できる内容になっていた。科学アドベンチャーシリーズのファンの人も、いままでシリーズを遊んだことない人もXbox Oneで無料配信される体験版をぜひ一度遊んでみてはいかがだろうか?


カオスチャイルド
メーカー 5pb.
対応機種 XOneXbox One
発売日 2014年11月27日発売予定
価格 通常版:7800円[税抜](8424円[税込])、限定版:9800円[税抜](10584円[税込])
ジャンル アドベンチャー / SF・科学
備考 企画・原作:志倉千代丸、プロデューサー:松原達也、メインキャラクターデザイン:ささきむつみ、サブキャラクターデザイン・制服デザイン:松尾ゆきひろ、メインシナリオライター:梅原英司、シナリオ監修:林直孝、演出:若林漢二、音楽:阿保剛、ディレクター:松本裕介、協力:ニトロプラス