パッチ2.35や2.4の話題も。『新生FFXIV』中国での展開などを吉田直樹氏にインタビュー【ChinaJoy 2014】

中国・上海で開催されたゲームイベント、ChinaJoy 2014に出展していた『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』。吉田直樹プロデューサー兼ディレクターにメディア合同インタビューする機会を得た。記者たちから投げかけられた質問を通じて、吉田氏は中国における運営の流れや目前に控えたパッチ2.35の詳細など新たな要素をいくつも語った。そのすべてをお伝えしよう。

●中国での手応えとタイトルのこの後を語る

 中国・上海で8月3日まで開催されたゲームイベント、ChinaJoy 2014に出展していた『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』(以下、『新生FFXIV』)。吉田直樹プロデューサー兼ディレクターにメディア合同インタビューする機会を得た。記者たちから投げかけられた質問を通じて、吉田氏は中国における運営の流れや目前に控えたパッチ2.35の詳細など新たな要素をいくつも語った。そのすべてをお伝えしよう。
 なおインタビュー中に話題が飛ぶことが多かったため、内容を整理するために編集を行っている。実際にやり取りされた順番および言い回しとは異なる部分があるのでご了承願いたい。
(2014年8月2日収録)


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▲吉田氏の口ぶりから、中国での展開に確かな手ごたえを感じていることが実感できた。

●『FF』と『新生FFXIV』は中国でも高い認知度を誇っていた

──会場内でミコッテのコスプレをした方々を多く見かけましたが、あの方たちは公式のコスプレイヤーさんですか?
吉田直樹氏(以下、吉田) そうです。中国では12人のミコッテチームを結成し、オフィシャルのサポートチームとして活動しています。
──(現地で運営を担当している)盛大遊戯(シャンダゲームズ)のスタッフたちなのでしょうか。
吉田 盛大遊戯さんが用意した専門のモデルさんたちです。かなり大がかりなオーディションを行ったみたいなので、とてもクオリティが高かったですね。


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▲『新生FFXIV』のブースは、まさに黒山の人だかり。来場者は熱い視線を大型スクリーンに向けていた。

──盛大遊戯は運営を担当しているのですか?
吉田 そうです。開発はすべて我々のほうで行います。ただし、ゲーム内でのライブイベントやGMサポートなどは、盛大遊戯さんにお任せしています。
──初めて他社との協業になるわけですが、メリットとデメリットをお聞かせください。
吉田 我々は中国の文化に関する知識が乏しいので、中国のことがわかっている会社さんにお任せすることについては絶対的なメリットがあります。とくに盛大遊戯さんはオンラインゲームで成長してきた会社ですので、運営、数字分析、GMサポート、ユーザーコミュニティなどの面でとても高い実績があります。そうした土壌に『新生FFXIV』をそのまま置けるというのは、とても大きいことだと思っています。
──中国の運営会社の優れた点とは?
吉田 数字分析とそれを受けての即時施策については、一日の長があるなと感じました。また中国はどの国よりも、インゲームライブイベントが多いなとも感じています。ものすごい数のGMを起用して、全ワールドでイベントを行ったりしていますね。
──中国のプレイヤーの反応はどうですか?
吉田 中国では『新生FFXIV』以上にクエストなどがオートマチックに進むゲームが多いのですが、その点は僕がゲームらしさを考えて、あえてこれ以上のカジュアル化をしませんでした。「本作の(実際に自分で操作して目的地を訪れる)クエストやコンテンツの難易度、導線を通じて、ゲームというものの楽しさを思い出した」というプレイヤーの答えを見て、盛大遊戯さんはとても喜んでおられました。オートマチック性の低さは中国で指摘されがちな部分です。吉田が突っ張ったので、盛大遊戯さんも不安だったことと思います(笑)。
──今回のイベントで印象的だったことは?
吉田 アルテマウェポンチャレンジに参加してくれた方に、「ゲームパッドを使いたいのですが、用意してありますか?」と聞かれました(笑)。中国ではマウス&キーボードで操作される方ばかりなのですが、将来はゲームパッドでプレイする方が増えるのかも……とひそかに期待を寄せています。


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▲試遊台ではウルダハの街中でキャラクターを自由に操作できたほか、アルテマウェポンと戦うバトルチャレンジイベントも開催されていた。

──そもそも『FF』シリーズの知名度は、中国では高いのでしょうか?
吉田 『FF』シリーズが中国で発売されるのは今回が初めてなので、本当はよく知らないはずなのですが、皆さんとても詳しくて(笑)。ステージイベントで僕が、「モーグリが初めて登場したのは何作目ですか」というクイズを出したのですが、即答されましたよ。プレイヤーの熱意は、グローバル版を遊んでくれている方々と少しも変わりませんね。


●βテスト版のアカウント稼働率は、驚きの98%!

