“ロンチ期間”は2年間という認識、その間のタイトルラインアップには自信あり

 東京ゲームショウ 2013の会期にあわせて、マイクロソフトスタジオ コーポレートバイス・プレジデント、フィル・スペンサー氏が来日。ファミ通の単独インタビューに応じてくれた。Xbox Oneビジネスのキーパーソンとも言えるスペンサー氏に、Xbox Oneの今後の戦略などを聞いた。なおインタビューには、日本マイクロソフト 執行役 インタラクティブ・エンターテイメント・ビジネス ゼネラルマネージャーの泉水敬氏にもご同席いただいた。

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▲フィル・スペンサー氏(左)と泉水敬氏(右)。

“完全な形”で提供するために、日本国内の2014年発売は必須だった

――ワールドワイドでのXbox Oneの発売日が11月22日に決まりましたが、ずばり日本国内の発売時期はいつになりますか?

フィル 日本での発売時期は2014年になります。具体的な日にち、価格などのアナウンスは今回の東京ゲームショウ 2013では行ないません。いずれ時期が来たら発表させていただくことになると思います。2014年のいつになるかについては、現時点ではお答えできないです。

――日本での発売が、ワールドワイドと同タイミングの2013年11月22日ではなく、2014年になった理由を教えてください。

フィル Xbox Oneは、ゲームはもちろん、Kinectやエンターテインメントサービスなど、ハードとして、かなり完成されています。日本のような重要なマーケットでリリースするときは、パートナーシップや現地の言語化なども含め、“完全な形”できちんと発売できるようにしたいと思っていました。そのための時間がどうしても必要ということで、11月22日のロンチには間に合わないと判断しました。

――E3のときには、「世界21地域で」とアナウンスしていましたが、先日の正式発表では、11月22日に発売されるのは、世界13地域になりました。これも同じ理由からですか?

フィル そうです。E3のときは「21地域で」ということで発表したのですが、夏を経て、ハードウェアとプラットフォームの開発を進める過程で、明らかにいくつかの地域に関しては、もう少し時間が必要になりそうだという判断がありました。さきほど申しました通り、Xbox Oneに関しては“完全な体験を提供したい”という考えでいましたので、完全でないものをたくさんの地域で提供するよりも、本当に確信が持ててからこそ展開していきたい、ということで決断しました。Xbox Oneに関しては、2013年は13地域での発売になります。13地域以外は、2014年の発売となります。

――先般の発表で、CPUのクロック数が当初アナウンスしていた1.6GHzから1.75GHzへ変更になりましたが、その理由をお教えください。

フィル 夏のあいだ、ハードウェアの最終的な詰めをしていたときに、CPUとGPUの速度を上げられる可能性が出てきたんです。プラットフォームの仕様がしっかりと固まっていくなかで、プラットフォームのパフォーマンスが出てきたところで、少し余裕があるということがわかりました。エンジニアはもともとハードの仕様に関して、少なめに見積もるということもあるんですが……。ゲームの開発者にとっては、朗報だと思います。

――では、現時点でのプリオーダー(予約)の手応えをお教えください。

フィル プリオーダーの数字ですが、初代Xbox、Xbox 360と比べても、かつてないほどの規模になっています。我々の予想を遥かに超えています。ロンチ時には少しでも多くの本体を提供できるように、現在調整しているところです。

――Xbox Oneの2013年内および、2014年末までの販売目標をお教えください。

フィル 目標はあるのですが、この場での発表は差し控えさせていただきます。ご存じの通り、ゲームファンの皆さんは、プラットフォームとしての完成度やタイトルラインアップを判断して、どのハードを購入されるかを判断されます。そういった意味では、私は、この2年間をXbox Oneのロンチ期間と認識しています。多くのユーザーの方は、ハードの需要がもっとも高まるホリデーシーズンに、ハードがどのように魅力的な形で提供されているかを気にされると思います。そういった意味では、2013年末と2014年末のホリデーシーズンまでに我々が提供できるコンテンツは、とてもすばらしいものになると思っています。独占タイトルの『タイタンフォール』しかり、Xbox One版『Halo』しかり、さまざまなタイトルがあります。こういったゲームが思った通りにリリースされれば、Xbox Oneのロンチは必ずや成功すると確信しています。

――Xbox Oneでは、ロンチを2年間というスパンで捉えていらっしゃるんですね?

