海賊の黄金時代を駆け抜けるアサシンとは?

 2013年7月18日~21日(現地時間)、アメリカ・サンディエゴにて開催されているエンターテインメントのイベント“Comic‐Con International”(通称“コミコン”)。開催2日日となる2013年7月19日に行われた、ユービーアイソフトの『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』のセッション“Assassin's Creed IV Black Flag Live Demo and Q&A”のリポートをお届けする。

『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』ファンが気になる疑問をぶつける!【Comic‐Con International 2013】_01
『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』ファンが気になる疑問をぶつける!【Comic‐Con International 2013】_02

 18世紀の西インド諸島(現在のカリブ)を舞台に、海賊であり暗殺者であるエドワード・ケンウェイが時代を駆け抜ける本作。スクリプトライターのダービー・マクデビット氏は、『アサシン クリード3』ではコナーらケンウェイ一家の物語が描かれたが、今回はぜひエドワード(『アサシン クリード3』主人公コナーの祖父にあたる)の話を取り上げたいと考えた、と語った。また、『アサシン クリード3』で登場した海戦のゲームプレイをさらに掘り下げたいというのも、理由のひとつだという。

 エドワードを演じた声優のマット・ライアンは、エドワードについて、“内部に色々拮抗するものがある、複雑な人物”とコメント。演じるにあたり、海賊についての身体的特徴を研究したそうだ。

 会場では、マットの解説とともに、『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』のデモプレイを見ることができた。その解説によれば、エドワードはカリスマ性があり、女性の扱いもうまいキャラクター。なかなか人を信用しないが、一度信頼関係を構築すると、相手を大事にする。はっきりとものを言い、自分の直感を信じて決断するため、利己主義に見えて周囲とぶつかることもあるそうだ。

 この時代では、人々があまり色々なことに気を使わず、自由に生きていた。上昇志向の強いエドワードは、イギリスやスペインの政府と衝突することになる。

■『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』のフィギュア・グッズ展開

 前作に引き続き、『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』でも、さまざまなトイズが用意されている。フィギュアを購入すれば、トレジャーマップ、コスチューム、コスチュームカラー、帆などが入手できる模様。

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■『アサシン クリード』のコミック

 コミックライターのブレンデン・フレッチャー氏は、新たなコミック「Assassin's Creed Brahmin」について語った。このコミックの主人公は、インド人のアッバース・ブラーミン。1839年のインドを舞台に、ブラーミンと彼の祖先のストーリーが展開するという。

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■Q&Aコーナー

 Q&Aコーナーがたっぷりと設けられた本セッション。質疑応答の中で、気になるものをピックアップしてお届けする。

Q.ストーリーと史実は、どのように組み合わせていくのですか?
A.5~6ヵ月間はリサーチを行い、データを集めます。史実をどこまで取り入れるかは、ゲームプレイとのバランスで決めていきます。たとえば、この時代の兵士は必ずしもユニフォームを着ていたわけではなく、ごく普通のシャツとズボンだけだった場合もあります。しかし、これでは兵士かどうかの見分けがつかないので、ユニフォームを着せました。

Q.スペイン軍やイギリス軍が出てくるようですが?
A.舞台となるのはハバナ、キングストン、ナッソーですが、これらの場所は、それぞれスペイン、イギリス、海賊が力を持っていた場所です。したがって、このゲームは、文化的にも言語的にも多様性を持っています。

Q.海戦と陸戦の割合を教えてください
A.40対60ほどですが、シームレスに切り替えているので、両方が混ざっている部分もあります。

Q.本作では、アサシンの弟子を集める要素はありますか?
A.ありません。船のクルーを集める要素がありますが、弟子を集めるシステムは、ゲームデザイン上、困難が生じたのでやめました。

Q.海のマップでは、どこでも潜ったりできるのでしょうか?
A.あまりにもマップが広いので、潜れる場所は、沈没船の周囲など、ある程度制限しています。

Q.デモを見ると、銃が多く使われているようですが、撃ち合いが多いのでしょうか?
A.銃以外での戦いもたくさん用意しています。海賊は、拳銃を何挺も持っていたんです。エドワードは4挺まで持てますが、リロードに時間がかかります。

Q.広い海の移動中、何もないと飽きてしまうのでは?
A.“ホライズン・システム”によって、一定の時間が経過すると、ほかの船や、銛を打つ目標など、何かが目に入るようになっています。海の移動については、開発においても大きな課題でしたが、うまくできたと思います。

Q.近年のタイトルでは、比較的現代に近い時代が描かれますが、未来が描かれることはありますか?
A.『アサシン クリード』シリーズは、“歴史的ツーリズム”に主眼を置いているので、未来を舞台に選ぶと、調査も難しく、コンセプトが欠落してしまいます。本物の歴史に触れると、感動します。ある時代を舞台に選んだら、きちんとリアルなものにしたい。海賊についても、いろいろ通説はありますが、きちんと史実に基づいたものに近づけたいと考えました。

Q.今後、東アジアの文化がゲームに登場することはありますか?
A.もし、忍者やサムライを扱うことがあれば、リアルなものにしたいですね。“この時代はやらない”と決めているものはありませんが、安っぽいものにはしたくありません。どんな時代設定を選んだとしても、生き生きとしたリアルなものにするつもりです。