──中国でのβテストの状況を教えてください。
吉田 今回は最大同時接続を50000まで規模を広げて、テストを行っています。それに向けて、約70000のアカウントを発行しました。だたし無料配布ではなく、アカウントを購入していただく手法を採っています。中国では従量課金制を採用しており、サービス開始後に、今回お支払いいただいた金額分が無料でプレイできる流れになります。この試みは中国でも異例のパターンなので、どれくらいの人が参加してくれるのかと、盛大遊戯さんはドキドキしていたようです。中国のメディアさんの話によると、「いま中国のゲームシーンはファストフード文化になっている」らしく、ちょっとつまみ食いをしてすぐにほかのゲームに移ってしまう人が多いとのことです。このため、課金が始まる前に人が減ってしまうので、大型のゲームが作りにくくなっているという話をよくお聞きしました。そうした流れに対応するには、小規模なゲームを頻繁にリリースして収益を挙げる……という流れになりがちなのですが、盛大遊戯さんの戦略は、そうではありません。おカネを払ってでも『新生FFXIV』をプレイしたいという、コアプレイヤーの方々に軸足を置いたものになっています。運営初期の数字に固執するのではなく、ロイヤルユーザーをしっかり作ってから、無料を重視する人たちに入っていただく戦略で、とても勇気のいることだと思いますし、それだけ真剣に取り組んでいただいています。


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▲これまで積み重ねてきた実績を背景とする盛大遊戯の誠実な運営姿勢に、吉田氏は全幅の信頼を寄せている。

──アカウントの売れ行きはどうですか?
吉田 中国のさまざまなサイトを介して、(テスト実施の日付ごとの)プロダクトキーを販売していったのですが、アクセス過多のため、すべてのページがダウンしてしまったそうです。最後に残された2000個のプロダクトキーを百度(バイドゥ)さんとのコラボレーションで販売したのですが、そのサイトもダウンで……。百度さんのサイトが落ちるほどのアクセス数ですから、それは相当なものだったとのことです。
──トータルでいくつ売れたのですか?
吉田 約70000アカウントです。誤解のないように補足させていただきますが、これしか売れなかったのではなく、用意していたテスト用のアカウントが、瞬時に売り切れた、という意味になります。
──従量課金はいつから始まるのですか?
吉田 オープンβテストからになります。なぜかというと、中国ではパッケージや流通という考えかたがなく、オープンβテスト開始が正式サービススタートとほぼ同じ意味合いを持つからです。ですので、その直前直後のタイミングに合わせて、PRを大々的に実施するという計画になっています。
──最終的には1時間当たりの料金はいくらになる?
吉田 8月中旬には発表する予定です。
──これまでのβテストの手ごたえはいかがですか?
吉田 昨日、速報ベースのデータを盛大遊戯さんに見せていただいたのですが、アカウントのアクティブ率は98%でした。クライアントソフトを販売した場合であっても実際にプレイされる方の割合は80%程度ですから、ふつうのMMORPGではありえない数字ですね。盛大遊戯さんによれば、どのデータもこれまで取り扱ってきたゲームの中ではいちばんいい数字とのことです。
──ワールドの数や仕組みは日本と同じですか?
吉田 中国にはふたつの大きな通信会社さんがあって、それらを軸にデータセンターが設置されているイメージです。さらに地域によって、それぞれデータセンターがあり、ワールドがぶら下がるという感じです。さすがに広大な中国大陸ですので、日本とは異なります。
──今後のスケジュールはどのような感じですか?
吉田 現在実施しているクローズドβテストが8月4日までで、その最終日にインゲーム内で8月25日にオープンβテスト開始と発表になります。


●中国版はパッチ2.16+αのバージョンで開幕!