フィル 私は、Xbox Oneで、Xboxのロンチとしては3回めを経験することになります。従来からのファンの方はXbox Oneをすぐに購入してくださると期待していますが、一方で、新しいユーザーの方にもしっかりとXbox Oneの魅力をアピールしていきたいと思っています。今後、Xbox Oneのサービスは何年も続いていくわけですが、長期的な視野に立って、Xbox Oneの魅力を訴求していきたい。そういう意味では、2年というじっくりとした期間をとって、Xbox Oneの魅力を伝えていきたいと思っています。

泉水 そういう意味では、じつはXbox 360のときも、我々は2年間をロンチ期間と考えて、サービスの拡張を考えていました。同様にXbox Oneも、この2年間に、どれだけのタイトルを提供できるか、サービスを拡張できるかによって、より広い層のユーザーの方に満足していただけるかが、大切になってくると思っています。

――Xbox Oneの魅力を伝えようと思うと、2年くらいはかかってしまう?

フィル Xbox Oneというコンソールはいままでにないくらい多様な魅力を持っています。Xbox Oneを使ってできることの幅は広がっています。ゲームはもちろん、テレビをXbox One経由でみたり、ブラウジングをしたり、ビデオを見たり、音楽を聞いたり、さまざまなアプリケーションを起動させることもできます。ユーザーの皆さんは、コンソールを購入するときは、きちんと動機があるわけで、そういった明確な購入のための後押しをしてあげられれば……と思っています。

――価格が499ドルと、同時期にリリースされるプレイステーション4よりも100ドル程度高いですが、不利になるとお考えですか?

フィル Xbox Oneでは、本当に充実したサービスをご提供できます。一例を上げれば、何100、何1000というクラウド内のサーバーが、Xbox Oneのバックグラウンドにあります。ゲームを通してそれをうまく活用できるようになっている。ゲームを遊ぶ側、ゲームを開発する側にとって、すごく大きな価値です。これだけの“完全なサービス”ならば、満足していただけると期待しています。ファンの方たちには、Xbox Oneの価値で判断してもらいたいと思っています。

――Kinectを同梱しないXbox One単体バージョンの発売などは検討していますか?

フィル 検討していません。なぜなら、Xbox OneにはKinectが必須だからです。その理由の一端として、プログラムの要所要所で、Kinectがないとサービスがうまくいかないということがあります。単純にXbox Oneにログインするだけでも、生体反応でプレイヤー自身を、自分だと認識させる機能も入ります。また、テレビを操作するのもKinectを使います。音声認識に関してもそうで、あらゆるゲームに組み込まれていますし、ダッシュボードでも活用することになります。Skypeの体験もそうです。KinectはXbox Oneのあらゆるサービスに統合されているんです。Kinectがあるからこそ、Xbox Oneが魅力的なものになっていると考えていますので、Xbox One単体での発売は考えていません。

日本ファンの好みにあった独占タイトルも予定している

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――それでは、Xbox Oneの国内販売戦略をお教えください。

フィル まず私から申し上げますが、日本は私たちにとってつねに重要なマーケットです。長年にわたっていっしょに仕事をしてきたクリエイターの方もいますし、パブリッシャーの皆さんの支援も得ております。今回(Xbox One)もそうです。E3ではKONAMIの小島監督にご登壇いただきましたし、カプコンの『DEAD RISING 3』はXbox One独占タイトルとしてリリースさせていただきます。Xbox Oneに関しては、日本でどのようにすれば成功するかについていろいろと考えてきたわけですが、そのために日本のゲームファンからいろいろなフィードバックを得てきました。たとえばKinect。Kinectに関しては、日本の一般的な部屋ならば、どれくらいの広さが適正かということも見てきました。部屋が小さいのであれば、認識する距離を短くしようということで取り組んできました。Xbox Oneのサービスが、どういった形であれば、日本のゲームファンに適正に提供できるかということで、いろいろと盛り込んでいます。

泉水 そういう意味で、さきほどから“完全”という言葉が何度も出ているのですが、ユーザーの皆さんが求められるすべての体験――ゲーム体験やゲーム以外のエンターテインメント、を完全な形で提供することが、全世界で一貫してXbox Oneのコンセプトになっています。そういう意味で、日本のユーザーの方にも満足していただけるような“完全”な体験をご用意したいと思っています。それはコンテンツがローカライズされているというだけではなくて、日本のユーザーの皆さんに楽しんでいただけるゲームであったり、ゲーム以外のエンターテインメントやサービスであったりします。すべてをきちんと取り揃えて、ご提供することが、我々のいまの戦略の基本となります。

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――日本のゲームユーザーに訴求する、もっとも強力なポイントは何になりますか?

