●今年のファンタジー・ロック・フェスは、ゴシック風味がたっぷり!

 2013年8月17日、18日の2日間、神奈川県川崎市のクラブチッタにて、“ファンタジー・ロック・フェス2013”が行われた。ファンタジー・ロック・フェスは、『ファイナルファンタジー』の音楽の父として知られる植松伸夫氏と、プログレッシブ・ロックの雑誌「ストレンジ・デイズ」の編集長である岩本晃市郎氏が企画を担当しているライブで、今回で3回目の開催となる。

 “ゲーム音楽=ファンタジー=プログレッシブ・ロック”を体現するものとして企画されたファンタジー・ロック・フェスだが、カンタンに言ってしまえば「ファンタジーでロックな音楽なら、なんでもオーケー」で、今回も非常に個性豊かなアーティストたちが出演した。ここでは、2日目の公演の模様をお届けする。

■日比谷カタン

 前日の公演に続いてオープニングアクトを務めたのは、ギターを片手に、さまざまな声色で歌うシンガーソングライター・日比谷カタン氏。数年前、カタン氏が出演したライブを植松氏がたまたま観に行き、その音楽に衝撃を受け、すぐに楽屋に行って挨拶をしたことで交流が生まれ、それがきっかけで『ロストオデッセイ』のラストバトル曲「亡魂咆哮」のラップをカタン氏が歌うことになったそうだ。ファンタジー・ロック・フェスでは、「亡魂咆哮」をカタン氏が熱唱。高い声から低い声までを瞬時に使い分け、ソロとは思えないパフォーマンスを見せた。

「ヴィリジアンゼラニウム~少女緑化計画」
「亡魂咆哮」
「終末のひととき」
「対話の可能性」

■死蝋月比古(しろうつきひこ)
ボーカル:畑 亜貴、キーボード:森藤晶司、バイオリン:岡田鉄平・武田圭司、コーラス:CAO・和喜

ゲスト……コーラス:五十嵐“Angie.”久勝、鳴り物:Koki → FUKU 福面 MEN_Green、組太鼓:Kyo → FUKU 福面 MEN_Black、津軽三味線:Hibiki → FUKU 福面 MEN_Red、VJ: VJ.BM

 “死蝋月比古”は、数々の人気アニメ・ゲームに詞や曲を提供している畑 亜貴氏がボーカルを務めるプログレッシブ・ユニット。畑氏と言えば、「涼宮ハルヒの憂鬱」や「らき☆すた」、「ラブライブ!」などの曲の明るい歌詞が思い浮かぶが、死蝋月比古の楽曲は正反対。「音楽と言えば鬱々ですよ!」、「ハッピーな曲を聴いていると、アンハッピーになります」という畑氏が生み出す、ダークでゴシックな世界の数々に、会場は圧倒された。また、畑氏のゲーム好きを体現する曲として演奏されたのは「MINERVA ROAD」。これは、畑氏がファミコン用ソフト『ミネルバトンサーガ』が好きすぎて、作曲者に許可を取り、ゲームのオープニングとフィールドの曲をつなげ、オリジナルの旋律を加えて歌にしたというもの。畑氏の愛とこだわりが感じられる1曲だった。

「天狼星」
「窒素揺れて」
「鏡の名前」
「MINERVA ROAD」
「永遠無惨」
「メソポタミア」
「みらいみらいあるところに」
「落日」
「サクラノ星座」

■妖精帝國
ボーカル:ゆい、ギター:橘 尭葉、ベース:Nanami、ギター:紫煉、ドラム:Gight

 音楽を通じて人々に妖精の存在を思い出させることで、妖精帝國の再興を目指すバンド“妖精帝國”。ヘヴィ・メタルをベースに、さまざまなジャンルのエッセンスを取り入れた、重く激しい世界に来場者を連れ込んだ。妖精帝國といえば、終身独裁官ゆい様のMCがおもしろいことでも知られているが、今回は限られた時間の中でできるかぎりの楽曲を披露するべく、MCは残念ながら少なめ。その代わり、全力のパフォーマンスで魅せてくれた。7曲目「Astral Dogma」は、本来演奏する予定のなかった曲だが、植松氏がツイッターで「Astral Dogmaやんねーかなー。舞台袖でヘッドバンギングしちゃうぞ」とつぶやいたため、急遽セットリストを差し替えたという。この曲の演奏中、植松氏も陰できっとヘッドバンギングしていたに違いない。

「gothic lolita agitator」
「missing」
「幻惑胡蝶」
「機械」
「霊喰い」
「使徒礼賛」
「Astral Dogma」
「空想メソロギヰ」

■EARTHBOUND PAPAS(アースバウンド・パパス)
キーボード:植松伸夫、ギター:岡宮道生、キーボード&ギター:成田勤、ベース:弘田佳孝、ドラム:藤岡千尋、コーラス:CHiCO from ACE、馬場宏美、佐々井康雄、遠藤フビト

 今年のファンタジー・ロック・フェスを締めくくったのは、植松氏率いるバンド“EARTHBOUND PAPAS(以下、EBP)”。日本でライブに出演するのは今年初というEBPは、2013年9月1日にDOGEARRECORDS SHOP(→こちら)にて発売開始されるEBPセカンドアルバム「DANCING DAD」の収録曲を中心に、12曲を演奏した。「DANCING DAD」の名前の由来や、ジャケットイラストにまつわる秘話については、こちらの記事をお読みいただきたい。このアルバムの(ほぼ)表題曲で、ライブのアンコール前のフィナーレを飾った「Dancing Mad(妖星乱舞)」は10分を超える大曲。ボーカルメンバーも勢ぞろいで披露し、会場は大盛り上がり。続くアンコールの「Advent: One-Winged Angel (再臨:片翼の天使) 」で、ライブはクライマックスを迎えた。

「Homecoming Again ~ Opening Fanfare」
「Doppelganger」(ボーカル:遠藤フビト)
「Fight With Seymour(シーモアバトル)」
「La petite malice du Kijimunaa」
「Toneless」(ボーカル:馬場宏美)
「Those Who Fight Further(更に闘う者達)」
「Watashi No Mizu To Sora(私の涙と空)」(ボーカル:佐々井康雄)
「Battle at the Big Bridge(ビッグブリッヂの死闘)」
「LORD of VERMILION」(ボーカル:CHiCO)
「Delight of the victors」
「Dancing Mad(妖星乱舞)」(ボーカル:CHiCO、馬場宏美、佐々井康雄、遠藤フビト)
アンコール
「Advent: One-Winged Angel (再臨:片翼の天使) 」

▲終演後には、CD/グッズ購入者のためのサイン会が行われ、各コーナーに大きな行列ができた。
▲EBPのセカンドアルバム「DANCING DAD」は会場で先行販売!