“国家戦略特区”にも指定されましたし……福岡のゲーム産業は元気です!
「福岡に行ってくれ!」という指令がファミ通.comから下された。もちろん目的はひとつ。GFF(Game Fan in Fukuoka)2014を取材することだ。
ファミ通.comでも何度かお伝えしている通り、GFF2014は“ゲーム都市福岡”を全国にPRすべく、2014年3月21日~30日まで、福岡・キャナルシティ博多にて開催されていたイベント。会期中は、最新作の試遊があったり、いまをときめく『妖怪ウォッチ』のスタンプラリーがあったりしたのだが、イベントでもとくに目玉と言えるのが、会期の最後の最後の2日間にあたる29日、30日。3月29日にはグランドハイアット福岡にて“ゲームクリエイターズセッション”が行われたのは既報の通りだが(→渾身のリポート記事はこちらをご覧あれ!)、29日、30日にはキャナルシティ博多のサンプラザステージにて、多彩なステージイベントが開催されたのだ。29日、30日はあいにくの雨となってしまったのだが、雨もどこ吹く風と盛り上がった、ステージイベントの模様をお届けしよう。
3月29日“ゲームミュージックフェス”
3月29日は“ゲームミュージックフェス”として、都合3種類のステージイベントが行われた。まずは、エリシオンフィルハーモニーオーケストラによるライブ。エリシオンフィルハーモニーオーケストラは、佐賀県で生まれた九州唯一のゲーム音楽団。オーケストラ自体は学生と一般、プロの有志により構成されている。3月21日に行われたGFF2014のオープニングセレモニーでは、オーケストラが参加し演奏を披露したようなのだが、29日のライブではその中から3名が参加。『ファイナルファンタジーVIII』や『どうぶつの森』、『スーパーマリオブラザーズ』などの楽曲を披露してくれた。こうした九州発のオーケストラにスポットを当てるというのも、GFFならではの取り組みと言えるだろう。
※エリシオンフィルハーモニーオーケストラの公式サイトはこちら
LieN -リアン-によるライブもステージを盛り上げた。ゲームファンならご存じの方も多いことと思うが、LieN -リアン-とは、サイバーコネクトツーがプロデュースする、三谷朋世さん(ボーカル)と福田考代さん(作詞/作曲)によるサウンドユニット。2007年の設立以降、『.hack//G.U.』シリーズなど多くの楽曲を手がけてきた。ライブでは、『.hack//G.U.』から“やさしい両手”や、『ギルティドラゴン 罪竜と八つの呪い』のオープニングテーマ“星をかぞえて”などを披露。三谷さんの張りのある美声がオープンステージにマッチしていた。
※LieN -リアン-公式サイトはこちら
※LieN -リアン-単独ライブ“Voyage”開催、『.hack』『ソラトロボ』などの名曲に震えた2時間をリポート
さすが!と言わんばかりの人気を見せつけたのが、レベルファイブによるライブ。まず演奏したのが“妖怪ウォッチバント”。レベルファイブのサウンドを担当する西郷憲一郎さんや井上岳志さんらによるユニットだ。ライブでは、『妖怪ウォッチ』のゲーム音楽を披露して、会場を盛り上げた。西郷さんいわく「『妖怪ウォッチ』はみんなに弾いてもらいたくて簡単なメロディーで作っています」とのことで、サウンド制作の背景にはこんな配慮もあるんだなあ……と納得。
おつぎは、キング・クリームソーダによるライブ。アニメ『妖怪ウォッチ』のオープニングテーマである“ゲラゲラポーのうた”などを熱唱した。絶大な人気を誇る『妖怪ウォッチ』だが、とくにちびっ子人気はすさまじく、ちびっ子たちが歌に合わせて楽しそうに踊る姿に、「『妖怪ウォッチ』来てるなあ~」との印象を改めて強くした。
レベルファイブのステージで最後に登場したのが、T-Pistonz+KMC。おなじみ『イナズマイレブン』の楽曲を披露し、迫力のステージパフォーマンスで会場を大いに盛り上げた。
※キング・クリームソーダの公式サイトはこちら
※T-Pistonz+KMCの公式サイトはこちら
3月30日“GFF2014 スペシャルステージ”