──中国版とグローバル版の違いはどこですか?
吉田 基本的には違いはありません。じつは、僕が『新生FFXIV』を担当するようになった時点で、盛大遊戯さんとの契約が成立していました。『旧FFXIV』の当時の状況で、契約自体が危うくなりかけていましたが、僕は『旧FFXIV』を何とかするのと同時に、中国でのロンチを実現させることもマストな条件と当初から考えていたので、盛大遊戯さんとはそれ以来のお付き合いです。『新生FFXIV』はグローバル水準を目指して開発してきましたし、中国もその中に含まれているので、特別に中国にだけ対応しているということはありません。ただしチートやツールに関するチェックは通常よりも一段きびしい処理を入れています。これらが中国で正常に機能するようであれば、グローバル版に順次適用していく予定です。ちなみに、中国版はパッチ2.16からスタートしますが、パッチ2.16の状態から何も変えずに始めてしまうと、アラガントームストーンの取得難度がプレイヤー経験とズレてしまいます。そうした部分については、きちんと開発側で調整を行い、中国版運営スタートにふさわしいバランスにしてあります。


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▲パッチ2.16といえば、特殊技の予兆のデザインが変更されたアップデートと記憶している人も多いはず。

──1年後くらいには、グローバル版と同じバージョンが中国でプレイできるようになるのですか?
吉田 サーバーダウンはMMORPGにとって非常に大きな問題ですが、従量課金制を採用している以上、中国運営ではよりいっそうの安定度が望まれています。ですので、盛大遊戯さんの本音を代弁すれば、グローバル版のパッチが安定してから中国版に入れたいと思っているはずです。とはいえ、プレイヤーの皆さんは当然ながら最新版で遊びたいと思っているはずなので、難しいところではあると思いますので、盛大遊戯さんとディスカッションしつつ、決めていくことになると思います。
──たとえばフロントラインだけ先行公開することは可能なのでしょうか?
吉田 『新生FFXIV』の場合、特定のコンテンツをパッチから切り出し、先行して別のパッチに導入するのは絶対に不可能です。コンテンツを導入する前提で開発されたシステムが大量にあるので、それらの一部分だけを前倒ししてリリースすると、確実に不具合が発生します。この不具合をしらみ潰しに修正していくと、結果的にスケジュールだけが遅れますし、結果、先行する意味がなくなってしまいます。
──中国はほかの国よりも、コンテンツの消費速度が高いといわれますが、この点はいかがでしょう?
吉田 ご存知のとおり、本作にはどんなに時間をかけてプレイしても超えられないラインが設けてあるので、あまり心配はしていません。仮に中国の方が24時間遊び続けたとしても、アラガントームストーン:神話は1週間に300個以上手に入らないです。とはいえ、たとえば中国版でモブハントが公開されたときに、実際に運営開始からの時間経過が短い場合、同盟記章の交換品の中に“神話装備”を入れるのは早いのではないかということも考えられます。その場合には、調整を加える可能性はあります。先ほどもお話をしましたが、コンテンツに手を加えるのではなく、あくまでも運営の側で調整していくというのが基本です。
──中国版ならではのローカルルールのようなものは存在するのですか?
吉田 未成年者の中毒防止に関する法律に従い、国民番号を登録しないとゲームがプレイできないようになっています。併せて、低年齢の方が3時間以上プレイを続けると受益が半分まで減り、5時間を経過するとそれがゼロになる仕組みも導入されています。一定時間が経つと「そろそろ時間なので休みませんか」といった警告が表示されるようになっています。これは法律ですので、中国で運営する場合には必須対応です。ほかにも、パブリックフィールドでPvPゾーンに入る際に「これから人どうしの戦いが起きます」といった一文も中国政府のレギュレーションです。『新生FFXIV』の場合は、コンテンツ内で完結しているので必要ありませんでしたが。こうしたものはローカルルールになりますね。


