『新生FFXIV』のサントラはCDよりも高音質! 銀座ソニービルにてサウンドトラック発売記念イベントが開催

スクウェア・エニックスのMMORPG『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』(以下、『新生FFXIV』)のサウンドトラック発売を記念したトークイベントが、銀座のソニービルで開催。ここでは、その模様をリポートする。

●あらゆる面で規格外のサウンドトラック

event soken/01 event soken/02

▲『新生FFXIV』のサウンドディレクターを務める祖堅正慶(そけん まさよし)氏。

▲MCは碧井エリさん。

 イベントが行われたのは、東京・銀座のソニービル。平日の昼間にもかかわらず、多くの『新生FFXIV』ファンが会場に詰めかけた。まず、MCの碧井エリさんが「サウンドトラックの発売を迎えて、いまの心境は?」と祖堅氏に尋ねると、「日々作業に追われているので、今日がどうした、ということはあまりない。やっとお届けできたかなという気持ち」と、目まぐるしく進化を続ける『新生FFXIV』の開発者らしいコメントをした。


event soken/03

 2014年3月26日に発売された『新生FFXIV』のサウンドトラックは、『新生FFXIV』のパッチ2.16までにゲーム内で聴くことができるBGM119曲を収録。通常、サウンドトラックと言うとCDを思い浮かべるが、全119曲という膨大な楽曲数のため、CDではそもそも物理的に入り切らなかったことと、作品性を高めるという目的でBlu-rayディスクを採用している。

 今回、Blu-rayディスクに収録されている音源は、96KHz/24bitでサンプリングされた、いわゆる“ハイレゾ音源”で、CDの44.1KHz/16bitの表現力を遥かに超越する。さらに、ハイレゾ音源の再生中では、楽曲に対してゆかりのある動画やアートワーク、ゲーム映像なども映し出されたり、祖堅氏による制作コメントも読むことができ、Blu-rayディスクの特性を活かした作品となっている。このサウンドトラックの特徴はこれだけではない。昨今の音楽を聴く環境は、ポータブルのデバイスが主流ということを受け、専用にマスタリングしたMP3のデータも収録されている。この意図としては、ユーザー自身がPCなどに音源を取り込むと、変換の過程で制作側の意図しない劣化が起こってしまう。ならば、MP3で再生するのを前提とした専用のマスタリングを新たに行って、最高のMP3を作ってしまおうというわけだ。

 ひとつのディスクの中に2種類のマスターがあるのは、おそらく業界初ではないかと祖堅氏は語る。このふたつのマスターは、なんと音質だけではなく、収録時間も異なっている。当初、ハイレゾ音源とMP3をフル尺(曲を編集せず、すべて収録すること)で入れようとしたところ、総再生時間が9時間弱となり、さすがのBlu-rayでも1枚に収めることはできなかったという。そこで、Twitterを通じてプレイヤーに、すべてフル尺にして2枚組にするか、重要な曲のみをフル尺にして1枚に収めるほうがいいか、質問をしたそうだ。しかし、意見は真っぷたつにわかれ、結論は出なかった。その後、質問を変え、ふだんのリスニングの環境について聞いたところ、ポータブルのデバイスを使っている人が多かったため、MP3のほうはすべてフル尺、ハイレゾ音源のほうは適宜編集を行うという方向で落ち着いた。最終的には、ハイレゾ音源の収録時間は6時間48分、MP3のほうは8時間9分になったそうだ。


event soken/04

▲ハイレゾ音源再生中の画面。歌詞や祖堅氏の制作コメントが表示されたり、リアルタイムで公式Twitterのチェックなども行える。

event soken/05

▲『新生FFXIV』において、ギターやピアノの打ち込み(プログラムによる演奏)は合わないと言及。ギターとピアノは、祖堅氏自身が実際に演奏しているとのこと。

event soken/06

▲プレイリストも搭載。ラノシア、ザナラーン、黒衣森といったエリア単位で曲がまとめられていたり、蛮神戦がひたすら続くプレイリストも用意。

 既存のサウンドトラックとは制作方法がまるで異なる今回のサウンドトラックだが、通例1日程度で終わるマスタリングに1ヵ月、さらにパッチ2.1の楽曲を追加して半月、そして動画を入れる作業が2ヵ月半と、膨大な時間が費やされている。また、完成ギリギリのタイミングで、パッチ2.2のとある曲をシークレットトラックとして入れることが決まり、こっそり収録したという。MP3限定だが、購入した人はチェックしてみるといいだろう。

 ここで余談となるが、イベント後の囲み取材で、PC版、プレイステーション4版、プレイステーション3版にそれぞれ収録されているBGMのビットレートについて尋ねてみた。すると、PC版はVBR(可変ビットレート)、プレイステーション3版も可変だが、平均で120~130Kbps、プレイステーション4版は平均で170~180Kbpsとのこと。インゲームでは、プレイステーション4版がもっとも音質がいいということになる。ただ、曲によってビットレートには差があり、機械的にビットレートを決めているわけではないとのこと。ちなみに、サウンドトラックに収録されているMP3のビットレートは、320Kbpsとなっている。

 サウンドトラックの紹介が終わると、視聴タイムへ。会場からリクエストを募ると、多くのプレイヤーに強く印象に残っているであろうタイタン戦のBGM『過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~』が真っ先にリクエスト。その後、アルテマ戦の『究極幻想』、クリスタルタワーのティターン戦BGM『奈落へ』、モグル・モグ戦の『善王モグル・モグXII世』が会場で流された。このとき印象的だったのは、祖堅氏が会場内のスピーカーとハイレゾ音源の懐の広さに感心していたこと。祖堅氏曰く、CDでダイナミックレンジの広い音(音の大小の差が激しい)を大音量で再生すると、スピーカーが“バリバリ”となったり、コンプ(小さい音を持ち上げると同時に大きい音を抑えて、全体のレンジを圧縮すること)がかかったような音になったりするそうだが、ハイレゾ音源の余力も相まって、破綻なく再生できているとのこと。ソニービルでのサウンドトラックの視聴は4月13日まで実施されているので、興味がある方は実際に聴いてみるといいだろう。

 今回集まった参加者の多くが『新生FFXIV』のプレイヤーということもあり、祖堅氏は「ふだんは戦闘に忙しくてまともにBGMに耳を傾けられないかもしれないが、今回のサウンドトラックをゆったり聴いて、エオルゼアの世界に浸って欲しい」と語った。


event soken/07 event soken/08

▲イベントを締めるメッセージは、「パッチ2.2をお楽しみ!」だった。

▲イベントの後はサイン会が急きょ開催。祖堅氏自身もプレイヤーとのコミュニケーションを楽しんでいた。