2013年9月19日~22日に開催された“東京ゲームショウ2013”。会期中に、エレクトロニック・アーツから発売される『FIFA14 ワールドクラスサッカー』についてのお話をうかがうことができた。同シリーズのキーマンふたりに行ったインタビューを掲載する。

●進化し続ける『FIFA』シリーズ

 2013年9月19日~22日に開催された“東京ゲームショウ2013”。会期中に、エレクトロニック・アーツから発売される『FIFA14 ワールドクラスサッカー』についてのお話をうかがうことができた。ここでは、同シリーズのキーマン、Kaz Makita氏とDavid Rutter氏それぞれへのインタビューを掲載する。

●より“リアルサッカー”を楽しんでもらうために

――まずは、改めて『FIFA14』からの新要素について教えてください。
Kaz Makita氏(以下、Kaz) では、現行機であるPS3/Xbox 360版から説明しましょうか。まずは“シュート”の見直しと中盤の試合展開をどうするかというのが、大きな課題でした。シュートは気持ちよさを考え、ボールのスピードやアングル(角度)、また、いろいろなシュート体勢でも対応できるようにアニメーションを追加しました。それから“ピュアショット”と呼んでいるのですが、どんな体勢からでもシュートを打つことができ、また、そのときの体勢がシュートに反映されるように調整しています。たとえば、足元にボールが詰まったときに強引に打ったシュートは、強烈なシュートではないですよね。そういった状況に対応できるようにしたのが“ピュアショット”です。やはり、ゲーム中でシュートはいちばん気持ちいい場面ですから、そこは見直しました。ここは新世代機でも同様です。
 中盤については、ボールを相手から守る守りかたや体をどう入れてつぎの行動に移すか、というおもしろさを意識しました。ゲームスピードも、それによって少しゆっくりめというか、じっくり遊べるものになっていると思います。“ロコモーション”という、ゲームでいちばんの基礎となる選手の動きですが、慣性がついています。いままでだと、ターンをするときにカクッと曲がるような“人間らしくない動き”が生じてしまったのですが、本作では、キチンと重心移動があり、一歩一歩の足の動かしかたを計算しています。その動きによって、つぎにどのような展開ができるのかというのを精密に計算しています。恐らくプレイした感覚としては、より人らしく、サッカー選手の動きになりました。

――今回は攻撃面、ビルドアップからフィニッシュまでの気持ちよさを追求しているわけですね。
Kaz そうですね。先ほどの“ロコモーション”についても、作るのに2年くらいかかっています。基礎になる重要な部分ですから、ボールの動きも含め、このタイミングでより現実的なサッカーとしてのバランスを考えながら作りました。

――新要素のひとつに、オンラインモードの“シーズン(協力プレイ)”がありますね。
Kaz “シーズン”モードは、ゲームのなかでいちばん遊んでいただいているモードです。いままで1対1でプレイできましたが、「2対2でプレイしたい」というご意見をたくさんいただき、今回搭載することになりました。

――ライセンスも増えました。
Kaz 本作は33リーグとオフィシャルライセンスを結びました。チームは600以上、選手も16000人以上収録しています。さらに、ブラジルの代表チームともライセンスを結びました。ブラジルやアルゼンチン、チリのチームが増えたというのは、とくに“キャリアモード”をプレイしたときによさが感じられるはずです。新たに“グローバルスカウティングネットワーク”という、選手を発掘するシステムによって、いままで知らなかった選手を探し出してくれると思いますよ。

――AIの進化についてはいかがですか?
Kaz より周囲を見る、チームメイトや相手の選手の動きを読みながら、先を考えるようなAIになっています。いままではいてほしい場所になかなかいなかったりということもありましたが、これからはそういったケースも減ると思います。とくに新世代機では、4倍ほどのスピードで処理できるので、より細かい状況判断ができます。アニメーションパターンも約10倍になっているので、いろいろなパターンが表現されているのがわかると思います。

――現行機と新世代機におけるプレイ感覚の差はかなりあるのですか?
Kaz 方向性は同じですし、改良点も共有しています。ただし、当然アニメーションパターンが増えたりしているわけですから、まったく同じものではない、というのも事実です。新世代機に関しては、我々も初めてですから、いろいろなことをテストしながら作っています。ですから未知の部分もあるのですが、現在でも十分満足と開発チームでも手ごたえを感じているところです。

――“Ultimate Team”も新要素があるそうですね。
Kaz かなり大きな進化になると思います。これまでは、各選手に得意なフォーメーションが設定されていて、どうしてもそれに縛られることがありました。もちろん、それも楽しみかたのひとつですが、今回は“FUTケミストリースタイル”といって、選手に特殊能力があって、そのスタイルを付与することで能力値が上がります。より簡単にチームを作ることができますし、より深い遊びかたができるようになります。同じ選手でも、自分の目指すケミストリースタイルによって、違う特長を持ったチームにすることができます。