翌、3月30日は“GFF2014 スペシャルステージ”が実施。お笑いコンビアメリカザリガニのふたり(柳原哲也、平井善之)とアイドルの橋本環奈さんをMCに、サカモト教授や福岡発のアイドルユニットRev. from DVLのライブ、さらには“福岡コスプレグランプリ2014”など、バラエティーに富んだステージが楽しめた。
頭にファミコンを載せて、昔なつかしい8Bitのゲーム音楽を演奏することでおなじみのサカモト教授。ライブでは、ファミコンの差し込み口をひと吹きして、頭のファミコンにセット。そのゲーム音楽を忠実に演奏するというおなじみのパフォーマンスで、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』、『MOTHER』 などの楽曲を披露し、(とくにファミコン世代の)来場者を喜ばせた。にしても、橋本環奈さん(15歳!)がファミコンを知らないというのには、アラフォー記者には衝撃。初めて遊んだゲームはニンテンドーDSとのことで……時代を感じさせる。
Rev. from DVLは、MCを務める橋本環奈さんも所属する福岡発のアイドルユニット。福岡ではえらい人気を誇るようで、ライブにはおっかけの方もかなり訪れておりました。Rev.はrevolutionの略でハイチの言葉では“夢”という意味があるとのこと。DLVはダンス ボーカル ラブの略なのだとか。いずれにしても、アラフォー記者にはまぶしすぎる存在でした。
“福岡コスプレグランプリ2014”は、キャナルシティ博多の来場者からの投票により上位10組が決勝に進出。レベルファイブ・日野晃博氏、サイバーコネクトツー・松山洋氏、ガンバリオン・山倉千賀子氏に加え、九州大学・松隈浩之氏、福岡市ゲーム映像係長・中島賢一氏の5名による審査により、“なりきり度”“完成度”“アピール度”の3項目から、グランプリを決定する……というもの。のはずが……ここはアイドルのメッカ福岡! 多くのアイドルグループからの刺客がコスプレグランプリに紛れ込んでおり、ときにステージはアイドルの告知大会に! まあ、それはそれで楽しいのですが……。せっかくの機会なので、コスプレファンのために決勝に進出した全12組を紹介。
そして、見事グランプリに輝いたのは、やはりというべきか『進撃の巨人』。圧巻だったのが、エルヴィンさんで、御年50歳(!)とのこと。ご主人さんにびっくりされながらも、数週間でコスプレを仕上げたらしく、さらにお店でブーツを購入するときに壊してしまったといった微笑ましいエピソードも披露。まさに、コスプレの鑑(!)ということで、記者もいろいろと励まされることが多かったり。福岡で元気をもらいました!
ステージの合間には、出展ゲームメーカーによるPRステージが設けられていたのだが、圧巻だったのがレベルファイブ『妖怪ウォッチ』のPRタイム。“ようかい体操”をノリノリで踊るちびっこたちを見て、『妖怪ウォッチ』の子どもたちへの浸透ぶりをさらに実感した次第。
3月30日の最後には、GFF2014のトリとなるグランドフィナーレが行われた。九州・福岡のゲーム団体により構成されるGFF(Game Factory's Friendship/Gate For Future)と九州大学、福岡市の3者による福岡ゲーム産業振興機構の主催により行われたGFF(Game Fan in Fukuoka)2014。イベントでサイバーコネクトツーの松山氏が「ゲームメーカー、アイドル、お笑い芸人、大学の先生、行政担当が一堂に会するなんてすごいことですね」と指摘したとおり、いまのGFFを象徴する、バラエティーに富んだメンバーが顔を並べたグランドフィナーレとなった。
さらにグランドフィナーレでは、福岡市長の高島宗一郎氏も特別ゲストとして参加。3月30日には、第34回おおほりまつりが行われ、そのときにまとった黒田長政のコスチュームで登壇した高島市長。奇しくも3月28日には福岡市が“国家戦略特区”に指定されたばかり。高島市長も、GFFには“国家戦略特区”では福岡の産業振興のために大きな役割を期待しているようだ。「福岡をゲームのハリウッドに!」という掛け声とともに、グランドフィナーレは幕となった。GFF2014は、いまの福岡の勢いを感じさせるイベントだった。