日本向けのPS4関連の発表はいつごろなのか?

プレオーダー100万台はプレイステーション史上最高の数字 SCEワールドワイドスタジオ・プレジデント吉田修平氏インタビュー【gamescom 2013】_01
SCEワールドワイドスタジオ・プレジデント
吉田修平氏

 2013年8月21日~25日(現地時間)、ドイツ・ケルンにて開催されている欧州最大級のゲームイベント“gamescom 2013”。その会場近くのホテルで、SCEワールドワイドスタジオ・プレジデントの吉田修平氏にお話を聞いた。

――吉田さんが登場したSCEカンファレンス冒頭のパフォーマンスは、吉田さんの発案だったのですか?
吉田 僕の発案というわけではないのですが、PS4のシステムソフトを実機できちんと動いている形でお見せするのは今回が初めてでしたので、どういったことができるのか、どういった遊びがあるのかをひとつの流れで見せようということでやりました。そうしてシナリオを考えていたのですが、最後にスクリーンショットをツイートすることになり、「それならフォロワーの多い吉田がいいんじゃないか」となったのが、僕が登壇した理由です(笑)。

――そういう理由だったんですね(笑)。カンファレンス全体の手応えとしてはいかがでしたか?
吉田 今回は、結果的にですが、インディー・タイトルや我々の作っているものなど、バラエティに富んだ非常に多くのタイトルを紹介できました。どういった反響があるかなと思っていたのですが、多くの人から「とてもよかった」と言っていただきました。それだけ欧米ではインディー・タイトルなどに対する期待感が大きくなってきているということでしょうし、作り手への注目度も高まっていますね。

――まさにインディーならでは、といったタイトルも多かったですね。
吉田 それがいま非常にウケていて、実際に遊んでみてもかなり骨太というか、しっかりしたものになっている。いまは経験豊富な腕の立つ人が独立して、自分の作りたいものを作っているというケースが増えていることも、このムーブメントの背景にあると思います。

――インディー・タイトルは、ワールドワイドスタジオで監修を行っているのですか?
吉田 インディー・タイトルとひとくちに言ってもふたつのパターンがあります。まず、我々が発売するものに関しては、ファウンデイングはもちろん、スタジオのプロデューサーが付いてサポートします。場合によってはクリエイティブの面で参加することもありますね。プロデューサーが編集者でインディーズが作家さんと考えるとわかりやすいでしょうか。これとは別に資金調達からゲーム制作まですべてを自分たちで行い、我々はプラットフォームを提供しているだけ、というパターンもあります。

――プレイステーションフォーマットにおいて、今回ほどインディーゲームにスポットを当てたことはなかったと思うのですが、これは、これまでそういった層を取り込めていなかったからなのでしょうか?
吉田 取れていなかったというよりも、インディーのコミュニティの層がどんどん厚くなってきていて、クオリティーが上がってきたということだと思います。昔からインディーシーンというものはありましたが、例えば『風ノ旅ビト』のように業界全体にインパクトを与えるようなものは、過去には出てきていなかったですよね。

――この盛り上がりを、家庭用ゲーム機としてもしっかりピックアップしていこうと。
吉田 はい。また、いまはデジタル形式でのゲーム販売が普及して、世界中で収益をあげられるようになったことも大きいと思います。

――日本にも参加したいという人たちがいると思います。
吉田 当然、そこもサポートしていきたいと考えています。レーティングの問題などクリアーしなければいけないことが多いのですが、不可能ではないので、いろいろと取り組んでいく予定です。

――PS4についてお聞きします。PS3からPS4になることで、ユーザーが得られる体験としてもっとも違う部分はどこだとお考えですか?
吉田 まったく同じゲームを遊んだとしても、PS3で遊ぶよりPS4で遊んだ方が、ゲームに入る前と出た後、ゲームをプレイしていなくても、ゲームにまつわるいろいろなことが楽しめる部分ですね。カンファレンスのデモでお見せしたように、ソシャールコネクティビティのフィーチャーであるとか、スマートフォンやタブレット向けに用意しているPSアプリなど、PS4ではゲームの外に多くの道筋を作っています。PS4を立ち上げていなくても、PS4、ゲームを楽しめる要素がたくさんある。そこは大きな違いだと思います。

――そういう意味では、忙しい人、使える時間があまりない人にもオススメですね。吉田 そうですね、家でじっくりゲームをやる時間がないという人でも、例えば仕事や移動の合間にスマートフォンでチェックしようとか、そういうことができますし、場合によってはリモートプレイで遊んだりということもできますから。また、例えば家で1時間ゲームをやろう、というときに、1時間をほぼ丸々使えるのもPS4のいいところです。PS3ではシステムアップデートやダウンロードなどに時間をとられる場合がありましたが、PS4ではそういったこともバックグラウンドで行いますし、ダウンロードでゲームを買うとしても、外にいるときにスマートフォンなどから購入しておけます。

――カンファレンスでは、プレオーダーが100万台に到達したという発表もありました。数字を出すのは珍しいですよね?
吉田 これはプレオーダーとしては過去最大なんです。ですので数字を出したということもあるんですが(笑)。過去のプレイステーションにおいてこれほどの数字はなかったですね。欧米ではE3からプレオーダーを取り始めたのですが、約2ヵ月で100万台というのは我々の予想を大きく超えていました。

――そうなると、発売に向けてのハードルも上がったのでは?
吉田 上がりましたね。プレッシャーも強いです(笑)。発売したはいいけれど、物がないといった状況にならないように、内部で検討を重ねています。

――日本のファンは日本での発売日の発表を心待ちにしていると思います。
吉田 日本の皆さんに発売日も価格もお伝えできておらず、大変申し訳なく思っています。9月9日に独自イベントも予定していますし、その後に東京ゲームショウもあります。これらのイベントでPS4に関する日本向けの情報を発信できると思いますので、もう少しだけお待ちください。