圧倒的物量とクオリティーで描かれる大人のダークファンタジー

 国内ではスパイク・チュンソフトから発売予定のプレイステーション4、およびXbox One用ソフト『ウィッチャー3 ワイルドハント』。E3 2014では、開発元であるCD PROJEKT REDがメディア向けにゲーム序盤約40分にわたるプレイデモを公開。その内容を紹介しよう。

 本作では、世界中で高い評価を受けたファンタジーアクションRPG『ウィッチャー』シリーズの最新作。きびしい訓練と突然変異で驚異的な戦闘能力を得た魔物退治の専門家“ウィッチャー”のひとりであるゲラルトの冒険劇が描かれる。本作はプレイヤーの行動などによって分岐するマルチシナリオやマルチエンディングシステムを採用。フィールドはオープンワールドとなり、その広さは前作の約35倍! だという。戦闘では剣を使ったアクションのほかに、ウィッチャーの扱う特殊能力や罠などを駆使して戦うことになる。

 デモは、まず主人公、Geralt of Rivia(ゲラルト)がNovigradという街へ行くところからは始まる。ゲラルトは、グリフィンのアタマを携えており、それを居酒屋にいる情報屋(?)に渡すと、ある情報がもらえることになっているという。ゲラルトが知りたい情報とは、頬に傷のある女性について。情報屋からは、その女性についての消息を知ることはできなかったが、遠く離れたノーマンズランド(誰も住まない場所)に行き、ジョニーという人物を見つけるように言われる。

『ウィッチャー3』序盤の約40分のデモで見えた物語の一端と新世代のクオリティー【E3 2014】_07
『ウィッチャー3』序盤の約40分のデモで見えた物語の一端と新世代のクオリティー【E3 2014】_01
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 そこでゲラルトは、Novigradの街からノーマンズランドを目指すことになるが、本作は前述した通り広大なオープンワールドゆえに、この街からノーマンズランドまでは、馬を飛ばしても15~20分もかかる(同席した多数のメディアからは「マジかよ!(笑)」といった笑い)らしい。ただ、一度行った場所へはワープできるようで、行き来は楽になる。

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 ここで、ゲラルトの装備をチェック。シルバー・ソードは動物と戦う際に、スティール・ソードは人間を相手にした時に力を発揮するという。

 危険なノーマンズランドで、立ちはだかる異形のモノたちを蹴散らし、ジョニーの手掛かりを追う。ウィッチャーであるゲラルトは、ある特殊能力を持ってり、それを発動すると足跡や血糊などの手掛かりが赤く表示される。この能力を使ってジョニーを無事見つけるゲラルト。

 ところが、ジョニーに会ってみると、ジョニーは声を失っており、逆に助けを求められる。ジョニーとの細かいやり取りはよくわからなかったが、ある山をを目指すことになり、その山頂では大鷲のような生き物の急襲に遭う。そいつらをクロスボーで狩ると、何やらツボをゲット。そのツボを持ってジョニーのところに戻ると、ツボに封印されていた“何か”のおかげで、ジョニーが声を取り戻す。

 ここで、ゲラルトとジョニーの会話があるのだが、ジョニーは小生意気なガキ、といった感じで、強面のゲラルトに物怖じせずズケズケと言い放つ様はユーモラスで、デモを見ていたメディアからはクスクス笑いが漏れていた。

 とりあえず、ジョニーは声を取り戻せたお礼に、頬に傷を持つ女性の捜索に協力してくれることに。ジョニーの祖母は占い師(?)のようなことをやっているというので、祖母の家へ向かう。祖母の家の中には、3人の女性が描かれたタペストリー(?)があり、その3人の魔女がさまざまな情報を明かす。そしてある村へ行くように言われるのだが……。

 その村で、村に被害を及ぼしている悪の存在と戦ったりといったクエストをこなして村に戻ると、その報酬(?)としてある村人が片耳を切り落とす。このあたりの詳細は不明だが(ゲラルトも「なぜ、耳を切り落とすんだ?」と聞いていたが。もちろんクールに。そしてメディアからも笑いが)、この村とタペストリーの魔女に何らかの因縁があったのかもしれない。

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 その耳を持って3人の魔女のもとへ戻ると、ジョニーの祖母の家の前にはタペストリーの中にいた女性とは似ても似つかない怪物のような魔女が3人(これが真実の姿?)が待っていた。切り取った耳を渡すと、そこでようやくゲラルトが捜している女性は自分たちが助けたと教えてくれる。そして、彼女たちの話から、その女性がエルダーブラッドを継いだ者であることがわかる――。

 と、いったところで、今回のデモは終了。今回紹介されたのはメインストーリーの導入部分といった感じで、英語が堪能ではない筆者にはちょっとツライ内容ではあったが、物語の展開はとても興味深いものだった。また、ダークファンタジーの世界観、広大なフィールド、水中を泳いだりといった多彩なアクションなども確認できた。今回、とくに印象に残ったのはフェイシャルの素晴らしさ。ハードボイルドな主人公ゲラルトは、表情豊かとは言えないが、目を細めたり、ちょっとした視線の動きでしっかり演技できており、クリント・イーストウッドを彷彿とさせる名演っぷり。そういえば、一匹狼の主人公が馬に乗って旅をして、さまざまな冒険をくり広げるあたり、西部劇っぽいイメージとも重なったり。海外での発売は2015年。物語の続きは気になるが、またもう少し辛抱が必要なようだ。

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