F1における60年の歴史で最大級のルール変更を反映

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 2014年10月2日(木)、世界に先駆けて日本での先行発売が予定される、コードマスターズのプレイステーション3、Xbox360用レースゲーム『F1 2014』。フォーミュラ1のオフィシャルゲームである本作だが、今シーズンのF1で運用中の新ルールや新マシンがどのように反映されているのか、ゲーム内容の一部が新たに公開された。プレイステーション3版の試遊インプレッションも交えてお伝えしよう。

 今季のF1では、60年の歴史のなかで最大とも言われるレギュレーション変更が行われ、シーズン後半戦に突入したいまでも話題にのぼるほどの騒ぎとなっている。技術規定では、エンジンが1.6リッターV6ターボに統一されたことが最大の変更点。ほか、従来の“KERS(運動エネルギー回生システム)”が熱エネルギーも回生する“ERS”へ進化した点や、安全対策でノーズ先端の高さが引き下げられた点にも注目が集まる。『F1 2014』では、以上の変更がすべて反映されているそうだ。

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▲技術規定の改定で、ノーズ先端が低くなった今季のマシンを忠実に再現。
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▲昨年まで2本出しだった排気管も、規約変更に伴い中央1本に集約された。

 一方、競技規定では、最終戦で入賞するとポイントが通常の2倍という、まるでクイズ番組のような新ルールが制定され、関係者やファンを驚かせた。ほか、1レースで使うことのできる燃料が100kgまでに制限されたり、規約違反したドライバーの新ペナルティ制度が採用されるといった改定も。これらの変更点も本作では反映されているという。

 もちろん、マシンやドライバー、サーキットのデータも、今シーズンのものに更新されている。たとえば、キミ・ライコネンはフェラーリに移籍済みで、F1初参戦のケビン・マグヌッセンも登場。今秋に初開催されるロシアGPのコースも先取りして収録、といった具合だ。マシンについては、カラーリングやゼッケンナンバーが今年仕様にアップデートされているのは言うまでもなく、前述の規定変更に伴い一新されたデザインも反映されている。

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▲新スポンサーのマルティニカラーを纏ったウィリアムズ(ただし、アルコールの広告であるため、ゲーム中ではカラーリングを一部修正しているとのこと)。
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▲雨の上海を走るのは、今季ザウバーに移籍したスーティル。

Very Easyモードの追加で初心者にも遊びやすく

 さて、ここからは試遊インプレッションも交えつつ、ゲームの内容を紹介していく。特筆すべきは難度設定に“Very Easy”が追加されたことだ。

 本作で6作目となる『F1』シリーズはシミュレーション性が高く、世界最高峰のレースをリアルに再現しているがために、操作やマシンの挙動が本格的で、初心者にはハードな印象があった。たとえば、コースアウトしてタイヤが砂を拾うと、グリップ性能が低下するところまで再現されているので、ヘタだからコースアウトしたというのに、コース復帰後はよりテクニカルな操縦を求められるという状況が生まれてしまっていた。そのため、はじめてのプレイでは1周するのもタイヘンというプレイヤーもいたのだ(←筆者のことだが)。

 本作でも再現性の高さはそのままだったが、“Very Easy”を選べば、誰でもラクに1周することができると感じた。ブレーキアシストやトラクションコントロールなど、各種アシスト機能ががたいへん強力なので、ゲームには自信がないがF1が好きという理由で購入するユーザーでも、十分遊べるハズだ。

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 ただ、初心者でも曲がれるよう、コーナー手前で自動的に減速してくれるといったレベルのアシストであるため、コンマ1秒を詰めることはできないし、ブレーキを我慢してのオーバーテイクは実現不可能。上達するうちに、アシストを不要に感じるようになるだろう。初心者の場合、最初は“Very Easy”で操作やコースに慣れ、自分の成長に応じてアシストを少しずつ解除していき、最後にはリアルなF1の世界を体験するという楽しみ方ができるのではないだろうか。もちろん、上級者は最初からアシストなしで、F1ドライバーさながらのドライビングを楽しんでほしい。

 ちなみに、本作ではシリーズ初の“評価テスト”が導入されている。これは、前作の“ヤングドライバーテスト”に代わるもので、ユーザーは右回りのコースを1周走るだけ。すると、自動的にユーザーのドライビング能力が計測され、オススメの難度が表示されるというものだ。腕に覚えのあるプレイヤーなら“Hard”の評価を勝ち取るべく挑戦してみては?

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1シーズン7レースのお手軽モードも登場

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 豊富なゲームモードが用意されている本作。現在公開されているのは、シーズンを通してF1を戦う“キャリア”、課題にチャレンジする“シナリオモード”、最大16人での対戦が楽しめる“オンライン”、1台のゲーム機で2人対戦が楽しめる“スプリットスクリーン”の4種類だ。

 このうち“キャリア”は、プレイヤーが新人ドライバーとしてF1世界選手権にフル参戦し、ドライバーズ・チャンピオンシップの獲得を目指すというモード。前作までは全19レースを戦っていたワケだが、今作から期間をショート(7レース)、ミディアム(12レース)、フル(19レース)のなかから選べるようになった。全19戦を追体験する醍醐味も、7戦で1シーズン戦った気になれる手軽さも、どちらも自由に選択できるのだ。F1ウィークエンドを19回通して遊ぶには、かなりの時間と集中力が必要なので、ショートを歓迎するプレイヤーも少なくないと思う。

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