『スプリンターセル ブラックリスト』では、素のサムが見えてくる!?

 ユービーアイソフトから2013年9月5日に発売されたWii U/プレイステーション3/Xbox 360用ソフト『スプリンターセル ブラックリスト』。ファミ通ドットコムでは、本作に出演している豪華キャストへのインタビューを、3回にわたってお届けする。今回は、主役のサム・フィッシャーを演じている玄田哲章さんにお話をうかがった。

『スプリンターセル ブラックリスト』キャストインタビューその1 サム・フィッシャー役 玄田哲章_01
■玄田哲章さんプロフィール
5月20日生まれ、岡山県出身。洋画やアニメなど、多方面で活躍。アーノルド・シュワルツェネッガーやシルベスター・スタローンなどの吹き替えを担当していることで知られる。

――シリーズを通して、サム・フィッシャーを演じられていますが、玄田さんから見たサムの印象を教えてください。
玄田 彼は、任務を遂行するうえでは、プロに徹していると思います。ただ、人間らしい、素の部分も持っています。今回はセリフがものすごく多かったのですが、その分、緊迫したシーンと、彼の人間性が見えるシーンの差が出ていると思います。

――あまり語られてこなかった、サムの内面に触れられるシーンもあるのですね。
玄田 そうですね。今回で、サムを演じるのは6回目ですが、長くシリーズを続けていると、それだけいろいろなものが見えてきます。サムとはどういう人間なのかが、いろいろな角度で見えてくるのがおもしろかったですね。

――素のサムが見えてきたことによって、玄田さんの演技も変化したのでしょうか。
玄田 いえ、気負って演じかたを変えたりはしていません。最初は、どういう風に役を作っていくか考えるものですが、6作目ともなると、冷静に、自然と役に向き合えるんです。

――では、『スプリンターセル ブラックリスト』の物語の中で、とくに印象的だったシーンを教えてください。
玄田 サムは世界各国を巡って任務をこなしますが、任務中に危険な状況に陥ってしまったサムが、どうやってその場を切り抜けるのか? そこがやはり、おもしろいポイントだと思います。

――今回のサムは、フォースエシュロンのトップとして、チームメンバーたちと関わりますよね。リーダーとしてのサムは、どのような人物でしたか?
玄田 冷静に話しているシーンが多かった気がしますね。よほどのことがないと、声を荒げません。それでも、だんだんと状況が切迫してくると、興奮してしまう面もありました。

――そのような、冷静なサムでも苦悩してしまうようなシーンでは、玄田さんはどのような心境なのでしょうか。
玄田 サムが苦悩する前に、それまでの収録で自分が苦悩していたりするので(笑)。そのように、自分を追い込んでいくしかないですよね。ゲームの収録は、映像がないので、その状況を想像する材料が乏しいんです。英語のセリフのニュアンスを聴いて、ディレクターに指導してもらって演じるのですが、完成するまではデキがわからないので、不安もあります。映像が補ってくれていると信じていますけれどね。

――『スプリンターセル ブラックリスト』の物語をひと言で表現するとしたら、どのような言葉になりますか?
玄田 ひと言なんかでは、言えないですね(笑)。

――では、サムをひと言で表すとしたら?
玄田 “古い男”でしょうか。寡黙でとっつきにくいけれど、不条理なことへの怒りを見せる熱さを秘めている。今風ではないですが、男なら「こういう生き方をしてみたい」と思うタイプですね。危険の中で仕事をしているというのも、憧れですよね。

――ちなみに、声優業における危険な状況とは……?
玄田 やはり、役とのぶつかり合いが起きるときですね。スタジオは、(戦いの)リングのようなものです。役とぶつかって、討ち死にするかもしれない、という状況。

――今回、サムという役との戦いはいかがでしたか?
玄田 ちょっと、疲れましたね(笑)。演じているときは無我夢中なんですけれども、終わってみると、疲労感があります。手強い相手でした。

――最後に、ゲームファンにメッセージをお願いします。
玄田 6作も続くゲームというのは、なかなかありませんから、うれしいですね。『スプリンターセル』は、もはや僕にとって宝ですし、大事にしたいと思っています。皆さんにも楽しんでいただけるとうれしいです。

『スプリンターセル ブラックリスト』キャストインタビューその1 サム・フィッシャー役 玄田哲章_02