ユーザーからの忌憚のない意見も

 2013年6月22日、東京のKONAMI本社にて、人気サッカーゲームのシリーズ最新作『Pro Evolution Soccer 2014』の体験会が開催された。『Pro Evolution Soccer』とは、『ウイニングイレブン』の海外版タイトルのこと。この体験会には一般ユーザーとメディアが参加し、試遊を楽しんだ。

 『Pro Evolution Soccer 2014』は、先日、アメリカのロサンゼルスで開催されたゲーム見本市“E3”でお披露目となったばかりの新作。小島プロダクションのFox Engineをベースにした新エンジンで開発が進められており、グラフィックはさらにリアルさを増している。また、物理演算の導入によって、選手どうしが衝突するなど、選手の挙動もより現実に近いものとなっているのだ。『Pro Evolution Soccer 2014』については、こちらの記事(⇒こちら)やこちらのムービー(⇒こちら)もぜひチェックしていただきたい。

海外版『ウイイレ』最新作の体験会が開催、進化したポイントをチェック_01
海外版『ウイイレ』最新作の体験会が開催、進化したポイントをチェック_02
▲スタジアムの影や照明の演出も強化される。
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▲実在選手の動きを再現する“プレイヤーID”が割り当てられる選手の数は、前作の倍になるという。

 さて、試遊ではE3で出展されたバージョンのROMでプレイすることができた。今回の『2014』は、前作からさまざまなパワーアップが施されているが、もっとも変わったのは1対1の攻防だろう。概念の話からすると、本作の1対1では、攻撃側と守備側それぞれで、“ハイリスク・ハイリターンな行動”と、“ローリスク・ローリターンな行動”が決まっており、それらを状況に応じて使い分けていくのがキモとなるのだ。

 オフェンス側のプレイヤーには“体の重心”という概念が取り入れられており、フェイントで体を振る動きとボールの動きを、それぞれ別々に制御することができる。そうしてフェイントを仕掛けたり、パスを出したりして相手の守備陣を崩していくわけだが、ディフェンス側のプレイヤーは、タックルやディレイといった行動を駆使することで、突破を封じることが可能なのだ。実際にプレイしてみたところ、フェイントは前作よりも使いやすくなった印象。筆者のスキリ不足ゆえに、使いこなすことはできなかったが、慣れれば大きな武器となりそうだ。1対1の局面での読み合いは、ゲームをさらにアツくするだろう。

 オフェンス面では、スルーパスの変化も見逃せない。従来のスルーパスに加えて、より狙ったところにパスを出しやすい操作が可能となっているのだ。この操作に変更したときは、画面にガイドが表示され、どこにパスを出そうとしているかがわかるようになる。精緻な操作が要求されるが、その分、針の穴を通すようなパスが出せるため、1本のパスで状況を打開するようなプレイも可能となる。操作の幅が増えたという意味では、こちらも歓迎すべき要素と言える。

 そのほかにも、フリーキックやコーナーキックのボールの軌道を細かく制御できるようになったり、“ポストプレイで落としたところに第3の選手が飛び込む”といったような決まりごとを設定できたりと、意欲的な新要素が多数導入されている。まだまだ開発中のバージョンということで、荒削りなところはあったものの、そのあたりはこの体験会で意見を集め、修正していくということだ。果たして、新たな『ウイニングイレブン』はどのような作品となるのか。ファンは期待しよう!

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▲“決まりごと”の一例。味方が中に切り込むことで開いたスペースに、ほかの味方が飛び込む。フォワードの選手はゴール前へ。