“プレイステーションの父”久夛良木健が生涯功労賞を受賞 受賞時のコメントを紹介【GDC 2014】

第14回GDCアワードの授賞式が行われ、久夛良木健氏が“Lifetime Achievement Award(生涯功労賞)”を受賞。久夛良木氏の受賞時のコメントを紹介しよう。

●「皆さんがいっしょになって、この新しいエンターテインメント業界を作り上げた」

 2014年3月17日~21日(現地時間)、サンフランシスコ・モスコーニセンターにて、ゲームクリエイターを対象とした世界最大規模のセッション GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2014が開催。

 既報の通り(→記事はこちら)、開催3日目に第14回GDC(ゲーム・デベロッパーズ・チョイス)アワードの授賞式が行われ、久夛良木健氏がソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)時代にプレイステーションを生み出し、ブランドとして確立させた“プレイステーションの父”としての業績が評価され、“Lifetime Achievement Award(生涯功労賞)”を受賞した。以下、久夛良木氏の受賞時のコメントを紹介しよう。なお、コメントは、久夛良木氏が英語で行なったものを、編集部のほうで翻訳したものだ。

 「GDCのメンバーの方々にまずお礼を申し上げたいです。プレイステーション・プラットフォームを誕生させたことに対して、今夜、ここでこのような賞をいただくことができて、非常に光栄に思います。皆さんに評価していただいたことを謙虚に受け止めています。
 このような場で、世界中の多くのゲームクリエイターやデベロッパーの皆さんと、時間を共有できるとは夢にも思っていませんでした。
 プレイステーションを通じて貢献した20年間で、もっとも誇りに思っていることを挙げるとすれば、それは最先端の技術をプレイステーションに投入したことです。これによって、皆さんの驚くべき想像力と創造性が将来のゲーム開発に向けて広がったと思っています。
 1990年代初期に最初のプレイステーションを開発し始めたころには、家庭用アプリケーションどころか、オフィスアプリケーションでも、3Dコンピューターグラフィックスは夢でした。非常に高価なグラフィックスワークステーションでのみ実現できるものだったのです。
 ハリウッドスタジオも3DCGIアプリケーションのため、グラフィックスワークステーションを導入しましたが、現実的な使用用途はありませんでした。
 ビデオゲーム業界でも、ワークステーションサプライヤーのあいだでも、20世紀にこの技術がプレイステーションというコンソールに取り入れられるとは、誰も考えていませんでした。
 大きな疑問、最大の疑問は、どのゲームコンソールにおいても、誰がエキサイティングな3Dゲームを作れるか? ということでした。それができるところは数少なかったのです。
 しかし、それはすぐに出てきました。キャパの大きいディストリビューションによって、まったく新しいタイトルを最初から作る機会ができたのです。
 世界中のクリエイターがエキサイティングなゲームを生み出すすばらしい才能と情熱を持っているのを見てびっくりしました。
 クリエイター、デベロッパー、ソフトウェア業界からの持続的サポートがあり、世界中で4億3000万台以上のプレイステーションファミリーが販売され、膨大なソフトが販売されました。これはすべての人にとっての成功だと言えると思っています。
 プレイステーションは、今日のゲーム業界の成長に大きな役割を果たしていると自負しています。ゲーム業界が世界中で主流のエンターテインメントになりつつあることに、誇りを持っています。
 ほかのゲームプラットフォームとともに、このゲーム業界でゲームクリエイター、アーティスト、サウンドクリエイター、ゲームプログラマー、そしてゲームプレイヤーのすべてがこのミラクルを可能にしました。皆さんがいっしょになって、この新しいエンターテインメント業界を作り上げたのです。パワーは皆さんの手の中にあります。そのサポートなしには、いま私はここにはいません。
 感謝したい人は数え切れないほどいます。プレイステーションは私の人生に、本当にすばらしい機会を与えてくれました。世界中でのすばらしい経験に感謝しています。チームメンバーとそして皆さんとこの時間を共有できたことは大きな喜びです。
 最後に、再びこの賞を授与してくださった、GDCメンバーの皆さんに感謝したいです」

 ちなみに、“Lifetime Achievement Award(生涯功労賞)”は、過去に以下のゲーム関係者が受賞している。

第1回(2001年) ウィル・ライト
第2回(2002年) 中裕司
第3回(2003年) 横井軍平
第4回(2004年) マーク・サーニー
第5回(2005年) ユージン・ジャーヴィス
第6回(2006年) リチャード・ギャリオット
第7回(2007年) 宮本茂
第8回(2008年) シド・メイヤー
第9回(2009年) 小島秀夫
第10回(2010年) ジョン・カーマック
第11回(2011年) ピーター・モリニュー
第12回(2012年) ウォーレン・スペクター
第13回(2013年) レイ・ムジカ&グレッグ・ゼスチェック
第14回(2014年) 久夛良木健
(以上敬称略)