●中国でのPS4版『新生FFXIV』発売は、現時点では“壁が多い”状況

──10年ぶりに中国ではコンシューマーゲーム機が解禁になるわけですが、それがもたらす効果を吉田さんはどのように予測していますか?
吉田 中国はコンソールゲームではなくオンラインゲームの市場なので、少なくともXbox OneとPS4はどちらもオンラインゲーム用のハードであるべきと僕は考えています。そのためには、それぞれのハードメーカーさんが、中国の各ゲーム企業さんときちんとしたパートナーシップを組む必要が出てきます。ですがハードメーカーさんはライセンス企業なので、販売や製造にロイヤリティを必要とするのがこれまでの市場原則です。しかし、中国は完全に新規市場ですし、中国のゲームコミュニティは、すでに中国のゲーム会社さんが抱えている状態です。ですので、ハードメーカーさんにロイヤリティをお支払いしてまで、まだ普及していないハードに対してゲームを制作するのか、この点は今後大きなポイントだと思います。その後、きちんと収益を挙げられるビジネススキームを確立できるかどうかが、安定的にゲームを発売するための鍵になるはずです。僕個人の意見としては、初動で一気に普及するというより、こうしたビジネス上のポイントが回避でき、ソフトが多数揃ってから爆発する時期がくる、という印象を持っています。
──将来的なPS4版の発売は、現時点では否定的ですか?
吉田 いいえ。もちろん出したいとは思っていますが、超えねばならないビジネス上のカベはまだ高い、というのが実情です。先ほどお話をした、ハードメーカーさんと中国ゲーム会社さんのパートナーシップの締結しだいだと思います。またサーバーの所有の問題など、ほかにもさまざまな問題が予想されますので、じっくり見ていきたいというのが現状になります。
──ではどうすればいいのでしょうか?
吉田 世界には楽しいゲームがたくさんあるので、それらを中国の方々に遊んでもらうことで、垣根がなくなってほしいと願っています。そのためには、各社が利害を一度捨ててでも(中国での展開を)広げたほうがいいという意識を前面に出すべきかなと思っています。とはいえ、グローバルで組み上げてきたルールやレギュレーションを簡単に覆せない事実も理解しているので、そのあたりを今後どうしていくのかが、やはり最大の焦点かもしれません。
──中国でPS4版を発売する際の具体的な問題点は?
吉田 グローバル版と同様のクロスプラットフォームを実現させたいので、盛大遊戯さんとSCEさんとのあいだで協業を考えていただくことになります。(プラットフォームに応じて遊べるワールドが)別々というのは、『新生FFXIV』のポリシーとしてNGと考えています。


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▲中国でコンシューマーゲーム機を普及させるには、企業間のグローバルなルール変更が必要と吉田氏は述べていた。

●そのほかの中国での予定を個別に聞いた

──中国ではいわゆる萌えキャラではなく、見た目がシュッとした姿が好まれるようですが、この部分が種族の選択に影響を及ぼしたりしていますか?
吉田 種族の比率は1位がヒューランで、2位がミコッテなのですが、両者のあいだは数%の開きしかありませんでした。ルガディンも12%と、かなり多かったですよ。
──キャラクターのボイスはどうなるのですか?
吉田 グローバル版で楽しめたボイス入りのシーンについては、すべて中国語の音声が入ります。
──中国でプロデューサーレターLIVEを放送する予定はありますか?
吉田 時期が訪れればあり得ると思っています。
──正式サービス開始後のアップデート計画についてはいかがですか?
吉田 盛大遊戯さんと、現在協議中です。
──極タイタン討滅戦を問題なくクリアできる程度の回線品質を中国で確保できているのでしょうか?
吉田 中国全土にデータセンターを設置しています。お住まいの地域で、もっとも回線品質の高いデータセンターを選んでキャラクターを作ってくださいという形式になっています。
──たとえばチベットや新疆ウイグル自治区でプレイすることも可能なのでしょうか?
吉田 どうでしょう……。回線品質と技術上のサポート、速度計測からは可能です。あとは盛大遊戯さんのポリシーしだいです(笑)。
──ワンタイムパスワードやスマフォのアプリなどは、中国で導入されるのですか?
吉田 アカウントシステム周辺については、すべて盛大遊戯さんにお任せしてあります。なぜなら中国でプレイされる方はすべて、盛大遊戯さんのアカウントを取得して、そこからログインすることになるからです。我々は『新生FFXIV』の繋ぎ込みまでを担当。そこから先は盛大遊戯さんの分担になっています。ちなみにゲーム開始時のラウンチャーも盛大遊戯さん製作です。ワンタイムパスワードも、盛大遊戯さん用のものがあります。
──今後、グローバル版で中国語を表示させることが可能になりますか?
吉田 クライアントやサーバーが別のものになっているので、グローバル版では表示できません。
──すると逆にいえば、中国版の情勢に応じた独自の調整などが可能ということですか?
吉田 ゲーム体験の差を生じさせたくないので、コンテンツの違いを作るつもりはありません。ただし例外がふたつあります。ひとつは季節イベント。たとえば正月は、中国では旧正月なので、日本とは開催時期が違ってきますし、内容も異なります。そしてもうひとつは、ゲームバランスです。中国版とグローバル版ではスタート時のバージョンが異なるので、運営開始から運営期間による数値面のズレは出ます。このポイントは、我々が中国版用にサーバー側の数値を調整するなどしています。


