2013年10月31日(木)、ダウンロード版が配信予定

 2013年6月20日にリリースされ、発売3週間で全世界累計販売本数が340万本を突破するなど、大ヒットを記録した『The Last of Us( ラスト・オブ・アス)』。2013年10月31日(木)から、PlayStation Store初のCERO審査Z指定区分(18歳以上のみ対象)タイトルとして、ダウンロード版が配信される予定だ。期間限定の特別価格キャンペーンも実施されるので、興味がある人はこの機会にぜひダウンロードしてほしい。

ダウンロード版販売価格
5145円[税込]

期間限定特別価格
3980円[税込]
※期間:2013年10月31日(木)~11月13日(水)

PlayStation Plus加入者
3480円[税込]
※期間:2013年10月31日(木)~11月13日(水)

『The Last of Us( ラスト・オブ・アス)』開発者にDLC第2弾“追加ストーリー”の内容について聞いてみた! 開発者「秘密です。でも、ちょっとだけなら……」_01
『The Last of Us( ラスト・オブ・アス)』開発者にDLC第2弾“追加ストーリー”の内容について聞いてみた! 開発者「秘密です。でも、ちょっとだけなら……」_02

開発のキーパーソンにいろいろ聞いてみた

 ファミ通.comは、ダウンロード版のリリースを記念して(!?)来日した、ゲーム開発会社ノーティドッグのブルース・ストレイリー氏へインタビューする機会を得た。ブルース氏と言えば、『The Last of Us( ラスト・オブ・アス)』のゲームディレクターで、クリエイティブディレクターのニール・ドラックマン氏とともに、『The Last of Us( ラスト・オブ・アス)』のコンセプトを構築した、ゲーム開発における最重要人物のひとりだ。

 2013年10月16日からダウンロードコンテンツ第1弾のマップパック(→コチラ)が配信中だが、2014年1月配信予定の第2弾“追加ストーリー”の中身が超気になる! というわけで、さまざまな疑問をブルース氏にぶつけてみた。

『The Last of Us( ラスト・オブ・アス)』開発者にDLC第2弾“追加ストーリー”の内容について聞いてみた! 開発者「秘密です。でも、ちょっとだけなら……」_03
ノーティドッグ
『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』
ゲームディレクター
ブルース・ストレイリー氏

――世界中から賞賛された『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』ですが、本作の開発はたったふたり(ブルース・ストレイリー氏とニール・ドラックマン氏)でスタートしたそうですね? プロジェクトの開始当初、ここまで大きな規模のゲームになるという予感はありましたか?
ブルース・ストレイリー氏(以下、ブルース) ええ。“ノーティドッグのゲームを作るからには、つねに大規模なゲームを”という心構えで動いています。『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』の開発終了後、私とニールで新作のコンセプトを考えることになったとき、“ノーティドッグのゲームにふさわしいゲームとは、どのようなゲームか”とつねに意識していました。結果的に、ゲームのボリュームがここまで膨大になるとは想像していませんでしたが(笑)。

――ブルースさんとニールさんは、初めは『ジャック×ダクスター』の新作を作ろうとしていたとうかがいましたが。
ブルース そうですね。おっしゃるとおり『ジャック×ダクスター』の新作を作るべく、3ヵ月ほどコンセプトを練っていました。しかし、自分たちが表現しようとしているテーマやキャラクターが抱える葛藤などと、シンプルで明るい雰囲気の『ジャック×ダクスター』がマッチしないと感じたので、まったく新しい新作である『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』に切り換えたのです。もしあのときそのままプロジェクトが進んでいたとしたら、『ジャック×ダクスター』シリーズのファンの皆さんをがっかりさせてしまうところでしたね。そういう意味では切り換えてよかったと思っています。

――ということは、今後ノーティドッグが持つ最先端のテクノロジーで作られた『ジャック×ダクスター』シリーズ最新作が登場する可能性もあるということですね?
ブルース そうなるといいですね。私ではない誰かが作るかも(笑)。

――なるほど(笑)。話を戻します。『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』では、謎の寄生菌に感染したクリーチャー“感染者(インフェクテッド)”が跋扈する世界の恐ろしさよりも、極限状況に置かれた人間の感情の動きにスポットが当てられていますが、こうしたゲームデザインはコンセプト段階から決めていたのでしょうか?
ブルース 『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』の開発時に磨き上げたストーリーテリングの技法を使って、ストーリー主導のゲームを作りたいという気持ちは最初からありました。究極の選択を迫られ、人間の本質が浮かび上がるところがサバイバルというジャンルのおもしろさだと思います。『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』における“感染者(インフェクテッド)”は、世界の怖さを強調したり、プレイヤーを驚かせるためではなく、人間の感情を引き出すために用意したのです。

