大作にふさわしい豪華な発表会に!
セガは、2014年1月22日、都内にて2014年2月22日発売予定のプレイステーション4/プレイステーション3用ソフト『龍が如く 維新!』の完成披露発表会を開催した。
『龍が如く』シリーズでは恒例となっている、キャスト陣を交えての完成披露発表会。今回も豪華なキャストが顔を揃え、発売日への期待感を大いに高める内容となった。
最初にステージに登場したのは、『龍が如く』シリーズ総合監督の名越稔洋氏。無事完成披露の日を迎えた感想を求められた名越氏は、「ゲーム制作は時間がかかるので、間に合わないことがいちばん怖いもの。でも、この日を迎えられたということは、イコール、自信を持って提供できると確信が持てたということです」と、本作の出来映えに対する自信を力強く語った。
続いて、先日公開されたプロモーション映像が上映され、映像制作時のエピソードが語られた。
ONE OK ROCKの楽曲『Clock Strikes』をバックに展開されるスケールの大きな映像となっているこのPV。名越氏いわく、「この曲をメインに使いたい、と惚れ込んで創った映像。こういうやりかたで映像を創ったのは初めてですね」とのこと。名越氏は『Clock Strikes』ずっと聞きながら仕事を進めていたそうで、この曲に対する思い入れは相当強いようだ。
錚々たる顔ぶれ、皆が口々に褒め称えたのは……?
続いて、本作のキャスト陣がステージに登場。それぞれ、収録の舞台裏や、本作にかける思いなどを語った。この日登場したのは、黒田崇矢(坂本龍馬、齋藤一役)、高橋克典(武市半平太役)、桜庭ななみ(おりょう役)、大東駿介(藤堂平助役)、高橋ジョージ(伊藤甲子太郎役)、徳重聡(徳川慶喜役)の6人。
まずはシリーズの顔として、本作でも主人公の坂本龍馬/斎藤一を演じる黒田崇矢。ナンバリング作品では、作中でも現実と同様に時間が進んでいるため、主人公の桐生一馬も歳を取り、作を重ねるにつれて、より経験を積んだ人物として描かれている。しかし「今回は初期のころのような、熱くてまっすぐで、若かったころの桐生一馬で演じたつもりです」(黒田)とのこと。『龍が如く』シリーズを初期作品から遊んできたファンにとっては、懐かしい感じを受けるかもしれない。
ちなみに黒田は、本作の収録中、原因不明の猛烈な痛みに襲われていたそうだ。生来の我慢強い性格のため、何ヵ月も痛みに耐えながら収録を進めていたが、すべての収録が終了後に病院に行ったところ、なんと盲腸が、救急病院の記録として院内で保存されるほど腫れ上がっていたのだとか。手術も大がかりなものとなり、麻酔が切れた際には尋常ではない痛みに襲われ、さすがに声を上げそうになったが、そこに『龍が如く』ファンの看護婦さんたちが居合わせ、「さすが桐生さんは我慢強いんですね!」と言われたため、泣き言を言えず、必死に我慢したんだそうな。「普段から桐生のイメージを壊さないように、がんばって生きています」と笑った黒田だが……当たり役に巡り合えた幸せと裏表で、辛い思いもあるということかも。
シリーズ初出演となる武市半平太役の高橋克典は、「『龍が如く』はもちろん知っていましたし、どうしてオファーが来ないんだろうと(笑)。やっとお話しをいただけてうれしかったです」と、待望の出演だったことを明かした。とはいえ、実際にゲームの仕事をするのは初めての経験だったため、「もろもろどのように進行していくのか。キャスティングの意図、どんな演技が求められているのか、など、細かく打ち合わせをさせてもらいました」(高橋)と、入念に準備して収録に臨んだそうだ。
また高橋は、本作の台本について、歴史を下敷きにしつつも「見事な裏切りや驚き、新説があって、本当におもしろいです。坂本龍馬は歴史ファンならずとも知っている人物ですから、誰もが驚ける、楽しい作品になっていると思います」と絶賛。またゲームというコンテンツについても、「実写とも、アニメとも違う。実写映画ではやり切れないことができて、おもしろい広がりが生み出せる。まだまだ広がるコンテンツだと実感しましたね」(高橋)と、大いに気に入ったようだ。
ヒロインのおりょうを演じる桜庭ななみも、シリーズ初出演。彼女が苦労したのは、おりょうの話す“京都弁”だったそうで、「方言指導の方に隣についていてもらって、ひと言ひと言、教えてもらいながら収録しました」(桜庭)。
本作の男性キャラクターでお気に入りは? という問いには、迷った末に、「やっぱり斎藤一さんですね。男らしさもありつつ、優しさも兼ね備えていて、そして声がステキなので。キュンキュンしますね(笑)」(桜庭)とのこと。とはいえ、斎藤一以外にも魅力的に感じたキャラクターは数多いそうで、「それを楽しみに、女性の方にも遊んでほしいですね」(桜庭)とアピールした。
