『聖闘士星矢』を好きな人が作っているのは間違いなし!
『聖闘士星矢』は、当時小学生だった筆者の心(魂といってもいいだろう)をガッチリと掴んで離さなかったマンガのひとつ。そのハマリっぷりを振り返ると赤面もので、聖衣に見立てた段ボールを身体にまとい、友人たちと星矢たちの戦いを再現したものだ(寸止めルールだったが止めきれず、そのまま喧嘩に突入することもしばしばあった)。そんな『聖闘士星矢』が格闘ゲームになったのだから、見逃せるワケがないわけで。「小学生のころに本作があったら、きっとNクンとマジ喧嘩をすることもなかっただろうな。いや、結局はゲームの勝敗を巡って喧嘩をするハメになるか」なんて思いとともにプレイし始めたのだが……「なんだこれ!? ツボの押さえかたがハンパじゃないぞ! これを作った開発の人、絶対に筆者と同じような思い出があるでしょ!?」。そんな感想を持たざるを得ない気の効かせかたは、ちょっと感動ものだったのである。
■わかってる! アンタ、わかってるよ!!
本作の概要は記事を参照していただくとして。バトルやシステムの話も次回に回すとして。まず、筆者と同じ『聖闘士星矢』好きに伝ねばならないと思ったのが、開発陣のコダワリだ。たとえば、バトル中のこのシーン。
このポーズを見てピンと来た方も多いのでは? そう、これはアニメ版などで、氷河が必殺技であるダイアモンドダストを放つ直前に取る一連の構え。それがバッチリ小宇宙を溜めるときのアクションとして再現されているっていう! やばい、アニメの『聖闘士星矢Ω』で、氷河が出てきて以来の興奮だ!!
また、劇中では星矢たち青銅聖闘士たちの聖衣が何度か変化するのだが、それらを別キャラクター扱いで作り込んでいる点にも注目したいところ。ふつうなら、カラーカスタムにしそうなものなのだが、あえて、別キャラクターにすることで微妙に使える技を変えていたりして……とにかく芸が細かい! もちろんこれは、“黄金十二宮編”、“ポセイドン編”、“ハーデス編”のすべてを収録しているからこそできるんだってことも忘れちゃいけないポイント。
復習のために星矢の3パターンをお見せしたが、これらは青銅聖闘士全員ぶんが用意されている。そして、原作で黄金聖衣をまとったことのあるキャラクターたちは……
ハイ、当然用意されているわけで。そりゃあ、登場するキャラクターが楽々50人を超えるのにも頷ける。
■こ、これも!? ちょっとやりすぎじゃない!?
本作のメインモードとなるのは、原作を追体験できる“セイントクロニクルモード”。ここまでで開発陣のコワダリのいくつかを紹介したので、その内容は推して知るべしといったところだろう。パッと思い浮かぶであろうバトルは、ほぼすべて前述のモードで追体験が可能だ。その中には……。
とにかく原作をリスペクトしまくっている感じがこれで伝わったのではないだろうか? このように、原作に登場するほぼすべてのバトルを再現できるようにしているところなど、もはや敬服に値する。試しに、フリーで対戦できるバトルモードで童虎とシオンを対戦させてみたところ……。
これですよ。開発陣の情熱によって、本作には『聖闘士星矢』のすべてが凝縮されていると言って間違いない感じ。そして、その並々ならぬ情熱があふれ出ちゃったシーンがこちら!
たいへん申し訳ないが、いい意味で「バカでしょ?」って言いたくなるほど。
いかがだろうか? “『聖闘士星矢』のファンが、『聖闘士星矢』ファン向けに作っちゃった感”がいかにハンパではないかが伝わっただろうか? もちろん、ゲームとしても『聖闘士星矢』のエッセンスをしっかり受け止めたうえで、その要素を活かした対戦格闘ゲームに昇華させている。そんなバトルのシステムなどに関しては、次回詳細にお伝えする!
(text:ライター・齋藤モゲ)
聖闘士星矢 ブレイブ・ソルジャーズ
メーカー | バンダイナムコゲームス |
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対応機種 | PS3プレイステーション3 |
発売日 | 2013年10月17日発売予定 |
価格 | 7480円[税込] |
ジャンル | アクション / アニメ |
備考 | 原作:車田正美、プロデューサー:三戸 亮、開発:ディンプス |