開発経過は完全公開。MODなどをやりとりするマーケットプレイスも公開予定

 Epic Gamesが、FPS『アンリアルトーナメント』(UT)の新プロジェクトを発表。アンリアルエンジン4(UE4)を使用し、PC/Mac/Linuxをプラットフォームに採用。ゲームとしてはシリーズの根幹である競技性の高いFPSを目指し、「F2P(基本プレイ無料)ではなく、単に無料」(公式サイトより)で提供されるという。

新『アンリアルトーナメント』は基本無料ならぬ完全無料。UE4でファンと作る完全オープンな開発モデルを模索_01

 これは、UE4が月額19ドルのサブスクリプションモデルで提供開始されたことと無関係ではない。新UTは、シリーズに関わってきたEpic Gamesのベテラン開発者による小規模なチームが担当し、「最初のコード1行から最初のアート、ゲームデザインに至るまで」公開される予定。ファンはフォーラムやTwitchでのアップデート放送を通じて議論に参加できるほか、すべてのプログラムコードとコンテンツはUE4を契約した開発者にGitHubを通じて提供される。

 つまりEpic Gamesは、自分は参加できないがUTの開発動向には関与したいファン、MOD(ユーザー作成の拡張プログラムやコンテンツ)製作者、自分のゲームも作っているUE4開発者が全員参加する、UTを中心にした開発コミュニティを作るということだ。
 そういった、Epic Games以外の人が作ったMODや、新キャラクター、武器などのコンテンツをやりとりするマーケットプレイスも公開される予定で、収益はEpic Gamesと製作者で分配する形になるという。

 『アンリアル』およびUTシリーズはパッケージタイトルとして展開されてきたが、UDK(学生向けなどに無料で提供されるUE)が提供される前はUEのライセンス料が高かったため、インディー開発者がUTのMODとして自分のゲームを作るということもあった。
 それから時が経ち、UE4自体が月額19ドルで利用可能になり、今度はUT自体が真のフリーなFPSとなり、同時に安価にMOD開発からスタートできる土台となるというのは、大胆な展開ではあるが、シリーズがこれまで果たしてきた役割に立ち返った興味深い動きであると言える。
 なおこれに合わせてUTの旧作が50%オフで提供されるとのこと。(文・編集:ミル☆吉村)