――Xbox Oneでは、“Ultimate Team Legends”が発表されました。
Kaz はい。ずっとやりたかったアイデアです。ただ、レジェンドの選手と現役の選手とのバランスをどうするのかは難しいところです。リアルなサッカーを目指しているのに、レジェンド選手を入れることで、逆にリアルではなくなる可能性も高いわけです。でも、サッカーファンにとっては夢のようなことですから、この新世代機のタイミングで入れることにしました。40人までは決まっていて、今後増える可能性もあります。

――体験版を配信しましたが、反響はいかがですか?
Kaz とてもいい評価をいただいています。今回は新世代機版も出すので、「どうなるかな?」と思いましたが、いままでシリーズで築き上げてきた実績もありますし、前作からどう変わったのかということに注目されていたようです。それで、触っていただいた結果、「想像以上に変わっているし、おもしろくなっている」というご意見をいただいています。

――モバイル版について教えてください。F2Pなのですか?
Kaz はい。現在、モバイルゲームの多くはF2Pですし、これまでも多くの方に遊んでいただいてきましたが、さらにその人数を増やすにはどうしたらいいか、ということもあり、F2Pスタイルにしました。また、これまではバーチャルキーパッドといって、コントローラでの操作を前提にしてきました。ただ、せっかくタッチスクリーンがあるのにもったいないということで、スワイプやタップを使った直観的な操作でプレイできるようにデザインから作り直しました。

――最後に、今後の『FIFA』シリーズの展望を聞かせてください。
Kaz モバイルも含めてですが、『FIFA』のブランドや我々の目指しているリアルサッカーというものを、より多くの方に、より多くの時間、楽しんでいただけるものを作りたいです。それはモバイルから新世代機など、さまざまな形があると思いますが、それぞれのプラットフォームの特長を生かしながら、グローバルに展開していきたいとつねに考えています。サッカーが好きな方の夢をかなえるゲームを作りたいと思っていますし、これからもその方向でゲームを作りたいと思います。実際にスタジアムに行かなくても、ゲームのなかでサッカーに触れていただけるようなゲームを作りたいと思っています。

●スタジアムの臨場感を感じてほしい

――Rutterさんは、『FIFA』シリーズにはどのように関わっているのですか?
David Rutter氏(以下、David) 私は2007年にEAカナダに入社し、『FIFA09』から『FIFA』シリーズに携わっています。本作ではエグゼクティブ・プロデューサーを務めています。

――さて、『FIFA14』も大きな進化を遂げていますが、いちばんの魅力はどこだとお考えですか?
David 難しい質問です。「A lot(たくさん)」(笑)。先ほどKazがお話しした“ピュアシュート”や“プロテクトボール”といった、選手の動きの部分にも注目してください。新世代機では“プロインスティンクト”という、現実に近い反応で、選手が先を予測して状況反応することができます。さらに、スタジアムの臨場感というか、観客ひとりひとりの動きや、ウォーミングアップする選手などの描写もすごいですよ。スタジアムの雰囲気を再現で来ていると思います。ほかには……本当に、ひとつに絞るのは難しいですね(笑)。

――新世代機用に新たにゲームエンジン“EA SPORTS IGNITE ENGINE”を作られましたね。
David ゲームの動きをほかのタイトルと共有するのは、以前からやっていました。スポーツゲーム以外でも、『バトルフィールド』などとも共有している部分があるんですよ。新世代機になって、より効率よくなりますし、共有すればするだけ、さらにいいものになると思います。

――先日、デモ版を配信しましたが、感想などは届いていますか?
David デモ版を配信してから、皆さんからの感想や意見を、Facebookやツイッターなどでチェックし、フィードバックをまとめています。おおむね高い評価をいただいていると思っていますが、改善できる部分については対応したいと思います。

――では、最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
David 日本のゲームファンの皆さんから、『FIFA14』興味を持ってもらって、とても感謝しています。もうすぐ発売されるPS3/Xbox 360版は、さらに進化していますので、本作でも『FIFA』の目指す“リアルサッカー”を楽しんでもらえると思います。また、“EA SPORTS IGNITE ENGINE”による、新世代のPS4/Xbox One版では、新世代ハードと新しいゲームエンジンにより、さらに新しいサッカーゲームを楽しんでいただけると思っています。現行機から、新世代機へはデータ移行もできますので、まずはPS3/Xbox 360版を存分に楽しんでください。