泉水 日本のユーザーの皆さんの生活スタイルも変わってきていると思うんです。スマートフォンとかタブレットを利用するユーザーの方も増えてきています。ゲームユーザーの中にもそういった方々が増えてきているなかで、日本のユーザーの皆さんに、いまの生活スタイルに合った体験をご提供できると考えています。それが、Xbox One最大のポイントになると思います。そのなかには、当然Kinectを使った自然なインターフェースの充実もあります。さきほどフィルも言っていましたが、場所を取らなかったり、騒音に邪魔されずに、もっと自然にKinectを使えるといった対応も含めて、もっと日本の住環境にあったサービスを提供できると思います。

――テレビサービスなども、各地域にあわせてローカライズされるとのことですが、日本市場での手応えはいかがでしょうか?

泉水 Xbox Oneというデバイス自体の特性が、Xbox 360と大きく違っています。Xbox 360は、ゲームにかなり特化した設計だったんですね。一方で、Xbox Oneは、設計段階からさまざまなタイプのコンテンツを取り込めるようになっています。これまで発表させていただいたとおり、OSも3つ搭載しています。ゲーム専用のOSであったり、比較的Windowsに近い形で搭載されたOSもあります。Xbox Oneは、ゲーム以外のアプリケーションを展開しやすいデバイスなんですね。オンラインサービスを含めたプラットフォーム全体を見たときに、ゲーム以外のサービスをきちんと取り込める態勢ができあがっています。それは、Xbox 360から継続しての成果でもあります。

――テレビ局を含めた、国内でのサービスを提供する企業とも話し合いを進めていると思いますが、手応えはある?

泉水 はい。パートナーの皆さんと、さまざまな分野で会話は始めさせていただいておりまして、準備も進めております。

――それでは、Xbox 360のときは、日本の人気RPGをXbox 360独占で展開し、好評でした。Xbox Oneではこのような動きはありますでしょうか?

フィル はい。さきほど、泉水と私のほうで、ちょうどデベロッパーの方とお会いして、日本の開発者とXbox Oneの展開についてお話をしておりました。じつは、日本の開発者の皆さんと協力してエクスクルシブなタイトルを開発しようと思っています。(日本の)ロンチに近くなりましたら、それらのタイトルは発表されていくことになると思います。やはりローカルで開発したコンテンツは大切です。とくに日本はテレビゲーム発祥の地なので、なおさらです。Xbox 360における『ブルードラゴン』や『ロストオデッセイ』はすばらしい体験でした。今回も、新しいデベロッパーの方々とXbox Oneでパートナーシップを組むのを楽しみにしています。日本の開発者の方々からは、すばらしい反応をいただいております。

――Xbox 360でたくさんの独占タイトルをリリースしてインパクトを与えましたが、Xbox Oneでも同様なことが?

フィル インパクトというのは、ゲームファンの皆さんが判断することになるかとは思いますが、パートナーシップの数などを鑑みるに、かなり大きなインパクトをもたらすことになるではないかと期待しています。Xbox Oneに対するゲーマーの愛に応えられるものになっていくのではないでしょうか。日本でも世界でも。とくにXbox Oneは地域的な制約がないので、日本の開発者がXbox Oneで開発をすると、グローバルに対応していけるというメリットもありますし。

泉水 Xbox 360のロンチのときとは、日本のゲーム市場の実情も、ゲームメーカーさんの状況も変わっていると思います。そういった意味では、Xbox 360のときとまったく同じような展開ができるとは言い切れませんが、どういうコンテンツを世の中に出していくことで、インパクトをもたらすことができるかは、つねにサードパーティーさんとお話をしながら、いろいろな可能性を探っています。

