Xbox Oneは進化を前提としたハード

 2014年8月13日(水)~17日(日)の5日間、ドイツ・ケルンのケルンメッセにてヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2014が開催。会期中にマイクロソフトによるプラットフォーム関連のセッションが行われた。Xbox Oneは毎月アップデートを実施し、機能を拡充させているが、今回のセッションは、今後2ヵ月以内にXbox Oneに実装される新機能について紹介するもの。アップデートは、いずれもユーザーのフィードバックなどを受けて実現するもので、まさに“進化するハード”としての面目躍如といったところだろう。プレゼンを担当してくれたのは、昨年に続き(⇒記事はこちら)プロダクトダクト・プランニング・ディレクターのアルバート・ペネロ氏と、プログラム・マネージメント・ディレクターのデイビット・デニス氏のふたり。

フレンド機能の拡充やガイドボタンの復活など、今後2ヵ月で実装されるXbox Oneのアップデートを先取り紹介【gamescom 2014】_01
▲昨年に続き、ハードまわりのプレゼンをしてくれたマイクロソフトのアルバート・ペネロ氏(左)とデイヴィット・デニス氏(右)。

 新機能のひとつは“Friend”機能の拡充。ダッシュボードに“フレンド”の項目を追加し、フレンドまわりの情報を一括して確認できるようになる。フレンドのページでは、友だちのゲーム履歴や実績の獲得ランキングも表示。たとえば、「このひと月でもっとも実績を獲得しているのは誰か?」といったランキングを確認できる。また、友だちがTwichなどで投稿した記事も表示されており、“いいね”を押すこともできる。コミュニティー要素がより拡張されるとの印象だ。

 ふたつめがガイドボタンの復活。こちらは、「Xbox 360のときのようなガイドボタンを復活してほしい」とのリクエストに応えて実装されるもの。Xbox Oneでもゲーム中にガイドボタンを2回クリックするとメニューが出現し、メールを閲覧したり、“スナップ”の機能を楽しんだり……といったことが可能になる。“スナップ”というのは、ゲームを遊びながらアプリを楽しめるというXbox Oneならではの新機能。ガイドボタンの復活は、“スナップ”の利便性を高めるということにもつながりそうだ。

 そして3つめが、パーソナルメディアとの連携。ハードディスクなどをUSBで接続することで、ハードディスクに入っている映像や音楽などをXbox Oneで楽しめるようになる。こちらは、エンターテインメント機能の拡充と言えるだろう。

フレンド機能の拡充やガイドボタンの復活など、今後2ヵ月で実装されるXbox Oneのアップデートを先取り紹介【gamescom 2014】_02
▲こちらは従来のダッシュボードのホーム画面。2ヵ月以内に行われるアップデートでは、“Friend”のタグが追加される。

 先ほども触れたとおり、ユーザーのフィードバックを活かす形で、毎月アップデートを実施しているXbox One。「バランスを取りながら、順次アップデートの優先順位を決めています。基本は、ファンの皆さんがほしいものは、私たちがXbox Oneに必要だと思っている機能でもありますね」とペネロ氏。まさに“ユーザーファースト”の姿勢を貫いていると言える。

 Xbox 360のアップデートが年2回だったのに対して、Xbox Oneは毎月。アップデートに対してさぞやたくさんのスタッフを増やしているかと思いのほか、さほどでもないという。その理由はハードにある。Xbox 360が発売されたのは2005年で、いまほどテクノロジーは充実していなかった。Xbox 360に新機能を追加しようと思うと、けっこうな手間がかかったのだという。それで、年2回のアップデートが限界という側面もあったようだ。一方、Xbox Oneは、アップデートを前提としたマシン設計になっているので、機能を充実させるのも比較的容易。システムに汎用性があり、大きな負担をかけずにバージョンアップを果たせるのだという。Xbox 360を経て、Xbox Oneは、まさに“進化するために作らえたハード”と言えそうだ。

(取材・文 編集部/F)