桜 稲垣早希、声優初挑戦!
アークシステムワークスのプレイステーション Vita/プレイステーション3用ソフト『魔都紅色幽撃隊』(2014年発売予定)は、『東京魔人學園伝奇』シリーズなどで知られる今井秋芳氏の最新作。本作で主人公とともに戦うヒロイン・深舟さゆりを演じているのは、吉本芸人の桜 稲垣早希さんだ。
ファミ通ドットコムでは、収録を終えた稲垣さんにインタビューを行い、さゆりの魅力や、ボイスの聴きどころについてうかがった。
■ヒロイン・さゆりはツンデレキャラ!?
――『魔都紅色幽撃隊』の収録、お疲れさまです。稲垣さんは、今回がゲーム初出演だと思うのですが……。
桜 稲垣早希さん(以下、稲垣) はい、初めてです!
――出演が決まったとき、どんなお気持ちでしたか?
稲垣 ゲームはもちろん、声での出演自体が初めてだったので。昔から、ずっとマネージャーさんに「声のお仕事がしたい」と言いまくっていたので、夢が叶ってめっちゃうれしかったです!
深舟(みふね)さゆり
――では、稲垣さんが演じるさゆりのイラストを最初に見たときは、どんな印象を受けましたか?
稲垣 めっちゃかわいい、って思いました! スタイル抜群で。
――黒髪ストレートの子はお好きです?
稲垣 お好きです!(笑) 日本の美が詰まっていると思います。嫌う人はいないですよね、この感じ。100点です。
――監督からは、演技についてどんなリクエストがあったのでしょうか。
稲垣 私、地声が高いほうなんですが、この深舟さんはオトナっぽい声のキャラクターだと言われて。いままでに出したことのない声で挑みました。低めの声だけど、暗くならずに。声を出すけど、高くならずに。そんな微妙な指示があったんですが、ちょっと気を抜くと、つい明るい声になっちゃうんです。指摘を受けて直す、指摘を受けて直す、のくり返しでした。
――さゆりは、見た目からしてクールですもんね。
稲垣 ツンデレで、気が強い子なんです。セリフにも、ツンデレ要素たっぷりのものがあったりして。性格は私と真逆な感じです(笑)。
――ツンデレ! たとえば、どんなツンなセリフがあったのでしょうか。
稲垣 たとえば……「こうしている時間も、いいものね」とデレっと言った後、「あっ」って気づいて、「いっしょにいて、うれしいって意味じゃないんだから!」って(笑)。
――まさにツンデレですね(笑)。
稲垣 デレツン、ですかね?(笑) これは演じていて、めっちゃ楽しかったです(笑)。
――物語が進むと、デレっぽいセリフが増えるのでは? と期待も高まります。
稲垣 じつは、主人公に告白をするセリフもあるんです。
――さゆりと仲よくなると、告白のセリフが聴けるということですね。
稲垣 渾身です! いちばん気合入れました。
――恥ずかしくはなかったですか?
稲垣 めっちゃ恥ずかしかったです(笑)。「やり直し」、「もう1回やって」なんて言われると、もっと恥ずかしくなって。私、地が関西弁なもので、標準語で話すこと自体、ちょっと恥ずかしさがあったんですけれど。さらに告白ということで、もう、だいぶ追い詰められました(笑)。
――周りがシーンとしていると、なおさら恥ずかしいですよね。
稲垣 密室だし、相手がいないし、映像もなくって。声だけで告白するのは本当に難しかったです。ぜひゲーム内で聴いてください!
――ツンデレなセリフのほかに、バトルでのセリフも収録されたと思うのですが、どんなセリフを収録しましたか?
稲垣 バトルのセリフでいちばん苦労したのは、悲鳴です。3種類あって、「きゃっ」、「きゃあっ」、「きゃーーー!」っていうんですが、のどがガラガラになっちゃって、最後はおじさんの断末魔みたいになって(笑)。なかなか苦労しました。昔、遊園地のジェットコースターに乗ったときのこととかを思い出しながら、絶叫しました。
――告白同様、悲鳴も渾身のセリフなのですね。でも、ゲーム中、あまり悲鳴は聴きたくないものですね(笑)。
稲垣 そうですね。もう(さゆりに)親心が芽生えてきちゃって、無事でいてほしいです。プレイする方は、大事に大事に扱ってあげてください。
――稲垣さんといえば、いろいろなモノマネで有名ですが、やはりモノマネと演技は違うものですか?