タイトルラインアップには絶大な自信を持っている

――東京ゲームショウ 2013で、日本にXbox Oneが初上陸します。改めて、Xbox Oneの魅力をお教えください。

フィル はい。そもそもXbox Oneのデザインを考えたときに、「いまゲームファンはどのようにゲームを遊んでいるのか?」という考えが念頭にありました。今日は、それこそたくさんのデバイスでゲームを遊んでいますよね。スマートフォンでも、タブレットでも……。我々としては、こういったさまざまなデバイスで得られる経験を、コンソールの中に組み込みたいと思ったんです。ふたつのゲーム環境を統合したいというのが、スタート地点です。いまでは、ゲームをしながら、あるいは家でテレビを見ながら、多くの方は別のデバイスを手にしていますよね。そこで友だちとチャットしたり、WEBをブラウズしたりしている。さきほど泉水も申しましたが、コンソールの中に、いかにそういったさまざまな機能を組み込んでいくかがテーマでした。従来のコンソールというのは、ひとつのゲームを終わせて、新しいゲームを始めて……といった使われかたをしますが、Xbox Oneにおいては、複数のアプリケーションを同時に並行して走らせられるようにしようと考えたわけです。そして、音声あるいはコントローラー、あるいはゼスチャーでアプリケーション間のスイッチングを簡単にできるようにしようとしました。たとえば、『Forza Motorsport 5』をプレイしながら、WEBをブラウズしたり、友だちとSkypeしたりといったことができるわけです。これは、PCなどの、いまの一般的なデバイスでやっていることと環境的にはいっしょです。その同じ環境をXbox Oneに入れたかったんです。そのうえで、“超大作”と言われるゲームが遊べるように、グラフィックも4Kまで、解像度もアップすることを考えました。本当に、美しい60フレームのゲームを実現したいと思ったんです。実際のところ、現在このプラットフォームで用意できているコンテンツには、非常に満足しています。4Kに関しては、Xbox One自体でのサポートを通して、4Kでのアウトプットが可能になっていますよ。

――プレイステーション4と比較し、Xbox Oneのもっともすぐれているポイントはどこになりますか?

フィル (笑)。私たちは、私たちがフォーカスすることに注力しています。比較ということはしないのですが、ソニーさんは長い歴史があり、プレイステーションの成功があり、私も心から尊敬しています。私どもXbox Oneに関して言いますと、たいへん満足していることがありまして、それはゲームのラインアップです。ロンチ時、そして、最初の2回のホリデーシーズンを通して、コンテンツを充実させることを考えています。E3において、エクスクルシブのタイトルラインアップを発表しましたが、『タイタンフォール』を筆頭に、ほかのプラットフォームよりも遥かに多くの賞を受賞したんです。E3史上で、最大の数の賞を受賞しているんですよ。既存のIP、新しいIPも充実しています。『Killer Instinct』といった昔のIPの復活もあります。最初の2年間は、とくにタイトルラインアップが非常に強力になるのではないかと考えています。

――Xbox Oneの魅力的なサービスとしてクラウドがあります。フィルさんの口から、Xbox Oneにおけるクラウドの可能性をお聞かせください。

フィル 今日、多くのゲームがオンラインなどのサービスを提供しています。F2Pでも、マルチプレイヤータイプでも、演算能力に関してはクラウドに依存していることになります。Xbox Oneを設計したときには、開発者のために、我々がハードウェアに投資をしようと考えていました。ゲームを開発する際の負担にならないように、またサービスのインフラも負担にならないように……ということを前提に考えました。そのうえで、ロンチ後のクラウドに関しては、3つの主要な用途を考えています。
 ひとつめは、『コール オブ デューティ ゴースト』がそうですが、専用のサーバーを設けるつもりでいます。コードネームは“サンダーヘッド”と呼んでいるのですが、それによって、マルチプレイヤーの、一貫して安価な環境を提供できることになります。多くのゲームが専用サーバーを活用していただけることになると思います。
 ふたつめが、これは『Forza Motorsport 5』がいい例だと思うのですが、クラウドにフレンドの情報を保存しておけます。そうすると、ゲームに入ったときに、フレンドたちと遊んでいるような感覚を与えることができます。友だちのプレイスタイルを真似て、クルマを運転してくれるAIとレースができるというのはその一例です。
 3つめの用途は、CPUの演算部分をクラウドで行いたいというデベロッパーへの対応。クラウドのCPUを使って演算をして、その結果をローカルのXbox Oneに返してくる。それだけパフォーマンスが上がるわけです。スタンドアローンでCPUにつながっていないとクラウドが使えませんので、そういった意味で、何100万ドル規模の投資をクラウドに対して行っています。これは、今後のゲーム産業においても、非常に重要な成長ポイントだと思っています。

――Xbox Oneのマルチプレイヤーは、ほかにはない上質な体験ができる?