藤堂平助役の大東駿介は、『龍が如く5 夢、叶えし者』の馬場茂樹役に続いての登場。大東は、ほかの現場でも、「あ、馬場ちゃんだ」と声をかけられたりしたそうで、今回のオファーにも、「すぐに声をかけていただいて、本当にうれしかったです」とのこと。
そんな大東は、今回の台本を初めて読んだ際に、「また、どえらいものを考えついたな、と(笑)。ストーリーが本当におもしろいです」と、まずストーリーに強烈に惹かれたという。「前回の馬場もそうでしたが、登場人物が壮絶に命を削っている感じに、男として憧れて、役に魂をこめたいと思ってしまうんです」(大東)と思いを込めて演じた結果、収録後には声が枯れて出ないほどになってしまったそうだ。
さらに大東は、もともと『龍が如く』ファンだったというだけに、ゲームプレイ面での魅力も強調。「いままでの『龍が如く』にはない、ピストルと刀を両方を持てたり、武器を鍛えてダンジョンに行ったり、しかもそれがPS Vitaでできる。こりゃとんでもないなと(笑)。本当にうれしいし、楽しみです」(大東)との言葉には、名越氏も「僕が説明しないといけないことまで言っていただいて、ありがとうございます(笑)」。
伊藤甲子太郎役の高橋ジョージは、『龍が如く3』、『龍が如く4 伝説を継ぐもの』の浜崎豪役として強烈な印象を残して以来、4年振りの出演となる。「(物語の展開的に)もう出てこないかなぁ、と悲しかったけど、オファーが来たときには、またやれるの? ってうれしかったです。こういう復活のしかたもあるのか、と」と、高橋自身にとっては意外な再登場だったようだ。また、「高橋ジョージと言うと、三船美佳の旦那とか、『ロード』の人とかのイメージでしたが(笑)、最近、若い人には“浜崎の人ですよね?”と言われることが多いんです」(高橋)とのことで、その分、浜崎に対する思い入れも強いと語った。本作の収録についても、「監督からは、浜崎のままやってください、と言われました」(高橋)とのことなので、お馴染みのアクの強いキャラクターが見られそうだ。
『龍が如く2』以降、堂島大悟役として出演し続けている徳重聡。『龍が如く』と“幕末”という組み合わせについて、「幕末という激動の時代。その大きなスケール感と、『龍が如く』のスケール感の大きさ。そこがすごくあっていると思います」(徳重)と、本作の魅力を語った。
ただ徳重自身は、『2』以降では唯一、時代ものの『龍が如く 見参!』には登場していないこともあり、「大悟に時代ものってどうかな、と思っていたので、今回は意外でした」とのこと。これについて名越氏は、「将軍役ということで、ある意味では物語の肝となる存在。その立ち位置には大悟しかいないだろうと、わりとスムーズに決まりました」と、自然な配役だったことを説明した。
しかし徳重によると、「今回の収録は、昨年、大河ドラマで大久保利通役をやっていた時期だったんです。しかもちょうど収録の1週間前に、ドラマで“我らは官軍、慶喜は朝敵!”なんて台詞を言ったばかりなのに、今度は慶喜を演じることになり……複雑な思いもありましたが、しのいでやり切りました(笑)」と、意外な苦悩(?)があったのだそうだ。
大勢のパワーが集まって「間違いのない作品になりました」(名越氏)
さまざまなエピソードを披露してくれたキャスト陣だったが、共通していたのは、今回の台本、ストーリーを高く評価していた、という点だ。それらのコメントを受けて、名越氏も、「キャストの皆さんが本を読み込んで、よりよくしようと取り組んでくれました。本当に幸せですね」と感慨深げに語った。
最後に名越氏からのメッセージは以下の通り。
「『龍が如く』シリーズの大きなチャレンジとして、『龍が如く 維新!』という新しいタイトルが完成しました。
今回はPS3、PS4まで手を伸ばす作品となりましたが、ハードの実力に負けない中身になったと自負しています。また今回は、“『龍が如く 維新!』 無料アプリ for PlayStation Vita”という新しいチャレンジをしています。中身はひとつのゲームとして販売できるレベルの作品ですので、いろいろな意見はありましたが、シリーズそのものに触れたことのない人にも触れてもらうきっかけを、ということで、無料配信することになりました。
今回登壇していただいたキャストの方々にもパワーをいただき、関係者の皆様にもご尽力いただいたうえで、今回も完成させることができました。間違いのない作品になったと思います。『龍が如く 維新!』、よろしくお願い致します」