『キングダム ハーツ -HD 2.5 リミックス-』最新PVの意味深なシーンはいったい!?――Co.ディレクター安江泰氏に訊く【E3 2014】

すでに日本での発売は2014年10月2日と発表された『キングダム ハーツ -HD 2.5 リミックス-』(以下、『KH -HD 2.5 リミックス-』)。現在開催中のE3 2014会場のスクウェア・エニックスブースにて、本作のCo.ディレクター安江泰氏に『KH -HD 2.5 リミックス-』の現状や最新情報をうかがうことができたので、ここでお届けしよう。

●『KH』チームが手掛けるからこそ実現できた、こだわりのHDクオリティー

 すでに日本での発売は2014年10月2日と発表された『キングダム ハーツ -HD 2.5 リミックス-』(以下、『KH -HD 2.5 リミックス-』)。海外での発売時期は北米が12月2日、欧州では12月と発表され、最新トレーラーも公開されている。

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 今回は、現在開催されているE3 2014(※)会場のスクウェア・エニックスブースにて、本作のCo.ディレクター安江泰氏に『KH -HD 2.5 リミックス-』の現状や最新情報をうかがうことができたので、そのインタビューをお届けしよう。

※E3……アメリカ・ロサンゼルスにて毎年開催されている世界最大級のゲーム見本市。2014年は6月10日~6月12日(現地時間)に開催。



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『キングダム ハーツ -HD 2.5 リミックス-』のCo.ディレクター安江泰氏。

――シリーズで初めてHD化され、昨年発売された『KH -HD 1.5 リミックス-』ですが、ユーザーの反応はいかがでしたか?

安江 『KH -HD 1.5 リミックス-』は全般的に評判はよかったですね。ただ、HDリメイク映像化された『KH 358/2 Days』では、「バトルシーンがないとわかりづらい」というご意見をいただきました。ですので、『KH 358/2 Days』同様、HDリメイク映像となる『KH Re:コーデッド』では、バトルシーンをイベント化して追加しています。カットシーンで描かれるバトルは本作の見どころのひとつです。

――『KH -HD 1.5 リミックス-』は海外でも好評でした。海外は日本とは違い、携帯ゲーム機より据え置きゲーム機のほうがシェアは高いので、PS3で発売されるというのは海外ユーザーにはとくにうれしいのでしょうね。

安江 これまで海外のファンからご要望が多かった“ファイナル ミックス版”での発売ですから、それも大きいのかもしれません。

――では、国内発売も10月2日に決まった『KH -HD 2.5 リミックス-』についてうかがいます。開発状況はいかがですか?

安江 『KH -HD 1.5 リミックス-』のときは、最初、HD化というものをどういった方向性で進めようかと、悩んだところもあったのですが、今回はそういったことはなかったので比較的スムーズに開発を進めることができています。本作は『KHII』と『KH BbS』のよさはそのままに、モデルやテクスチャーをとにかくキレイにすることに集中できました。とくにPSP用ソフトだった『KH BbS』では、1キャラクター毎のテクスチャーの解像度を4倍くらい上げて、PS3のメモリーのギリギリのラインまでクオリティーアップしています。


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キングダム ハーツ バース バイ スリープ

――HD化は具体的にはどういった作業を?

安江 テクスチャーはデザイナーがほぼすべて描き直しています。ですので、意外とローテクなんです(笑)。プログラマーがテクスチャーをアップコンバート(ソフト制御で画像を綺麗にする技術)することもやっていますが、それだと思うようなデキにはならないんですよね。『KH』シリーズは、ディズニー作品っぽさを出すために、たとえばエアブラッシュタッチの滑らかなグラデーションや、色の鮮やかさに力を入れていますが、デザイナーの細かいテクニックが非常に重要になってきます。

――職人技の拠るところが大きいと、と。

安江 そうです。オリジナル版のそういったこだわりの部分は、HD化する際にも手作業でやらないと求めるクオリティーにならないんです。本作のデザイナーもそこにこだわって、コツコツと手作業を積み重ねたおかげで、いまではPS2版の『KHII』とHD版とを比べると、歴然とした違いがありますよ。

――キャラクターモデルもPS3用に調整を?

安江 キャラクターモデルに関しては、『KHII』はほぼそのままなのですが、PSP用だった『KH BbS』はPS3用に調整しています。『KH BbS』では、キャラクターがより端正な顔立ちになったほか、キーブレードのモデルも厚みを増すよう手を加え、立体感を出しています。アクアやヴェントゥス、テラなどのキャラは、ものすごく力をいれているので、とくに綺麗になっていますよ。

――『KH』チームだからこそ実現できるクオリティーになっているんですね。

安江 はい。なかでも顔の印象は野村(ディレクターの野村哲也氏)が敏感に反応するので、とくに気を使いました。

――『KH -HD 1.5 リミックス-』のときは、オリジナルのデータがない部分があり、その部分は手作業で埋めていった、といったお話がありましたが。

安江 じつは本作でも『KH -HD 1.5 リミックス-』ほどではないですが、少しありました(笑)。しかも、『KH BbS』は本作同様、大阪で開発していたのですが、それでも「あのデータはサーバのどこにあるんだ!?」なんてことがあり、けっきょくは作り直したほうが早い、ということも(笑)。

――自分たちが手掛けた『KH BbS』をHD化するという作業はいかがでしたか?