フィル 『コール オブ デューティ ゴースト』の開発チームから、Xbox Oneの専用サーバーを使いたいという要望がありました。なぜ、Xbox Oneの専用サーバーを使ってくれることにしてくれたのかは、彼らに聞いたほうがいいように思いますが、私たちが提供できるサービスから判断して、おそらくは『コール オブ デューティ ゴースト』の体験にとって、Xbox Oneの専用サーバーが最適だと判断したのではないかと……。

『Halo Xbox One』は、やっぱり『Halo 5』?

――ソフト関連の質問をさせてください。E3で発表された新生『Halo Xbox One』は、ずばり『Halo 5』ですか?

フィル (笑)。『Halo Xbox One』をどう呼ぶかについては、まだ正式発表はしていません。ですが、『Halo』の過去の経緯を見ると、想像がつくと思うんですよ、どういう名前になるかということが(笑)。

――つまり、『Halo 5』に?

フィル 記者の方がそのように考えるのであれば、そう書いていただければ(笑)。実際のところ、『Halo Xbox One』はロンチタイトルという位置づけではないので、これ以上アナウンスできることはないです。Xbox Oneには、『Ryse Son of Rome』や『DEAD RISING 3』、『Forza Motorsport 5』といった強力なロンチタイトルが控えています。発表できるタイミングが来れば、詳細はお伝えできるようになると思います。343 Industriesは、つぎの『Halo』をどうするか一生懸命に考えておりまして、とにかくすばらしいものになると思いますよ。

――では、『Halo』のテレビシリーズの進捗状況をお聞かせください。

フィル 本作は、スティーブン・スピルバーグとの提携を軸にしておりまして、「『Halo』を映像に!」ということをコンセプトに展開しております。いまは開発の途上でして、クリエイティブコンセプトを詰めている段階ですね。マイクロソフトとして、「『Halo』がこのようになってもらいたい」という意向は伝えてあるんですね。スピルバーグさんは『Halo』のファンだし、経験も豊富な方です。彼の『Halo』の解釈もあると思うんですね。スピルバーグさんも情熱を傾けてくれていますので、そこも見てみたいという思いがあります。ボニー・ロスや、キキ・ウルフキル、フランク・オコナーといった343 Industriesの中核メンバーが、スピルバーグさんと夏のあいだに、『Halo』のテレビシリーズのコンセプトをどうするか、話し合いを持っています。ファンの方に具体的なものをお見せするのは、少し先になると思います。私たちにとっても、『Halo』というのは、Xboxのアイコン的な存在で、とても重要なものです。私たちもきちんと伝えたいと思っていますので、いましばらくお待ちください。進捗は順調です。

――『ギアーズ オブ ウォー』シリーズは、Xbox Oneで展開されますか?

フィル 『ギアーズ オブ ウォー』を開発したエピック・ゲームズとは、Xbox 360からの長いパートナーです。エピック・ゲームズとも、彼らがどうしたいかというのを話しているところです。『ギアーズ オブ ウォー』に関しては、まだ何も発表していませんが、何かしらの形で『ギアーズ オブ ウォー』をXbox Oneに持ち込みたいなとは思っています。ただし、いまの段階ではお話しできることはないです。

――それでは最後に、Xbox Oneを楽しみにしている日本のファンへのメッセージをお願いします。

フィル ずっとXboxをサポートしてくださっているファンの皆さんには、感謝の気持ちがいっぱいでいます。何回にもわたって日本には来ています。東京ゲームショウだけではなく、デベロッパーの方にお会いしたり、ファンの方とお話をさせていただいています。「プラットフォームをこうしてくれたら、よりいい」ということも含めて、ファンの皆さんが私たちにどのようなことを期待されているか、聞いてきました。日本の成功は私たちにとっても、非常に重要なものだと思っています。泉水を始め、日本のチームも日本でのさらなる普及に注力しています。ゲームのコミュニティーのパートナーという意味で、私たちは力を入れています。ぜひとも、Xbox Oneの展開に期待してください。

泉水 今週の東京ゲームショウで日本の皆さんに始めてXbox Oneをお披露目できることをうれしく思っています。来年にはなってしまいますが、できるだけ早いタイミングで“コンプリート”な体験というのを、日本の皆さんにも、きちんと満足のいただける形でご提供できるように準備を進めていますので、楽しみにしていてください。

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