イベントは終始アットホームな雰囲気に包まれた
2014年8月10日（日）、神奈川県・横浜にあるアニメイト横浜店にて、声優、アーティストとして活躍する今井麻美さんの13thシングル『追憶の糸車』の発売記念イベントが開催された。大きな拍手とともに登場した今井さんは「うっかり飴を舐めたまま出て来ちゃったので、噛むまで少しお待ちいただけますか（笑）」と自由な雰囲気でイベントがスタート。そして今回のイベントはテレビの取材が入っているので、「取れ高が十分になるまではがんばりたいと思います」と宣言した。
さっそく、“取れ高のために使えるトークを”ということで『追憶の糸車』の話題に。今回のシングルは2ヵ月連続リリースの第1弾となっていて、最初に話を聞いたときには「誰と間違えているのかな？」と感じたと語る今井さん。というのも、今井さんが小中学生のころに人気アーティストが何ヵ月連続リリースといった企画を行っており、子ども心に「すごいなぁ」と感じていたそう。「それをまさか自分がやらせていただけることになるとは……」と驚いたという。ただ驚いた理由にはもうひとつあり、1年のある程度のスケジュールを書いた“年間計画”をもらってはいるものの、まったく見ていないため、打ち合わせの際に今井さんだけ状況がわかっていないことがあるとのことなのだ。今回もその状況だったそう。この驚くべき告白に、会場からは「えーーー」や「ヒドい（笑）」という声が上がり、今井さん自身も動揺を隠せない様子だった。
そしてここからは、会場に集まったファンからの質問コーナーへ。ひとつめは"ベストアルバムは発売しないのでしょうか？"という質問。それに対し今井さんは「（収録する曲を）サイコロで決める？」というまさかの提案をすると会場からは笑い声が漏れる。その後に、ベストアルバムはどういう位置づけなのかということになり過去のアルバムを順に振り返り始めた今井さん。「『COLOR SANCTUARY』、『Aroma of happiness』、『Precious Sounds』、『この雲の果て』、それで今年出るやつ、あ……」と2014年にもアルバムが発売されることをポロリ。このまさかの発表に大きな歓声が上がった。ただしベストアルバムではなく、イベント後に今井さんと彼女の音楽プロデューサーである濱田智之氏に取材したところ、現在制作中のアルバムは、今井さん自身初のアコースティックアルバムになるとのことだった。なお、ベストアルバムに関しては、たとえばデビュー50周年などの区切りのいいタイミングで全曲入りのBOXを出したいと野望を語っていた。
続いての質問は"『追憶の糸車』の歌いかたがいつもと違うような気がするが、意識したことは？"という質問。『追憶の糸車』は非常に難しい楽曲とのことで、今井さん自身、何が難しいのかはよくわかっていなかったとのこと。しかし、完成した曲を知人に聞いてもらった際に、音程をとるための音が少ないため難しい楽曲だということを告げられ得心。ただし、レコーディング時には感覚でしか難しさがわからなかったため、とにかく必死に収録に臨み、「どうやったら切ない気持ちが伝わるのかとなどいろいろ考えた結果が、この歌いかたにつながったと思うので、そう感じてもらえたというのはすごくうれしいです」と語った。
また『風と猫のStoria』も難しい曲で通常の楽曲とは構成が異なるとのこと。通常は“1A→1B→サビ→2A→2B→サビ……”という構成が多いが、“1A→1A'→2A”となっていて最初に歌詞を見た際に「あれ、１番のサビは？」と感じたそう。ただそのトリッキーな構成が、“猫”がテーマになっている同曲にあっているような気がすると今井さんは答えた。
その後はライブコーナーへ。『追憶の糸車』の前奏が流れると、それまでの雰囲気から一変。質問コーナーでも語っていたように、切ない気持ちを込めながら歌唱し会場のファンを魅了していく。逆に『風と猫のStoria』は、間奏で手拍子を煽るなど、観客とやり取りを行いながら楽しそうに歌い上げた。
そしてライブパートが終わると恒例のジャンケン大会へ。見事勝利した3人に今井さんのサインと猫のイラスト入りのポスターがプレゼントされた。ジャンケン大会が予想より早く終わってしまって時間があるということで、会場後方まで挨拶をしていくと提案した今井さん。ステージを下りて前から順番に最後列まで歩きつつファンとのコミュニケーションを楽しんだ。そんな今井さんが「ぜんぜんステージにいる気がしなかった」と語ったように、終始アットホームな雰囲気に包まれたままイベントは幕を閉じた。