安江 懐かしい感じでしたね。いまプレイしてみても「ああ、よくできてたな」と自賛する部分もあったりして(笑)。僕を含めて、多くのスタッフにとって『KH BbS』は初めて開発した『KH』タイトルで、思い入れが強いので、みんな体力を消耗しきってとことんクオリティーを追求しました。

――操作まわりの調整は?

安江 もとの評判がよかったので、大きな変更はありません。『KH -HD 1.5 リミックス-』は『KHII』以降の作品に寄せた操作に調整しましたが、今回はその『KHII』以降の作品ばかりですからね。ただ、『KH BbS』はオリジナルがPSP用ソフトなので、PS3のDUALSHOCK 3用に、たとえばカメラ操作などはやりやすくなっていると思います。また、『KHII』では、4:3から16:9へ画面比率が広がった分、バトルはすごく戦いやすくなっていますし、迫力も増していると思います。


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キングダム ハーツII

――『KH BbS』の通信プレイは本作ではどうなっているのでしょう。

安江 PSP版ではひとりでじっくりプレイしている方が多かったこともあり、通信プレイ要素は対シングルプレイ用に調整し直しています。たとえば、敵の調整をしたり、クリアーするとボーナスが手に入るチャレンジ条件をバトル毎に設定したりしています。

――リメイク映像化された『KH Re:コーデッド』についてもうかがいます。先ほどおっしゃられたようにバトルシーンも映像化したとのことですが、それ以外では?

安江 『KH Re:コーデッド』に関しては、全体では約3時間の映像になっています。2時間分は作り直し、1時間分はもとからあった映像をキレイした、といったものになっています。作り直した2時間分には、『KH Re:コーデッド』のシナリオになかった、ほかの『KH』作品とつながるバックストーリーも入っています。それと今回もあらすじまでボイス付きになっていて、リッチになっています。


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キングダム ハーツ Re:コーデッド

■最新PVのあの会話はいったい!?

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――先日公開された『KH -HD 2.5 リミックス-』の最新PVには『KHIII』を匂わす意味深なイラストとそのキャラクターのやり取りなかで「ロストマスター」や「彼の地で光は闇に敗北する」など気になるセリフも公開されました。あのシーンは、『KH -HD 2.5 リミックス-』からのカットなのですか?

安江 いいえ、『KH –HD 2.5 リミックス-』のカットではありません……。

――ということは、『KHIII』?

安江 そうなんです! じつは『KHIII』の企画もかなり進んでいまして、野村が直接書いた冒頭シーンの絵コンテから抜粋した映像です。

――そうだったんですね。ふたりは新キャラですか?

安江 かもしれないし、そうじゃないかもしれません。ヒントは“誰にでも過去はある”、ということです。ちょっと言い過ぎたかな?(笑)。

――もしかしたら、シリーズの濃いファンには想像がつくかもしれない?

安江 ご想像にお任せします(笑)。

――気になる……(笑)。では、話を戻して、『KH -HD 2.5 リミックス-』の開発進行度はいかがですか?

安江 すでに90%くらいのところまでできています。あとはイベントをもう少し作り込んだり、トロフィーの条件の微調整、あとはバグ取りくらいですね。

――かなり順調ですね。

安江 そうなんですよ! 『KH』シリーズは開発終盤、限界までいろいろと詰め込む開発スタイルで、スケジュール的にはヒヤヒヤすることが多かったのですが、今回は順調過ぎて怖いくらいです(笑)。ですが、まだ『KHIII』もありますから。


■『KHIII』も順調に開発

――では、『KH -HD 2.5 リミックス-』が終わると、『KHIII』にも本腰を入れると。

安江 いえ、『KHIII』は『KHIII』チームがずっと本腰を入れて開発を続けていますよ。

――『KHIII』は昨年PVが発表されて、反響も大きかったと思うんですが。

安江 そうですね、励みになりますね。

――ディズニーランドのアトラクションをモチーフにした“アトラクションフロー”など、新要素ももりだくさんのようですね。

安江 はい。アトラクションフローは、いろいろおもしろいものをたくさん考えています。その数もディズニーランドを想像していただければ、かなりの数になると思います。

――以前発表されたPVではキーブレードが銃らしきものに変形したり、野村さん曰く「とんでもない変形」もあるとか。

安江 はい(笑)。●●があるワールドだとキーブレードも●●に変形したり。そのワールドっぽさがキーブレードにも反映されます。

――『KHIII』は今後の情報に期待するとして……『KH -HD 2.5 リミックス-』の発売に向けて……まだもう少しありますが、ファンに向けてひと言お願いします。

安江 『KH』シリーズはスタッフのこだわりが詰まっている作品です。『KHIII』はこれまでのシリーズが集結する作品で、『KH -HD 1.5 リミックス-』と『KH -HD 2.5 リミックス-』をプレイすることで、物語の理解が深まり、『KHIII』ではよりディープな体験ができるかと思います。個人的にもお気に入りの『KH BbS』と『KHII』がいちばんいい状態で楽しめるパッケージになっていますので、ぜひ楽しみに待っていてください。




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※画面は開発中のものです。