イシイジロウ氏vsマドックのライバル対決も実現!
2014年8月25日、東京・お台場の東京カルチャーカルチャーにて、人狼ゲームの“異種格闘技戦”を行っている“Ultimate Werewolf Federation”(以下、アルティメット人狼)主催による、“アルティメット人狼 2014 SUMMER ゲームクリエイターvs役者”が開催された。出演者は、『428 〜封鎖された渋谷で〜』など知られるイシイジロウ氏が主宰する“ゲームクリエイター人狼会”と、人狼を題材に即興劇を行う人狼のスペシャリスト“人狼TLPT”の役者陣。イベントは、会場に集まった約100人の観客(前売りチケットは約3分で完売!)による観覧に加え、ニコニコ生放送でも中継が行われ、ニコニコ生放送では、96000人を超える約10万人の来場者が来るほどの盛り上がりとなった。
■おもな出演者
●ゲームクリエイター人狼会
●人狼TLPT
今回のアルティメット人狼は、しばらくニコニコ生放送のタイムシフトで観られるとのこと。そもそも人狼の戦いを文章で詳しく解説するのも無粋かと思うので、本リポート記事では、今回行われた戦いの見どころをピックアップしてお届けしていく。本リポートをご覧になりながらも、もし「そもそも人狼って何?」という人狼をご存じない方がいらっしゃったら、まずこちらの記事をご覧いただければ、ざっくりと人狼のルールがわかるはずだ。また、たとえ詳しいルールがわからなかったとしても、今回のアルティメット人狼をご覧いただければ、ルールも、魅力もすぐにわかるはず。最低限のルールを知った状態で、舌戦をくり広げる人狼の戦いを見れば、このゲームの魅力の虜になること間違いなしだ。
・“アルティメット人狼 2014 SUMMER ゲームクリエイターvs役者”視聴ページは→こちら
■第1戦
1戦目はまだ様子見ということもあってか、静かなスタート。しかし、1日目の終盤に動き出す。1日目の投票ギリギリでマドックが予言者を名乗ると、対抗として大野氏も予言者を名乗る。そして、ポイントは2日目。コーダの提案で霊媒師を名乗ろうという流れになり、一斉に霊媒師を名乗るタイミングで立ち上がったのはサミー。「霊媒師を名乗るのはひとりか?」と思った瞬間、すぐにコーダも霊媒師を名乗る。コーダは予言者を名乗っているふたりから人間認定をされていた人物。しかも、コーダが霊媒師を名乗った瞬間に、この霊媒師を出す流れは、自分以外の偽霊媒師を名乗り出させる引っ掛けだったという。さて、真の霊媒師は誰なのか!?
■第2戦
2戦目は、お酒を飲んでいることもあって、真意が読みづらい外山氏を占おうという提案から動き出す。その提案に対し、外山氏は「それは無理だよ、だって……」と自身が能力者であることを示唆。その後、予言者としてイシイ氏、キャシーも名乗り出す。2戦目の見どころは、最終夜。宿命のライバルと言える、イシイ氏、マドック、そして森本氏の3人になり、イシイ氏とマドックはお互いが人狼だと考え、森本氏を味方につけようと舌戦をくり広げる。困惑する森本氏だが、最後に選んだのは新選組の姿に扮していたマドック。投票で死を迎えることになったイシイ氏は、マドックに介錯を頼む。この三つ巴こそ、人狼ゲームの真骨頂。この結末は、ぜひご自身の目で確かめてほしい。人間、人狼、果たして勝ったのは……!?
■第3戦
3戦目では、小高氏の「予言者が女性だったら名乗り出る」というおもしろい提案で動き出す。女性の中から予言者を名乗り出たのはドリス。一方、男性からも藤澤氏、イシイ氏が名乗り出る。イシイ氏は、“3人目の予言者が名乗り出るリスク”を説くが……(予言者などが名乗り出る場合、遅くなるほど信用を得づらい)。1戦、2戦ではゲームクリエイター人狼会のメンバーが比較的残っていたのに対し、3戦目では人狼TLPTのメンバーが本領発揮。ゲームクリエイター人狼会のメンバーがつぎつぎと姿を消していく展開になる。そして、ここでも見どころは最終夜。残ったのはエスター、デイジー、そして外山氏。人狼酔拳の使い手と言われる外山氏は、最終戦ということもあって、ベロンベロンに酔っ払った状態。エスターとデイジーのどちらが外山氏を味方につけるか注目される中、まさかの結末が!