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▲将来的には、中国の風習をモチーフにした季節イベント&専用コスチュームがグローバル版に“逆輸入”されることがあるのかもしれない。

──中国版『新生FFXIV』の最終的な目標は?
吉田 まずは最低でも100万アカウントは達成したいです。ちなみに中国版オリジナルのコレクターズエディションの発売も検討しています。完全にファンアイテムという位置付けの商品で、サービスが開始して以降、いちばん盛り上がっているタイミングで発売しようと考えています。
──今後のグローバル展開についてはいかがですか?
吉田 近々、何か発表できるかなとは思っています。
──どれくらいの近さですか?
吉田 今月中です。そのタイミングで、つぎのリージョン展開についてお話できるかなという感じです。


●gamescom 2014ではプロゲーマーが蛮神に挑むイベントを開催

──日本に帰国した後、またすぐgamescom 2014に参加するべくドイツに向かわれるのですね。
吉田 日曜日(8月10日)まで日本にいた後、月曜日の午前0時の便で現地へ向かう予定です。パッチ2.35のチェックを終えて、すでに調整指示は出してあるので、その結果を来週中に確認。その後、ドイツに向けて出発する流れになると思います。
──gamescomではどのような催しが開かれますか?
吉田 蛮神バトルも行いますが、ドイツではさらにPvPイベントを開催しようと思っています。また今回はステージもかなり大きなものになっていて、スクウェア・エニックス本体のブースとは別に、(ヘッドセットの人気メーカーの)Turtle Beachさんと協力して、いわゆるPCゲーマーゾーンに初進出しています。その場所でPvPイベントと、蛮神チャレンジバトルを両方行います。蛮神チャレンジバトルのほうは、『新生FFXIV』の超コアゲーマーと、プロゲーマーに近い人たちを招いての実演を行う予定です。
──プロのゲーマーが蛮神と戦うのですか?
吉田 彼らがプレイしてクリアタイムを出したうえで、ほかのプレイヤーの皆さんにタイムで挑戦してもらう企画です。どちらかというと、ゲーマー側のすごさや、『新生FFXIV』には挑戦のしがいのあるエキサイティングなコンテンツが多数ある、ということを周知するのが目的です。こういうイベントは、日本ではなかなかできませんのでお国柄ですね。Turtle Beachさんのブースを訪れる方々はコアゲーマーばかりなので、プロの腕を見せ付けるような催しを開きたいと、ドイツの(『新生FFXIV』の運営)側からリクエストを受けました。
──PvPというのはフロントラインですか?
吉田 はい。8人対8人対8人で対戦していただきます。実際のゲーム上では、幸いにもご好評いただいているので、まだなかなか実現しづらい人数による対戦です。72人でバトルを行うと、入れ替えや機材の準備などの面で問題が発生するので、24人によるプレイにしました。まずは最初にトレーニングしてもらい、2時間おきにトーナメント戦を開催するイメージです。
──各勢力の優勢ぶりを競うわけですね。
吉田 そうです。その模様を巨大モニターで中継します。
──賞品はどのようなものを準備しているのですか?
吉田 いろいろご用意しています。Tシャツや光るリストバンドなどを準備して、ドイツならではの盛り上げかたをしようと思っているところです。
──新情報の発表はあるのですか?
吉田 FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2014の開催を控えているので、そこに向けて準備をしています。


●14時間生放送は、3つのプログラムが並行して放映される!