――『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』と同様にサバイバルを題材にしたゲームはたくさんありますが、その中でも、人間の感情そのものをメインテーマとして扱ったアクションゲームは少ないと思います。「ユーザーに受け入れられないかも」という不安を感じませんでしたか?
ブルース もちろん、そういう心配はつねにありました。ただ、我々ノーティドッグのゲーム作りのコアとなるのは、“自分たちが遊びたいゲームを作ること”です。そこだけはブレないように心掛けています。どういう風にすれば売れるかについて考え出すと、ゲームを作る上での取捨選択の判断基準が鈍ってきてしまうので。

――本作のように世界のゲームファンをターゲットにした“トリプルA級タイトル”を開発する際でも、マーケティングの需要ではなくクリエイターの創作意欲が優先されるのは、ノーティドッグの社風ですか?
ブルース はい。それはノーティドッグの文化だと思います。ノーティドッグには、エヴァン・ウェルズとクリストフ・バレストラというふたりの共同社長がいますが、彼らはつねに“クリエイターにとって作りたいゲーム”について考えてくれています。今回は、私とニールの熱意がスタッフ、そしてエヴァンとクリストフに伝わって、プロジェクトがスタートするきっかけになったのだと思います。

――結果的に、『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』は世界中のゲームファンから高評価を得ることになりました。自分たちが信じたゲームが世間に受け入れられたとき、チーム内はどんな雰囲気でしたか?
ブルース ノーティドッグでゲームを出すからには、業界でナンバーワンのゲームを作らなければならないという使命感があったので、ユーザーの皆さんから高評価がもらえたときは、チーム全体がホッと胸をなで下ろしていました。今回は、完全新規作品ということもあり、新しいアートワークに新しいキャラクター、新しいゲームプレイなど、初めて尽くしでかなり苦労したので、報われた感じがします。

――『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』と言えば、簡潔かつ力強いラストシーンが印象的ですが、この結末は構想段階から決めていたのでしょうか?
ブルース じつを言うと、構想段階は違った結末でした。当初はちょっとしたハッピーエンディングで幕を閉じる予定だったのです。しかし、実際に開発がスタートしてできあがったゲームをもとに議論を重ねるうちに、エンディングを変更することにしました。“リアル”を感じられるキャラクターたちに対して誠実(honest)でありたい。嘘のないエンディングを追求したいという気持ちから、あの形になりました。

――なるほど。それは興味深いですね。続いてダウンロードコンテンツについてうかがいたいと思います。マルチプレイ用のダウンロードコンテンツ第1弾が現在配信中ですが、2014年1月配信予定の第2弾“追加ストーリー”の内容について教えてもらえないでしょうか?
ブルース シングルプレイのストーリーを補完できるものとして、しっかりとした遊びごたえのあるものを提供する予定です。ノーティドッグ初の追加エピソードなので、作り手としてもワクワクしています。

――“追加ストーリー”は、ジョエルとエリーの物語なのでしょうか?
ブルース いまはまだ秘密です。でも、ちょっとだけ内容についてお知らせすると、おなじみのキャラクターに加え、新キャラクターが登場することになります。

――新キャラクター! それは楽しみです。ちなみに“追加ストーリー”のボリュームはどのくらいですか?
ブルース ボリュームに関してもまだお知らせできませんね。本当に話せることが少ないんですよ。……ゴメンナサイ。

ーーわかりました。期待しています。ところで、ブルースさんはすでに未発表のプロジェクトに関わっているのでしょうか?
ブルース いまはまだ“追加ストーリー”の開発にかかりっきりです。

――ノーティドッグは、まだプレイステーション4向けのタイトルを発表していませんが、いずれ新ハードに移行すると期待しています。ブルースさんはプレイステーション4に関してどのような未来を感じていますか?
ブルース これまで『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』の開発に専念していたので、新ハードについてあまり詳しくないのですが、個人的にはビジュアル的にどんな表現ができるかに気になっています。たとえば、進化したライティングやシェーディングなど、リアルな表現を駆使してリアルではない状況を描いたりとか、そういう未来に期待しています。あとは、メモリーの容量が増えることに喜んでいます。『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』は、まさにメモリー制限との戦いだったので、これからはそんな悩みから解放されると思うとうれしいです(笑)。

Naughty Dog, Inc. (c) Sony Computer Entertainment America LLC. Created and developed by Naughty Dog, Inc.
※本ソフトはCEROにより“18歳以上のみ対象”の指定を受けておりますが、掲載にあたってはファミ通.comの掲載基準に従い考慮しております。