若きバットマンを描く前日譚的作品だが、ゲーム内容はパワーアップ!
ワーナーはE3で、日本でも今冬に発売予定の『バットマン:アーカム・ビギンズ』をシアター形式でプレゼンテーションしていたほか、プレス向けにはプレイヤブルデモも用意していた。
本作は『バットマン アーカム・アサイラム』と『バットマン:アーカム・シティ』から続く、オープンワールドアクションシリーズの3作目。前作アーカム・シティの倍の規模の世界を舞台に、若き日のバットマンの奮闘を描く。
さまざまなバットマンのキャラクターが登場する本シリーズだけに、デモもヴィラン(敵役)がてんこ盛り。ブラックマスクを追うためにバットマンが悪党を尋問するオープニングで始まり、アナーキーのプロパガンダを止めたり、デッドショットの仕業を発見したり、しまいにはベインやジョーカーも出てきたり(E3トレイラーにはデスストロークの姿も)。
基本的にはストーリーに沿ってメインミッションを進めつつ、街中で起こる様々なサイドミッションを通じて犯罪と戦っていくというのはこれまでの作品と同じ。もちろん、近くで起こっている犯罪を検知する一種のレーダーシステムなどにより、プレイしやすくなるよう改善が行われている。
またユニークなのが、シミュレーションを使って犯罪捜査を行う新要素。これは進行中の犯罪ではなく、すでに起こってしまった犯罪を調査するというもので、デモではバットマンの目前で起きたヘリの墜落事件がフィーチャーされていた。
この機能は、バットマンのスキャナーにより事実が判明するたびに、何が起きたのかをシミュレートし、時間を巻き戻すかのように見られるというもので、以下のようなフローで真相に迫っていた。
1.まずはバットマンが墜落現場を解析し、どのようにヘリが落ちたかを分析。
2.屋上に戻り、墜落し始めた時点をシミュレートし、何らかの原因でテイルローターが破損したことを確認。
3.テイルローターが飛んでいったと思われる方に進み、落ちていたローターを分析。
4.時計台の方向からの銃弾により破壊されたと導き出す。
5.時計台に行くとスナイパーが死んでいたが、彼の死体を分析したところ、背後からの跳弾でまず彼が死亡、続いてヘリまで弾が飛んでいってテイルローターを破壊したと推定する。
6.こんなことができるのはひとりだけ、つまりデッドショットが犯人に違いない!
すでに完成度の高いシリーズの基本を踏襲し、新たな物語を描く
バットマンの推理が正しいかどうかはゲーム本編を待つとして、非常に完成度の高いシリーズであるだけに、ゲームの基本は壊さないよう大きく手を入れずに、ちょっとずつ新しい捻りを入れて新たな物語を描くという方向で開発されていると感じた。
例えば戦闘では、バットマンの攻撃をほとんど受け付けない屈強な敵や、バットマンのような近接攻撃を仕掛けてくる相手などが登場していて、より賢くステルス攻撃やカウンターやコンボを使わなくてはならない。
またステルスパートでは、新機能のRemote Clawという新しいナイスなオモチャ、もといガジェットを導入。これは二点間を結ぶケーブルを張るというもので、2種類のモードがある。敵とオブジェクトに使えば、悪党を吊り上げて無力化したり、爆発物とサンドイッチにしたりといったことが可能で、オブジェクトに対してのみ使えば、壁と壁の間にバットマンが歩けるケーブルを張るといったこともできる。
というわけで、ゲームプレイ全般がますます充実し、これまでのシリーズの成功を裏切らない、鉄板のタイトルとして期待できそうだ。