──正式サービス開始1周年記念として予定されている14時間生放送は、どのようなものになりますか?
吉田 見知った顔が双頭状しつつ、いろいろなゲストも招いて放送する予定です。そしてその裏で、アシスタントディレクターの高井浩が、14時間ひたすらアートマを集めるといった企画なども考えています(笑)。このノリが好きであれば、ゲーム業界の方も飛び入りでぜひ、という感じです。14時間継続して行われる本放送とは別に、時間帯によっては裏番組をふたつオンエアします。3つのプログラムが同時に進行するので、どうぞお好きな放送にチャンネルを切り替えて楽しんでくださいというイメージです。


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▲高井さんがアートマを集めるシーンをインターネットで生中継する。想像しただけでも楽しい(恐ろしい?)企画が進行していた!

──14時間生放送の日時は決まりましたか?
吉田 8月23日のオンエアを予定しています。土曜日でないと、みなさんが視聴できないと思いますので。PC/PS3版『新生FFXIV』のアーリーアクセスが8月23日から始まったので、そこをいちおうの正式サービス開始にしようかなと。
──フリートライアルキャンペーンを、PS3版やPS4版でも行う予定はありますか?
吉田 SCEさんと調整したうえで行おうと思っています。
──時期はいつごろですか?
吉田 ホリデーシーズンにあえて合わせたほうがいいのかなと、現在話をしているところです。
──この夏はひとまずPC版で開催、ということですね。
吉田 はい。とはいえ我々の側は、PS3とPS4版で同様のキャンペーンを行う準備はすでにできているので、急に実現することもありえます(笑)。


●吉田氏がモブハントにおける調整の基本姿勢を語った!

──パッチ2.35やパッチ2.4の情報は、いつごろ公開する予定ですか?
吉田 難しいところですね……。パッチ2.35ではモブハントの調整が入ります。またPvP周辺のバランス調整も同時に行われます。ちなみにコンテンツの公開は、パッチ2.35とパッチ2.38の双方でそれぞれ行う予定です。
──モブハントの調整における基本方針は?
吉田 先日行われた“FINAL FANTASY XIV: Full Active Time Event in SENDAI”(仙台F.A.T.E.)の会場で、「なぜモブハントは、時間をかけるだけで済む人が得をするコンテンツなのですか?」とご質問をいただきました。しかし、たとえば1日に10数時間プレイしている方からすると、「時間をかけるだけ」というのは、失礼にあたるのかなと。高難易度コンテンツをたやすくクリアできる方に「プレイヤースキルが高いだけで」も同じように失礼です。双方、その裏にある努力を否定してしまうのと同じです。プレイヤースキルの高い方たちは高難度コンテンツに挑戦。一方で時間をかけてプレイできる方は、それに適したコンテンツをプレイしてもらう……そういう思想です。ただ、いまのモブハントはすべてのランクの報酬がよく見えてしまい、結果としてソロ用、パーティ用という分けかたができなくなってしまいました。ですので、この点を「より時間をかけてリワードを得てゆく」人向けと、「毎日コツコツとソロでモンスターをハントし、報酬を目指していく」という人向けに、しっかり再調整するのが基本方針です。
──リスキーモブとデイリーモブでは、それぞれ異なる要望が存在するようですが、これらへの対応は?
吉田 別々の対応を考えています。包括的な部分でも調整を加えるので、それを見ていただければ「そういうことなのか」と思ってもらえるはずです。もともとモブハントは、コツコツと遊ぶことに力点を置いて作られたコンテンツです。Sランクはモブが出現したらみんなで集まって戦ってもらうためのもので、Aランクはその中間。現時点では、ひとりでBランクのモブを狩って稼ぐ部分が崩れているので、そこを本来のデザインに戻すための調整を加えます。


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▲ソロでもコツコツ遊べるというモブハントの当初のコンセプトに立ち返るための変更が、今後のパッチで予定されているのだ。

