●ゲームコンテンツ事業のさらなる活性化のため

 2013年10月21日、都内にてNTTぷららによるプレス向けの記者会見“「ひかりTV」の現状と今後の事業展開~スマートTVの普及・拡大を目指して~”が行われた。ごぞんじの通り、ひかりTVは、光回線をテレビにつないで、多チャンネル放送やビデオをテレビで楽しめるようにするコンテンツサービス。今年6月にはスマートテレビ対応の新チューナーの提供をスタートし(⇒関連記事はこちら)、テレビ向けクラウドサービス“ひかりTVゲーム”の提供も開始している。ゲームタイトルに関しては、KONAMIの『プロ野球スピリッツ LIVING MANAGER』など、33タイトルを遊ぶことが可能だ。

▲NTTぷらら 代表取締役社長 板東浩二氏。

 記者会見では、NTTぷらら 代表取締役社長 板東浩二氏が登壇し、ひかりTVの現状と今後の事業展開を説明した。板東氏によると、ひかりTVの2013年9月末での会員数は263万人とのこと。2013年上半期だけで18万人の純増となっている。ひかりTVの最大の課題は、いま右肩上がりで普及台数を伸ばしているスマートフォンユーザーの取り込み。その戦略の基本にあるのが、スマートTVを中心としたマルチデバイスの確立だ。ひかりTVではさらなるマルチデバイスの利用促進のため、“オフラインで利用可能なダウンロード視聴の提供”や“家庭内LANでのテレビサービスのマルチデバイス展開”などを、この11月から実施する予定だという。

▲フレッツ光の会員数が伸びが鈍化するなか、ひかりTVの会員数の伸びも鈍ってはいるが、それでも堅調とのこと。今後の課題は、いかにスマートフォンユーザーを獲得するかにあるという。
▲豊富なコンテンツが魅力のひかりTV。ちなみに、2013年上半期VOD視聴ランキングの総合第1位は『進撃の巨人』。『進撃の巨人』にしても、『半沢直樹』にしても、注目作の見逃し視聴がけっこう多かったという。
▲マルチデバイスへの取り組みが重要事項。
▲コンテンツの拡充として、海外向け英語チャンネル“NHKワールドTV”の放送(左)や、“AKB48グループ ドラフト会議”の完全生中継および独占ドキュメンタリー番組も予定している(右)。

 会員獲得の有効なコンテンツとして期待されているゲームでも、この11月からモバイル端末への対応を開始する。タブレット端末やスマートフォンなどのモバイル端末向けに提供されるのは、基本テレビ向けゲームと同じコンテンツ。モバイル端末での操作は、ひかりTV側でソフトキーボードでの対応に変換してくれるので、ゲームメーカー側で個別に開発する必要がないのも、メーカーにとって利便性が高いと言えるだろう。また、モバイル端末対応は、テレビ向けのゲームがモバイル端末でも遊べるようになる……といった対応だけに留まらない。たとえば、テレビで遊ぶために、モバイル端末をコントローラーとして使用する、いわゆるモーションプレイでの使いかたも可能だ。ちなみに、その場合は、スマートフォンからデータをサーバーに飛ばして、サーバーからテレビに反映させるという方法をとっているらしい。記者会見後に展示されていたデモンストレーションでは、ほとんどレイテンシーなくゲームを楽しむことができたが、これなども、クラウドゲームならではの遊びかたと言えるだろう。

▲ひかりTVゲームもモバイル対応に。クラウドゲームならではの楽しみかたが広がりそうだ。
▲クリエイター支援の取り組みも実施。ユーザーにとっても、斬新なゲームに触れられるいい機会と言えるだろう。

 また、NTTぷららでは、コンテンツ拡充の新たな取り組みとして、クリエイター支援を行うことも明らかにした。その第1弾がゲーム分野で、NTTぷららでは、ゲームクリエイター教育機関7校と提携し、学生が制作したゲームコンテンツを、ひかりTVゲームの全会員に向けて無料で提供。人気が出たクリエイターの作品に関しては、続編や新規作品の制作にあたって、ファンド運営会社と協業し、クラウドファウンディングにより、ゲームの本格商用化に向けて取り組むという。まさに、ひかりTVが若手クリエイターの登竜門的な役割を果たすというわけだ。パートナーとなる教育機関は、HAL大阪、HAL名古屋、HAL東京、日本電子専門学校、バンタンゲームアカデミー、アミューズメントメディア総合学院、日本工学院専門学校で、今後さらにパートナーを増やす予定だという。こちらは、2014年1月より順次実施予定で、今後はゲーム以外にも映像コンテンツや商品開発への展開を検討しているという。

 さらに、ひかりTVゲーム関連ではゲームタイトルの個別課金対応も、この12月から予定しているとのことだ。

 「テレビもブロードバンドのインフラとつながって双方向になったときに、スマートフォンと同じ進化を辿ると思っています」とNTTぷららの板東氏。ひかりTVゲームで、クラウドゲームがどのような進化を見せるのか、気になるところだ。

▲モバイル対応では、スマートフォンなどをコントローラーにしての“モーションプレイ”が可能に。まずは、台湾で開発された『MOTION ARCHERY(モーションアーチェリー)』と(写真)、『WAVE RIDER(ウェーブライダー)』が提供される。
▲麻雀ゲームでは、手牌は自分のタブレットで見るといった遊びかたもできる。オンラインでもプレイも可能なのだとか。