尚玄さんが身体作りのために落とした体重は16キロ! 

 2014年8月2日、ファインフィルムズにより東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で、実写映像『ストリートファイター 暗殺拳』の1回限りの特別劇場公開が行われた。その上映イベントに、本作の出演者である尚玄 (しょうげん)さん、カプコン『ウルトラストリートファイターⅣ』プロデューサーの杉山晃一氏、カプコン『ウルトラストリートファイターⅣ』アシスタント・プロデューサーの綾野智章氏が登壇。ここでは、そのトークの内容をお伝えしよう。

実写版『ストリートファイター 暗殺拳』が劇場公開 上映イベントでプロデューサーから語られた“実写化してほしいキャラクター”とは_02
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▲『ウルトラストリートファイターⅣ』プロデューサーの杉山晃一氏(左)と、アシスタント・プロデューサーの綾野智章氏(右)。
▲作中で若き日の“剛拳”を演じた尚玄 (しょうげん)さん。

 『ウルトラストリートファイターIV』CMの上映後、登壇した綾野氏は観客に向けて「現役で『ストリートファイター』シリーズのゲームをプレイしている方はどれくらいいるのでしょうか」と挙手を求めた。半数以上が手を挙げたことに「今回の実写化ではいろいろなゲームの技も出てきているので、こだわりのポイントを語ってウケるのなかと心配していました。これなら大丈夫でしょう、よかったです」と少し安心した様子であった。

――まず、実写映像を観た感想を教えてください。
杉山晃一氏(以下、杉山) 先ほど綾野が言ったように、アクションシーンで“リュウ”の“鎖骨割り”などのゲームの技がたくさん出てきます。そこに監督の「ゲームが好きだ」という想い、愛が感じられました。
綾野智章氏(以下、綾野) 作中で、“リュウ”の鉢巻きが白から赤に変わるシーンがあるのですが、これがゲームの公式の設定がそのまま再現されていました。スタッフがすごく勉強されいることがわかって、うれしかったですね。

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――ゲームへの愛に溢れている作品なのですね。では、今回の作品で“ツボ”にハマったキャラクターはいますか。
杉山 僕は“豪鬼”ですね。プロゲーマーに“ときど”さんという豪鬼をよく使われていている方がいらっしゃるのですけど、作中で豪鬼が上目遣いでにらみをきかせている姿が、ときどさんがゲームをプレイしているときの“マーダーフェイス”を思わせました(笑)。また、豪鬼はダークな設定のキャラなのですが、その豪鬼がヒューマンドラマを演じるということが見所でしたね。
綾野 僕は“轟鉄”ですね。じつは、カプコンの資料をみてもよくわからないキャラクターなので(笑)、今後ゲームで轟鉄を出すときには、今回の作品の影響があるかもしれません。とてもいいおじちゃんだなと思いましたね。

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――おふたりが今後実写化してほしいというゲームのキャラクターはいますか。
杉山 ダルシムです。実写で“ビョーン”ってなっているのを観たいですね(笑)。
綾野 今回の作品は『ストリートファイターII』以前のストーリーです。豪鬼が“殺意の波動”に堕ちていくさまが描かれ、リュウも殺意の波動に目覚めそうになっています。その“先”のダークな物語での豪鬼とリュウを、スピンオフという形で観てみたいです。

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――尚玄さんにお聞きします。“剛拳”を演じるにあたり、どのような役作り、身体作りをされたのでしょうか。
尚玄さん(以下、尚玄) 2013年1年に役が決まったのですが、そのとき別の仕事があったので体重を64キロまで落としていたんです。現場に入ったときは僕がいちばん身体が細かったということもあって、本作の撮影時には81キロまで増量をしました。

――杉山さんと綾野さんは、尚玄さん演じる剛拳をご覧になっていかがでしたか。
杉山 剛拳って昔イケメンだったんだなあって思いましたね(笑)。正直に申し上げますと、“ケン”役のクリスチャン・ハワードさんを観た後に尚玄さんを観ると、“細い”という印象もありました。しかし、そのことが“まだ殺意の波動に目覚めていない”剛拳にハマっていたのかなとも思っています。
綾野 ゲームでの剛拳がハゲてしまったのは、精神的なストレスによるものなかと思いました(笑)。作中では過酷な運命に翻弄されていますからね。

――尚玄さんは『ストリートファイターII』をプレイされていたとのことですが、お気に入りのキャラクターはいましたか。
尚玄 “ガイル”が見た目がかっこよくて、技もダイナミックで好きでした。“リュウ”もよく使っていましたね。
杉山 使うときには、“しゃがんで待っている”というスタイルですか。
尚玄 そうです、ちょっと姑息ですよね(笑)。

――尚玄さんが『ストリートファイターII』のキャラを演じるにあたり、監督から指導はありましたか。
尚玄 すごく細かい指導がありました。現場ではYoutubeにアップされている動画を観て、とにかく“型”を練習していましたね。

――今回、その“型”を見せていただいてもいいでしょうか。
尚玄 では、ポスターの剛拳のポーズをします。ちょっと恥ずかしいですね(笑)。

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▲剛拳のポーズをとる尚玄さん。少しはにかんで笑うことも。

 DVD『ストリートファイター 暗殺拳 コンプリートエディション』は2014年10月2日に発売予定で、店頭・インターネット上で予約が開始している。DVDには“本編コンプリートバージョン”が150分(劇場公開版は101分)収録される。

 また、本作に登場したキャラクター“剛拳”がプレイできるXbox 360、プレイステーション3用ソフト『ウルトラストリートファイターIV』は2014年8月7日に発売する。なお、DVD『ストリートファイター 暗殺拳 コンプリートエディション』には、『ウルトラストリートファイターIV』で使える新たな“特別称号名”と“特別称号コード”が入った特典が封入される予定とのことだ。

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 ここで綾野氏から、カプコンのゲームクリエイターの小野義徳氏もよくやっているという、“昇竜拳”のポーズをみんなでしましょうと提案があった。登壇者の3名は少しはにかみながら、綾野氏の高らかな“昇竜拳”の声とともに技をくりだし、観客からは拍手が贈られた。

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▲みんなで“昇竜拳''。

 杉山氏と綾野氏が語ったように、『ストリートファイター 暗殺拳』はゲームそのままの技や“構え”を観ることができる、『ストリートファイター』に多大なリスペクトを捧げている作品だ。本格的なアクションだけでなく、ゲームの設定を生かしたヒューマンドラマをDVDでも堪能してほしい。

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(取材・文:編集部/オスカー岡部)