というわけで、かなりダイジェストにして見どころをお届けしてきたが、実際の試合はもっともっと見どころ満載。誰がどういう役職で、どういう論理を展開するか。それぞれの思惑が渦巻く中、おもしろい視点で相手を論破するシーン、全員を納得させる見事な論理、そして素知らぬ顔で潜むテクニックなどは、まさにゲームクリエイター、そして人狼TLPTならでは。この配信のタイムシフトが観られる人は、ぜひ最初から最後まで観ていただきたい。また、今回のアルティメット人狼を主宰する眞形氏いわく、年内に次回開催も考えているという。ぜひその次回開催にも期待したいところだ。
最後に、試合が終わったばかりのメンバーの中から、ゲームクリエイター人狼会の方々にコメントをいただいたので、そちらをお届けする。なお、コメントの中に今回の試合のネタバレが入っているので、もしこれから試合をご覧になる方は、その後にお読みいただければ幸いだ。
ゲームクリエイター人狼会主宰 イシイジロウ氏
じつは始まるまではTLPTのワンサイドゲームになるのかなと思っていたのですが、ゲームクリエイター人狼会もしっかり戦えて、1戦目2戦目はどちらかと言うと優勢に戦いができたということで、ちょっとビックリしています。ですが、もしかしたらTLPTの方々が手を抜いてくれた可能性もあるので、次回やるとしたら、お互い、向こうも本気でさらに高いレベルの勝負ができればなと思っています。僕たちももっと高いレベルを目指したいと思っています。
B.B.スタジオ 大野聡氏
ふだんゲームを作っている人たちがゲームをするというのが、コンテンツとして成立するのかなと心配もあったんですが、たくさんの視聴者の方に観ていただいて、しかもすごく盛り上がってくださったようで、うれしいです。ゲームクリエイター人狼会としては、今後もTLPTの方だけでなく、いろいろな方と人狼をしていきたいと……イシイさんも思っているはずです!
スパイク・チュンソフト 小高和剛氏
じつは一昨日、半年ぶりに人狼をやったくらいのご無沙汰でした。『ダンガンロンパ』のようなゲームを作っていると頭よさそうだから、すごい立ち回りをするんじゃないかと思われていたと思うんですが、そこで、あえてああいう風に振る舞うことで、“ギャップ萌え”を狙ったという。たぶん僕のファンがうなぎ上りで増えたんじゃないかなと。ギャップに萌えてください。ありがとうございました!
スクウェア・エニックス 藤澤仁氏
ゲームを作っている人間がゲームをやったときに本当に強いのかというのは、皆さんが気にされると思うんです。一生懸命やったんですが、本当は人狼側は苦手なのに、どういうわけか3回連続で人狼を引いてしまって苦しい状況でした。でも、仲間ががんばってくれて、奇跡の3連勝で終わったのでよかったです。
ゲームフリーク 森本茂樹氏
今日は単純に楽しんでました! それで、2戦目活躍できてよかったです。ちゃんと最後まで魅せれる感じで作れたんじゃないかと思っています。TLPTの方が人狼になる機会が少なくて、そこら辺は残念でしたね。ありがとうございました。
ソニー・コンピュータエンタテインメント 外山氏
自分自身はめちゃくちゃですみませんという、ご迷惑をおかけしたと思いますが、お客さんが笑ってくれたりとか、そういうエンターテインメントの基本ということに触れられて楽しかったです。ありがとうございました。
見事な試合を見せてくれたゲームクリエイター人狼会と人狼TLPT。どちらが勝った……というものではないが、1戦目、2戦目でゲームクリエイター人狼会のメンバーが多く残っていたのは、大健闘と言えるだろう。ぜひ次回の戦いも心待ちにしたい。ちなみに、「次回が待てない!」という方は、2014年9月に人狼TLPTが新選組をモチーフにした人狼を開催するので、そちらをチェックしつつ、次回を待っていただきたい!
・人狼TLPT公式サイトは→こちら