稲垣 ぜんぜん違います! 感情移入の面が、ぜんぜんちがくって。モノマネの場合は、声優さんの声のトーンや間を、機械的に覚えて、何回も練習するうちにできていく感じなんですけど、そこにほとんど感情は乗せないんです。感情を乗せる演技とは別物ですね。
■『魔都紅色幽撃隊』はキャラクターの動きが見どころ
――稲垣さんはゲームがお好きとのことですが、とくにどんなゲームがお好きなんですか?
稲垣 RPGはよく遊んでいて、いまも『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』を1年ぐらいずっとプレイしています。オーガでゴリゴリの戦士です!
――さゆりとは真逆ですね(笑)。
稲垣 最初は武器も持たずに、素手で戦ってたりしました(笑)。RPG以外には、格闘系のゲームも遊びます。
――ゲームは昔からプレイしていたんですか?
稲垣 お兄ちゃんがいるので、その影響で。お兄ちゃんのお古ばっかり遊んでいました。
――そんなゲーマーの稲垣さんから見た、『魔都紅色幽撃隊』の注目すべきポイントとはどこでしょう?
稲垣 映像を少しだけ見させてもらったんですけど、キャラクターの絵がスムーズに動くところがすごかったです。髪の毛の動きもリアルで、「ゲームってこんなことができるんだ!」って。それはぜひ見てほしいですね。
――『魔都紅色幽撃隊』はPS VitaとPS3で発売されますが、ハードはお持ちですか?
稲垣 どっちも持ってます! 私は隔週で海外のロケに行っているんですが、飛行機での移動がもう12時間ぐらいかかるので、移動中にPS Vitaで遊びたいと思います。家ではPS3版をプレイして、PS Vita版とは違う選択をしながらストーリーを進めるのもいいですね。
――告白を狙うキャラクターを変えるのもいいですよね。ところで、さゆりは霊が視える女の子なのですが、稲垣さんは霊を視た経験はありますか?
稲垣 霊感はまったくないんですけど、霊的な体験をしたことは1回あります。
――本当ですか! その経験とはいったいどのような……?
稲垣 吉本で、地方の営業にいっていたときに、先輩の笑い飯さんのネタ中に、後ろに飾っている吉本の横断幕みたいなものが、横に揺れだしたんです。屋内なので、風なんていっさいないのに。あれ、おかしいな? 空調で揺れてるのかな? でも、笑い飯さんのときだけなんておかしいな? ってみんなで言っていて。ぶんぶん横に揺れるから、怖いなって。
――空調による揺れではないですよね。
稲垣 その後、ぜんぶ終わった後に、サイン色紙の抽選会があって。お客さんのチケットの半券をボックスに入れて、私たちが引く、というのをやっていたんです。“あ”の3番、とか、そういうタイプの半券なんですけど、私ががさがさがさ、って引いて、「“と”の10番の人!」と言ったら、前列の“て”の人が、「あの、すいません……もう、お客さん、この列で終わりなんですけど」……って言ったんですよ!
――ええええ!
稲垣 「じゃあ、これ何!?」って。その場で「キャーー!」ってなって。揺れてたのと、半券の件とで、みんなビビリまくってて。それで、メンバーの中で唯一霊感が強いガリガリガリクソンさんが言うんです。「僕ね、さっき廊下を歩いてたら、トントンってされて、いっしょに来た芸人かな? と思ったら、そうだと思った人は5メートルぐらい先にいて。あれ、じゃあ何やったん? と思いながら楽屋に行ったら、笑い飯の西田さんの帽子の中に、長い髪の毛がバァッ! ってあった」って!
――こ、怖い!! ゾクッとしてしまいました……。
稲垣 その長い髪は、西田さんの髪かもしれませんけどね(笑)。っていう体験を、去年の夏にしました。
――怖いお話でした……。ありがとうございます。では、涼しくなったところで、最後に読者へのメッセージをお願いします。
稲垣 はい。今回、ゲームのキャラクターの声を担当することが初めての経験です。ひとりでも多くの方に声を聴いてもらいたい、ゲームを楽しんでもらいたいという気持ちでいっぱいです。その際には、このキャラクターをできるだけかわいがってください。無茶な戦いは止してください! いっちょまえに親心が生まれましたので、大事にしてほしいです。それから、何回でもプレイしてほしいなと思います。よろしくお願いします。