──SとAランクについては、手を加えない?
吉田 Sランクのモブが出現すると大勢の冒険者が集まる事態については、もともとそういう想定で作っているので、そのままでいいかなと思っています。ただし、現在はすべてのランクのモブを追いかけるぶん、それに時間を取られるため、コミュニティの中で「コンテンツに行きたい人と、モブハントに行くメンバーが分かれちゃう」という声が高まっているのも把握しています。その部分についても、Sランクの討伐にとことんまで入り込む方たちと、「シャウトが見えてからでいい」という方々に分かれることで解決が図られる……そのような流れを生み出せる対策を行っていこうと考えています。


●フロントラインのバランス調整はアクションを中心に行われる

──フロントラインの調整内容はどのようなものですか?
吉田 基本は、PvPにおけるジョブ間のバランス調整です。全体的な部分においては問題ないと思っているので、かなり細かい部分の変更になります。突出している特定のアクションやPvPアクションの効果を再調整しようと思っています。当然ですが、PvEのシーンにはまったく影響が及びません。


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▲「PvPは調整を加えないと廃れていくコンテンツ」と過去に述べていたとおり、吉田氏は今後も積極的にフロントラインに手を加えていくつもりのようだ。

──ヒーラーが硬すぎるという意見も散見しますが?
吉田 ヒーラーは敵軍から真っ先に狙われるロールなので、頑丈さはある程度必要です。そうでなければ、ヒーラーをプレイしている人は、ストレスばかりになってしまいます(笑)。
──キャスター系のジョブがリミットブレイクの詠唱をフェイクで用いる作戦が流行っているようです。
吉田 じつは、フロントラインの開発当初は、リミットブレイクの範囲が表示されない仕様でした。気づいたらメテオが降ってくるという状況が多かったので、現在の形になっています。威嚇のような使いかたに対して、どのような調整を行うかは、現在検討中ですので、方針が決まりしだいお伝えできると思います。。一方で、遠隔DPSのレベル1のリミットブレイクを発動しても、相手を一発で倒せないため、パーティ内で事前に意思疎通なしで使うのはもったいないなあ、と。ヒーラーふたりに範囲回復魔法を使われると、ほぼHPが全快してしまうからです。事前にしっかり使う局面やイメージを共有して使うか、レベル2までしっかり待って使うほうが効果的ですね。
──では吉田さんならば、近接DPSのリミットブレイクをどう使いますか?
吉田 相手のパーティが2ヒーラーの場合、近接DPSのリミットブレイクで一方を、他方を残りのDPSで集中というのがいちばんでしょうか。あとは皆さんもやっている、システムへのダメージです。ここぞ! という局面で、相手を一気に落とすには、近接DPSのリミットブレイクはぜひ視野に入れてください。
──いまでも吉田さんは、フロントラインを楽しんでいるのですか?
吉田 皆さんと同じ公開ワールドで、いま200戦以上プレイしてます。黒魔道士のほか、パーティ構成に応じてヒーラーやタンクもやっています。


●パッチ2.4でアイテムレベルが引き上げられる!

──パッチ2.4の全体的なイメージを教えてください。
吉田 双剣士と忍者の実装が最大のポイントになります。そういう意味では、キャラクター育成の楽しみが入ってくるのは大きいと思います。大迷宮バハムート:完結編も入りますし、アイテムレベルも引き上げられるので、ゲーム内の経済もまた一変すると思います。新たなアイテムも山盛りでリリースされますので、「忍者を育てたいけど大迷宮バハムートも行かなきゃ」と迷っていただけるはずです(笑)。一方で、新たに超える力が導入されるコンテンツもありますので、カジュアルに遊んでいる方はそちらのほうにも目を向けてもらいたいです。


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▲忍者を育てたいけど、楽しいコンテンツが目白押しで取り掛かれない! そんなシーンがパッチ2.4で訪れるのだ。

──アイテムレベルはどれくらい引き上げられるのですか?
吉田 それほど極端な引き上げにはなりません。パッチ2.2の時点をイメージしていただければと思います。一方で物語の面においては、パッチ2.0シリーズのかなり佳境に入ってきます。拡張パックに向けてのヒントといいますか、最後の衝撃に向けての後半戦に突入するので、ストーリーにもぜひご期待いただければと思います。
──パッチ2.4の公開時期はいつごろですか?
吉田 いままでのリリースのペースとあまり変わらないのではと思います。


(2014年8月2日収録 取材:編集部 構成:Mainai)